部屋のシーリングライトがなんだか暗いと感じていませんか?以前より暗くなったと感じたり、逆に明るすぎると感じることもあるかもしれません。
特に4灯タイプやデザイン重視のおしゃれな照明は、思ったより暗いというデメリットもあります。ペンダントライトからの交換で失敗した、というケースも少なくありません。
そもそも寿命は何年くらいなのか、そろそろ交換時期なのかと悩む方もいるでしょう。もっと部屋を明るくしたい場合、畳数を大きめの製品に変えたり、賃貸でも工事不要で照明を追加する方法もあります。
また、意外と見落としがちなのが常夜灯の明るさです。この記事では、これらの悩みを解決するための具体的な方法を、専門家の視点から分かりやすく解説します。
シーリングライトが暗いと感じる代表的な原因

シーリングライトが持つ光のデメリット
シーリングライトは部屋全体を均一に照らすのに適しており、多くの家庭で主照明として利用されています。しかし、その構造上、いくつかのデメリットが存在します。主なデメリットは、天井に直接取り付けるため、光が部屋の隅々まで届きにくい点です。
天井の中央から部屋全体を照らすため、どうしても照明の真下は明るく、壁際や部屋の隅は暗くなりがちです。
特に、家具の配置によっては大きな影ができてしまい、その部分だけが極端に暗く感じられることも少なくありません。
10畳以上の広いリビングなどでは、シーリングライト一つだけでは明るさが不十分だと感じるケースが多く見られます。
デザインの制約もデメリットの一つ
機能性を重視したシンプルな円盤型が主流のため、デザインのバリエーションはあまり多くありません。インテリアにこだわりたい方にとっては、少し物足りなく感じられる可能性があります。
このように、シーリングライトは部屋全体を照らすというメリットがある一方で、光の届き方やデザイン性には限界があることを理解しておく必要があります。
4灯シーリングライトが暗い理由とは

4灯シーリングライト(スポットライト型シーリングライト)は、デザイン性が高くおしゃれな空間を演出できるため人気があります。しかし、「設置してみたら思ったより暗かった」という声が多い照明器具でもあります。その理由は、4灯シーリングライトが部屋全体を明るくするための照明ではないからです。
一般的な円盤型のシーリングライトが一室を均一に照らす「全体照明」であるのに対し、4灯シーリングライトは以下のような「部分照明」や「間接照明」としての役割が強いです。
このため、部屋全体を明るくする目的で4灯シーリングライトを一つだけ設置すると、光が届かない場所が多くなり、全体的に暗い印象になってしまいます。4灯シーリングライトを主照明として使う場合は、他の照明器具と組み合わせて明るさを補うことが重要です。
おしゃれだけど暗い照明のデザイン性
インテリアのアクセントになるデザイン性の高い照明器具は、空間をおしゃれに見せてくれる魅力的なアイテムです。しかし、デザインを重視するあまり、明るさが犠牲になっているケースが少なくありません。
特に、以下のような特徴を持つ照明は暗く感じやすい傾向があります。
シェードの素材や形
シェード(電球の傘)が光を通しにくい濃い色の素材であったり、金属や木で覆われていたりすると、光が下方向にしか広がりません。これにより、天井や壁が照らされず、部屋全体が暗い印象になります。また、シェードの開口部が狭いデザインも、光の拡散を妨げる原因です。
電球が隠れるデザイン
電球そのものが見えないようにデザインされた間接照明のような器具は、柔らかく落ち着いた雰囲気を演出できます。一方で、光源からの直接光が遮られるため、作業や読書などを行うには光量が不足しがちです。
おしゃれな照明を選ぶ際は、そのデザインがどのように光を広げるのか、または遮るのかを事前に確認することが失敗しないためのポイントです。見た目だけで選んでしまうと、「おしゃれだけど暗い」という残念な結果につながりかねません。
ペンダントライトが暗く感じる原因
ダイニングテーブルの上などによく使われるペンダントライトは、空間のアクセントになる人気の照明です。しかし、これもシーリングライトと同様に「暗い」と感じることがあります。主な原因は「設置する高さ」と「テーブルの大きさとのバランス」です。
ペンダントライトは、光源と照らす対象との距離が近いほど明るく感じられます。適切な高さに設置しないと、光が拡散してしまい手元が暗くなります。
ペンダントライトの適切な高さの目安
一般的に、テーブルの天板から照明器具の下端まで60cm~80cmの高さが推奨されています。これより高い位置に設置すると、光がテーブル面に届きにくくなり、暗く感じる原因になります。
また、大きなテーブルに小さなペンダントライトを1灯だけ設置した場合も、テーブル全体を照らしきれずに端の方が暗くなります。テーブルのサイズに合わせて、ライトの大きさや数を調整することが重要です。
さらに、見落としがちなのがホコリです。ペンダントライトのシェードの上にはホコリが溜まりやすく、これが光を遮って明るさを低下させる原因にもなります。
急に暗くなった?明るすぎる時の原因
今まで問題なく使えていたシーリングライトが「急に暗くなった」と感じる場合、いくつかの原因が考えられます。最も多いのは、照明器具の寿命が近づいているサインです。
しかし、寿命以外にも考えられる要因があります。それは、リモコンの「調光機能」です。何かの拍子にリモコンのボタンが押され、明るさの設定が一番暗い状態になっている可能性があります。特に、複数の機能がついたリモコンの場合、意図せず設定を変えてしまうことがあります。故障を疑う前に、一度リモコンで明るさのレベルを最大に設定し直してみてください。
逆に「明るすぎる」と感じる場合も、この調光機能で解決できます。食事の時は暖色系の落ち着いた光に、読書や勉強の時は白くて明るい光にするなど、シーンに合わせて明るさや光の色を調整することで、快適な空間を作ることが可能です。
明るすぎる光のデメリット
必要以上に明るい照明は、目が疲れやすくなったり、リラックスできなかったりする原因になります。また、当然ながら消費電力も大きくなるため、電気代の観点からも適切な明るさに調整することをおすすめします。
寿命は何年?
シーリングライトの寿命は、使用している光源によって大きく異なります。現在主流となっているLEDシーリングライトの寿命は、一般的に約10年と言われています。
照明器具は使用年数に伴い劣化し、10年を過ぎると故障が急に増加するため、設置してから10年を 「適正交換時期」、15年を「耐用の限度」としています。
日本照明工業会より引用
これは、照明器具メーカーなどで構成される「日本照明工業会」が定める目安で、1日10時間の使用を想定した場合の年数です。時間に換算すると約40,000時間となり、蛍光灯や白熱電球に比べて格段に長寿命です。
光源の種類 | 寿命の目安 | 1日10時間使用した場合 |
---|---|---|
LED | 約40,000時間 | 約10年 |
蛍光灯 | 約6,000~12,000時間 | 約1年8ヶ月~3年3ヶ月 |
白熱灯 | 約1,000~2,000時間 | 約3ヶ月~6ヶ月 |
寿命が近づくサイン
LEDシーリングライトは、寿命が来ると突然切れるのではなく、徐々に暗くなっていきます。以下のようなサインが見られたら、交換時期の目安です。
- 以前より明らかに暗くなった
- 光がちらつくことがある
- スイッチを入れても点灯しない時がある
- カバーが変色したり、焦げ臭いにおいがしたりする
なお、LEDシーリングライトはランプ部分だけの交換ができない一体型のものがほとんどのため、寿命が来た場合は器具本体ごと交換する必要があります。
シーリングライトが暗い時の具体的な解決方法

畳数は大きめを選ぶのがおすすめ

シーリングライトを選ぶ際に最も重要な基準となるのが「適用畳数」です。これは「〇畳用」といった表示で、その照明がどのくらいの広さの部屋に適しているかを示しています。もし部屋が暗いと感じるなら、現在の部屋の広さより1ランク上の畳数表示の製品を選ぶのが最も簡単で効果的な解決策です。
例えば、8畳の部屋であれば、8畳用ではなく10畳用や12畳用のシーリングライトを選ぶということです。日本照明工業会では、部屋の広さに応じた明るさ(ルーメン)の基準を定めていますが、これはあくまで最低限の目安です。
適用畳数 | 明るさの範囲(ルーメン) |
---|---|
~4.5畳 | 2,200~3,200 lm |
~6畳 | 2,700~3,700 lm |
~8畳 | 3,300~4,300 lm |
~10畳 | 3,900~4,900 lm |
~12畳 | 4,500~5,500 lm |
壁や床の色が濃い部屋や、天井が低い部屋、家具が多い部屋では光が吸収・遮断されやすいため、基準通りの畳数では暗く感じることがあります。
大きめの畳数を選んでおけば、普段は調光機能で明るさを少し落として使うことができます。明るさを抑えている間は消費電力も下がるため、電気代の節約にもつながります。「大は小を兼ねる」の考え方で、余裕を持った明るさの製品を選ぶのが賢い選択です。
電球や本体の交換で明るさを改善

照明が暗いと感じる場合、電球や照明器具本体を交換することで明るさを大きく改善できます。特に4灯シーリングライトやペンダントライトなど、電球を交換できるタイプの場合は、まず電球の見直しから始めましょう。
電球の交換で明るくするポイント
- 明るさを上げる(ワット数・ルーメン):現在使用している電球より明るいものに交換します。ただし、照明器具には使用できるワット数の上限があるため、必ず確認してください。
- 光の広がり方を変える:LED電球には光の広がり方を示す「配光角度」があります。部屋全体を明るくしたい場合は、下方向だけを照らすタイプではなく、配光角度が約260度の「全方向タイプ」を選びましょう。
- 光の色を変える:光の色(色温度)も明るさの感じ方に影響します。オレンジ色の「電球色」より、白っぽい光の「昼白色」の方が活動的な印象で明るく感じられます。
蛍光灯のシーリングライトを使っている場合や、LEDでも寿命が近づいている場合は、照明器具本体を最新のLEDシーリングライトに交換するのが最も効果的です。最新のモデルは省エネ性能が高いだけでなく、調光・調色機能も充実しているため、生活シーンに合わせた快適な光環境を実現できます。
部屋をもっと明るくしたい時の照明術
シーリングライト一つではどうしても明るさが足りない場合、複数の照明を組み合わせる「一室多灯」という考え方を取り入れるのがおすすめです。主照明であるシーリングライトを補うように、間接照明などを追加することで、部屋全体の明るさを確保しつつ、おしゃれで快適な空間を演出できます。
具体的には、以下のような照明器具を追加するのが効果的です。
追加におすすめの照明器具
- フロアランプ:ソファの横や部屋の隅に置く背の高いスタンドライト。コンセントに差すだけで手軽に設置でき、暗くなりがちな壁際を明るく照らしてくれます。
- 卓上ランプ(テーブルランプ):机の上やサイドボードに置いて手元を明るくする照明。読書や作業の際に光量を補うのに最適です。
- スポットライト:壁のアートや観葉植物、お気に入りのインテリアなどをピンポイントで照らす照明。光の当たった場所が際立ち、部屋にメリハリと奥行きが生まれます。
これらの照明を効果的に配置することで、シーリングライトだけでは作れなかった陰影が生まれ、空間がより立体的で豊かな表情になります。生活の質を上げるためにも、小さな照明をプラスしてみることを検討しましょう。
賃貸OK!工事不要で照明を追加する方法
「部屋に照明を追加したいけれど、賃貸だから壁に穴を開けられない」と諦めている方も多いのではないでしょうか。実は、専門的な電気工事を必要とせずに、後から照明器具を増設できる便利なアイテムがたくさんあります。
簡易取付式ダクトレール
最もおすすめなのが「簡易取付式ダクトレール」です。これは、天井にすでにあるシーリングライト用の配線器具(引掛シーリング)に、ドライバー1本で簡単に取り付けられるバー状の部品です。このレール上であれば、好きな位置に複数のスポットライトやペンダントライトを自由に設置できます。
カフェのようなおしゃれな多灯照明を、賃貸住宅でも手軽に実現できる優れものです。取り外しも簡単なので、退去時も安心です。
クリップライトや置き型照明
前述のフロアランプや卓上ランプはもちろんのこと、棚板や机の縁に挟んで使える「クリップライト」も非常に便利です。コンセントさえあればどこでも設置でき、必要な場所だけを的確に照らせます。
これらの工事不要のアイテムを活用すれば、賃貸住宅の制約の中でも、自分好みの快適で明るい照明環境を作り出すことが可能です。
LEDの常夜灯が暗い時の対策
蛍光灯からLEDシーリングライトに交換した際に、「常夜灯(豆電球)がすごく暗くなった」と感じる方が少なくありません。従来のナツメ球に比べてLEDの常夜灯は消費電力が非常に少ない分、光量もかなり抑えられています。
この暗さは、特に夜中にトイレに行くことの多い高齢者にとっては、足元が見えにくく転倒のリスクにつながる可能性があります。この問題を解決するには、いくつかの対策が考えられます。
- 明るさ調整機能付きのシーリングライトを選ぶ
製品によっては、常夜灯の明るさを数段階で調整できるものがあります。これからシーリングライトを購入する場合は、この機能があるかを確認すると良いでしょう。 - 一番暗い「全灯」モードを活用する
シーリングライト本体の明るさを、リモコンで一番暗い設定にしておく方法です。常夜灯よりは明るくなりますが、消費電力はそれほど大きくありません。 - 小さな間接照明を併用する
コンセントに直接差し込むタイプの小さなLEDライトや、小さなテーブルランプを常夜灯代わりに使うのも有効な手段です。手元でオン・オフできるものなら、必要な時だけ点灯させられます。
安全で快適な夜を過ごすためにも、常夜灯の明るさは重要なポイントです。ご自身の生活スタイルに合った対策を取り入れましょう。
シーリングライトが暗い悩みを解決しよう
この記事では、シーリングライトが暗いと感じる原因から、具体的な解決策までを幅広く解説しました。最後に、今回の重要なポイントをまとめます。