突然リビングの照明が切れた時はとても困るもの。特にLEDシーリングライトの場合つかない原因が寿命による症状なのか、それとも他に問題があるのか、判断に迷うこともあるかと思います。
この記事ではLEDシーリングライトの中身交換について、自分でできるやり方や具体的な交換方法を詳しく解説。また、多くの製品で採用されている一体型で交換できないケースの見分け方や、人気メーカーであるアイリスオーヤマ製品の例にも触れながら、交換に関するあらゆる疑問にお答えします。
この記事を読むことで以下の点が明確になります。
知っておきたいLEDシーリングライトの中身交換の基本

ライトがつかない原因を特定しよう
まずシーリングライトが点灯しなくなった場合考えられる原因は一つではありません。交換作業を始める前に、まずは原因を正しく突き止めることが大切です。
主な原因は「光源の寿命」「内部部品の故障」「接触不良」の3つに大別できます。光源の寿命は最も一般的な原因で、特に従来の蛍光灯の場合は数年で寿命を迎えることがあります。LEDの場合も長寿命とはいえ永久に使えるわけではありません。
次に、内部部品の故障も考えられます。蛍光灯器具には安定器、LED器具にはLEDドライバー(電源ユニット)という部品があり、これらが故障すると光源が正常でもライトは点灯しなくなります。これらの部品は熱や湿気に弱く、使用環境によっては寿命より早く故障するケースも少なくありません。
そして、見落としがちなのが接触不良です。天井に設置されている「引掛シーリング」という配線器具と照明本体の接続が緩んでいたり、内部の配線が抜けかかっていたりすると、電気が正常に供給されず点灯しません。
これらの原因を切り分けるため、まずはリモコンの電池を交換してみる、壁のスイッチを数回オンオフしてみるといった簡単な確認から始めると良いでしょう。
交換時期を示す寿命のサインや症状
照明器具は完全に点灯しなくなる前に交換時期を示すサインを発していることがあります。これらの症状に気づくことで、突然部屋が真っ暗になる事態を避け、計画的に交換を進められます。
最も分かりやすいサインは明るさの低下です。新品の頃に比べて「何となく部屋が暗くなった」と感じる場合は、光源の寿命が近づいている可能性が高いです。
LEDの設計寿命は一般的に約40,000時間と言われ、1日10時間の使用で約10年持つ計算になりますが、これは初期の明るさが70%に低下するまでの時間を示しています。つまり、切れる前に徐々に暗くなっていくのが特徴です。
また、点灯中にチカチカと点滅を繰り返す症状も交換のサインと考えられます。これは光源自体の劣化のほか、内部のLEDドライバーや安定器が不安定になっている場合に起こります。点滅を放置すると目に負担がかかるだけでなく部品のさらなる劣化を招く恐れもあるため、早めの対処が望まれます。
他にも点灯させた際に「ジー」といった異音がする、光の色が以前と変わって見えるといった現象も、器具全体の劣化を示す症状です。照明器具本体の寿命も一般的に8~10年とされているためこれらのサインが見られたら、光源だけでなく器具全体の交換を検討する良い機会と言えます。
ライトが切れたらまず確認すべきこと
シーリングライトが突然切れてしまったとき「すぐに交換しなくては」と焦るかもしれませんがその前にいくつか確認すべき基本的なポイントがあります。もしかすると、簡単な操作で復旧するかもしれません。
最初に確認したいのはお部屋の壁にある照明スイッチです。何かの拍子にオフになっていないか、念のため確認しましょう。次に、ご家庭の分電盤(ブレーカー)をチェックします。照明が接続されている回路のブレーカーが落ちていないか見てみてください。
リモコンで操作するタイプの場合はリモコンの不具合も疑われます。まずは新しい電池に交換してみましょう。長年使っていると電池の接触部分が汚れていることもあるため、きれいに拭いてからセットし直すのも有効な場合があります。
それでも点灯しない場合、一部の機種には本体にリセット機能が付いていることがあります。取扱説明書を確認しリセット操作を試してみてください。
一般的な方法としては壁スイッチをオフにし、照明器具のカバーを外して本体と電源をつなぐコネクタを一度抜き、1分ほど待ってから再び差し込むという手順があります。これにより内部の制御回路がリフレッシュされ正常に点灯することがあります。
これらの基本的な確認を行っても改善しない場合に、初めて光源や器具本体の故障を疑い、次のステップに進むのが効率的です。
一体型は交換できない?その理由とは
多くのLEDシーリングライトが光源であるLEDランプ部分だけの交換ができない「器具一体型」として設計されています。

これは蛍光灯のように切れたランプだけを交換してきた方にとっては、少し不便に感じるかもしれません。
一体型になっている主な理由はLEDの特性を最大限に活かすための設計にあります。LEDチップは熱に弱いため、効率的に放熱させる必要があります。器具と一体で設計することで、最適な放熱経路を確保し、LEDの長寿命化を実現しているのです。
また、LEDチップを基板上に自由に配置できるため器具全体を薄くしたりこれまでにはなかったコンパクトなデザインを可能にしたりするというメリットもあります。
言ってしまえば一体型LEDシーリングライト、LED光源と器具本体が一つの「製品」として完成されているのです。メーカーは、LEDの寿命(約10年)と器具本体の寿命(約8~10年)がほぼ同じになるように設計しており、「光源が寿命を迎える頃には、器具の他の部分も劣化しているので、安全のために全体を交換してください」という思想に基づいています。
ご自宅のシーリングライトが一体型かどうかを見分けるには、カバーを外してみるのが一番確実です。中に蛍光灯のような交換可能なランプや取り外しを前提としたLEDユニットが見当たらない場合は一体型である可能性が高いです。
中身だけ交換できるタイプもある?
前述の通り多くのLEDシーリングライトは一体型ですが、中には光源部分だけを交換できるタイプも存在します。自分で交換したい、器具のデザインが気に入っているので長く使いたい、というニーズに応える製品です。
交換できるタイプとして最も分かりやすいのは、従来の蛍光灯器具にも取り付けられる「LED蛍光灯(直管形LEDランプや丸形LEDランプ)」です。

これは、既存のシーリングライトの蛍光灯をLEDランプに置き換えるものでランプだけの交換が可能です。ただし、安定器との相性問題などがあるため、器具ごとLED対応のものに交換する方が安全で確実ではあります。
また、一部のメーカーからは「LEDユニット交換可能」と明記されたシーリングライトが販売されています。これらの製品は、器具本体からLEDが搭載された基板(ユニット)部分だけを取り外せるように設計されています。故障した場合や、将来的にさらに高効率なLEDユニットが登場した際に、ユニットだけを新しいものに交換できるというメリットがあります。
しかし、これらの交換可能タイプは、市場全体で見るとまだ少数派。一体型に比べて価格がやや高くなる傾向があったり、デザインの選択肢が限られたりする場合があります。中身だけの交換を希望する場合は購入時に製品の仕様をよく確認することが肝心です。
実践!LEDシーリングライト中身交換の具体的な手順

自分で交換作業を行う際の注意点
LEDシーリングライトの交換作業を自分で行う場合、安全の確保が何よりも大切です。手順を誤ると感電や落下の危険が伴うため、以下の点に十分注意して作業を進めてください。
安全確保の基本は電源遮断
作業を始める前には必ず分電盤(ブレーカー)の、該当する部屋の照明回路をオフにしてください。壁のスイッチを切るだけでは不十分な場合があります。ブレーカーを落とすことで、作業中の感電リスクを確実になくすことができます。
安定した足場の用意
天井での作業になるため、安定した足場は必須です。グラグラする椅子やテーブルの上に乗るのではなく、しっかりとした脚立や踏み台を使用しましょう。足場が不安定だと、作業に集中できず、転落事故につながる恐れがあります。
なるべく二人での作業を
照明器具は見た目以上に重いことがあります。古い器具を取り外したり、新しい器具を取り付けたりする際に一人ではバランスを崩しやすいものです。
可能であれば家族や友人に手伝ってもらい二人で作業を行うことをお勧めします。一人が器具を支え、もう一人が配線作業を行うなど、役割分担をすると安全かつスムーズです。
適合部品の事前確認
交換用のLEDユニットや新しい器具を購入する際は必ず既存の器具の型番や仕様を確認し、適合するものを選んでください。特にユニット交換の場合は、メーカーが指定した純正品を使用するのが原則です。適合しない部品を使うと取り付けができないだけでなく、火災の原因になることもあります。
こういった交換は動画での解説も良くされているので、それらと見比べながら行うとスムーズに進められるでしょう。
ユニット交換のやり方と交換方法
ここではLEDユニットが交換可能なタイプのシーリングライトを想定した基本的な交換手順を解説。作業前には、必ず製品の取扱説明書を確認してください。
まずは安全のため作業前には必ず分電盤のブレーカーを落とします。
次にカバーを外すシーリングライトのカバーを外します。多くは、カバーを軽く押し上げながら反時計回りに回すと外れるタイプなので確認しましょう。
取り外すとLEDユニットがネジやツメで固定されているのでそれらを外します。多くの場合ドライバーが必要なので準備を忘れずに。
ユニット本体と電源をつなぐコネクタがあるのでツメを押しながら慎重に引き抜いてください。これで古いユニットが取り外せます。
次に新しいLEDユニットを取り付けていきます。新しいユニットを取り外した時と逆の手順で取り付けます。まずコネクタを「カチッ」と音がするまでしっかりと差し込みます。次に、ユニット本体を正しい位置に合わせネジなどで確実に固定します。
ユニットの取り付けが終わったらカバーを戻す前に一度ブレーカーを上げて、正常に点灯するか確認しましょう。無事に点灯することが確認できたら再度ブレーカーを落としてからカバーを元通りに取り付けます。最後にブレーカーを戻して作業完了です。
この手順を守ればユニット交換はそれほど難しい作業ではありません。ただし少しでも不安を感じる場合は、無理せず専門の業者に依頼することをお勧めします。
アイリスオーヤマ製品の交換手順例
人気のメーカーであるアイリスオーヤマのLEDシーリングライトは、取り付けや交換が非常に簡単に行えるように工夫されている製品が多いのが特徴です。ここでは、器具本体ごと交換する場合の一般的な手順を例として紹介します。
多くのアイリスオーヤマ製品では天井の引掛シーリングに接続するアダプターが本体と一体化されています。このため、従来の製品のように「アダプターを取り付け、次に本体を接続し、コネクタをつなぐ」といった複数のステップが必要なく、作業が大幅に簡略化されています。
具体的な手順はわずか2ステップ。
- 本体を取り付ける古い照明器具を取り外した後、新しいシーリングライト本体を天井の引掛シーリングの差込口に合わせて、押し上げます。そして、本体を「カチッ」と音がするまで時計回りにゆっくりと回すだけで、取り付けと電気的な接続が同時に完了します。
- シェード(カバー)を付ける本体がしっかりと固定されたことを確認したら、シェードを本体に合わせて取り付け、時計回りに回して固定します。
このように、工具を使わずに誰でも簡単に設置できる手軽さは一体型で交換ができない場合でも、器具全体の交換を前向きに検討できる大きなメリットと言えます。
もしユニット交換可能なモデルを扱う場合は、付属の取扱説明書に記載された手順に従って作業してください。
蛍光灯は禁止へ。LED化はいつまで?
蛍光灯が2027年で製造禁止になる一方でLEDはそのような規制はまだありません。この蛍光灯禁止の背景には国際的な条約による製造規制があります。
蛍光灯には微量ながら有害物質である水銀が含まれています。この水銀による環境汚染や健康被害を防止するための国際条約「水俣条約」に基づき日本国内でも2027年末をもって、一般照明用のほとんどの蛍光灯の製造および輸出入が禁止されることが決まっています。
一般照明用1の蛍光ランプの製造・輸出入を、2027 年までに段階的に廃止することが決定されました。
環境省より引用
既に使用している製品の継続使用、廃止日までに製造された製品(在庫)の売り買い及びその使用が禁
止されるものではありません。
これは、2028年以降、現在使用している蛍光灯が切れても交換用の新しいランプが手に入らなくなる可能性があることを意味します。禁止されるのは製造と輸出入であるため、市場にある在庫品を購入することは可能ですがいずれは品薄になり、入手が困難になることが予想されます。
このような理由から、特に多くの照明器具を使用しているオフィスや店舗だけでなく、一般家庭においても計画的なLED化が推奨されています。LEDシーリングライトへの交換は単に新しい照明にするというだけでなく、将来的なランプ入手の不安を解消し、環境に配慮する選択でもあるのです。
蛍光灯とLEDの性能比較
項目 | 蛍光灯 | LED |
寿命 | 約6,000~12,000時間 | 約40,000時間 |
消費電力 | 比較的高い | 蛍光灯の約半分 |
環境負荷 | 水銀を使用 | 水銀不使用 |
紫外線放出 | あり(虫が寄りやすい) | ほとんどなし |
応答性 | 点灯まで時間がかかる | 瞬時に100%点灯 |
LEDシーリングライト中身交換のポイントまとめ
この記事で解説してきた、LEDシーリングライトの中身交換に関する重要なポイントを以下にまとめます。