寝室にブラケットライト置きたいんだけどベストな高さって?
寝室のブラケットライト、その高さや位置で悩んでいませんか。
リラックスできる空間を目指したのに、思ったのと違ったという後悔は避けたいものです。寝室だけでなく、リビングやテレビ周り、デスクやトイレなど、場所ごとに最適な高さは異なります。
設置後に簡単に位置変更することができないので、工事の段階でしっかり場所は確認しておきたいところです。
また他にも廊下はどこにつけるのがベストか、賃貸でも後付けできるのか疑問は尽きません。この記事ではそんな寝室のブラケットライトの高さを中心に、各場所での適切な設置方法を解説します。
寝室ブラケットライトの高さの最適解

ベッドサイドの理想的な位置
寝室のベッドサイドに設置するブラケットライトは、リビングなどの他の空間よりも低めに設定するのが現在の主流です。
その理由は、寝室がリラックスやくつろぎを目的とした空間であり、就寝前の読書灯としての役割も担うためです。
特に最近人気がある、10センチ角程度の立方体(サイコロ型)のようなコンパクトなデザインの照明の場合、床から130cmから140cm程度の高さに取り付けるケースが多く見られます。

この高さは、ベッドに座った時や横になった時に、光源が直接目に入り眩しさを感じるのを防ぐのに適しています。
かつての建築業界では、特に希望がない場合、床面から1800mm(約180cm)を照明の下面基準とすることもありました。しかし、これは廊下やリビングなど、人が主に立って活動する空間を前提とした基準です。
寝室、特にベッドサイドでは、使用するシーンやベッドの高さに合わせてより低い位置を慎重に検討する必要があります。
調光と上下配光で雰囲気を演出
寝室を落ち着いた雰囲気にするためには、明るさを調整できる「調光機能」と、光の広がり方である「配光タイプ」の選択が鍵となります。
寝室では、活動するときと就寝前とで求められる明るさが異なります。就寝前は明るさをぐっと絞り、リラックスできるほのかな光が求められます。
そのため、ライトコントロール(調光器)の設置をおすすめします。ただし、注意点として、一般的な蛍光灯タイプの電球では原則として調光ができません。調光器を使用する場合は、白熱灯(クリプトン球やハロピンなど)や、調光に対応したLED電球を選ぶ必要があります。
また、配光(光の広がり方)も空間の印象を大きく左右します。
「上配光タイプ」や「上下配光タイプ」は、光が壁や天井に反射して広がるため、間接照明のような柔らかい光となり、寝室の雰囲気を高めてくれます。

逆に「下配光タイプ」は、手元をはっきりと照らすため、読書灯としての機能性を重視する場合に適しています。
照明器具のデザインによって光の広がり方は様々ですので、どのような光を求めているかに合わせて選びましょう。
ウォールライト(ブラケット)とは
ブラケットライトとは、壁面に取り付けて使用する照明器具のことです。
世の中には天井や床に設置する照明が多い中で、空間の中間である「壁面」を有効に活用できる点が最大の特徴と言えます。
時折「ウォールライト」と呼ばれることもありますが、機能や構造上に明確な違いはなく、どちらも「壁に取り付ける照明器具」を指す言葉として、ほぼ同じ意味で使われています。
ブラケットライトは、単にあかりを確保するという実用性だけでなく、空間を彩る装飾性にも優れています。壁に取り付けるため自然と視界に入りやすく、美しいデザインのものが豊富です。
アートを飾るように「見せる照明」として空間にリズムや奥行きを生み出します。さらに、壁に光が当たることで生まれる陰影やグラデーションは、天井照明だけでは作り出せない、空間を優しく包み込むようなホテルライクな雰囲気をもたらしてくれます。
賃貸でも可能な後付けタイプ
ブラケットライトの多くは、壁内の配線に直接接続するため、設置には専門業者による電気工事が必要です。しかし、工事不要で後付けできるタイプも存在します。
壁に穴を開けられない賃貸住宅や、新築・リフォームの際に配線を計画しなかった場合でも、壁面照明を諦める必要はありません。
代表的なのは、コンセントにケーブルを挿して使うタイプです。

これなら電気工事の必要がなく、比較的簡単に設置や位置の変更ができます。ただし、壁に電源コードが垂れ下がってしまうため、見た目がすっきりしないというデメリットが挙げられます。家具などでコードを上手に隠すといった工夫が求められます。
もう一つの選択肢として、近年では充電式や電池式の「ポータブル式ブラケットライト」も登場しています。
これらは設置工事も電源コードも一切不要で、設置のハードルを大きく下げてくれます。どこでも手軽に壁面照明の柔らかなあかりと雰囲気を楽しむことができるのが魅力です。
リビングでの効果的な使い方
リビングにおいて、ブラケットライトは補助照明として使い、空間の「上空間」を彩るアクセントとするのが効果的です。
多くの場合、リビングにはソファやローテーブル、テレビボードなど、「中・下空間」(床に近い高さ)にアイテムが集まりがちです。何も意識していないと、壁面(上空間)がぽっかりと空いてしまい、空間全体のバランスが間延びした印象になることがあります。
そこで、立った時の目線に近い高さ、具体的には床から145cm程度を目安にブラケットライトを設置します。
あえて目線の先に配置することで、あかりや照明のデザインが自然と目に入りやすくなり、装飾としての効果が最大化されます。また、リビングでブラケットライトを採用する際は、「多灯照明」を意識することをおすすめします。

ペンダントライトやフロアライト、ダウンライトなど、高さや目的の異なる複数の照明と組み合わせるテクニックです。
一方向から部屋全体を照らすシーリングライトとは異なり、様々な方向からあかりが届くことで、空間に自然なコントラストが生まれます。これにより、お部屋に奥行きとメリハリが生まれ、より上質で居心地の良い空間を演出できます。
テレビ周りでの注意点
テレビ周りの壁にブラケットライトを設置する場合、視聴の妨げにならない位置と光の強さを考慮することが求められます。
なぜなら、光源が直接目に入ったり、テレビ画面に光が映り込んだりすると、眩しさを感じてしまい、映像が見えにくくなるからです。
設置を避けるべきなのは、テレビの真上や、視聴位置から見てテレビと重なる角度です。一般的には、テレビの両サイドの壁に、少し離してシンメトリー(左右対称)に設置するケースが多いです。
この場合、光が直接視聴者に向かわない「上配光タイプ」や「上下配光タイプ」を選び、壁を照らす間接照明として使うのがよいでしょう。
これにより、テレビ画面とそれ以外の壁面との明るさの差(輝度差)が緩和され、長時間視聴した際の目への負担が軽減されるという効果も期待できます。
明るさを細かく調整できる調光機能も併用すると、より快適な視聴環境を整えられます。
寝室におけるブラケットライトの高さと他場所の比較

デスク上の推奨される高さ
デスク(机)の上の壁面にブラケットライトを使用する場合、その目的によって推奨される高さが変わってきます。
まず、手元をしっかりと照らすスポット的な使い方をしたい場合です。この場合は、デスクの天板から約70cmから80cm、座った時の目線の少し上に設置するのが目安となります。これにより、作業中の手元に自分の頭や体の影ができにくくなります。
一方、デスク周りの空間全体をやわらかく照らす、雰囲気重視の拡散光として使いたい場合、デスクの上から約90cmから100cm程度が目安とされています。
どちらの場合でも、デスクチェアに座った際に、光源が直接目に入って眩しくないか、また、パソコンのモニターに光が反射して映り込まないかを、設置前に確認することが大切です。
アーム(腕)が動かせるタイプのブラケットライトであれば、設置後もある程度の位置や角度を調整しやすいため便利です。
廊下はどこにつけるのが最適か
廊下や階段といった「通路」にブラケットライトを設置する際は、デザイン性や明るさよりも、まず「通行の妨げにならない高さ」を確保することが最優先です。
設置位置が低すぎると、人が通る際に肩や頭をぶつけてしまったり、特に大きな荷物や家具などを運ぶ際に接触してしまい、照明の破損やケガの原因となる可能性があるからです。
一般的に、人が通る場所では、頭をぶつけないよう少し高い位置に設置します。
具体的な目安としては、床から160cm~170cm、あるいは安全を見て1.8m(180cm)から2.0m(200cm)程度に設置するのが安心とされています。これは、住まうご家庭の平均的な身長を考慮して決めると良いでしょう。
また、廊下では空間に奥行きを出すために、複数のブラケットライトを等間隔で設置することが多いです。このとき、照明器具のサイズ(特に壁からの出幅)も重要になります。
狭い廊下に壁から大きく飛び出すデザインの照明を付けると、圧迫感が出るだけでなく、やはり通行の妨げになりがちです。空間の幅に合わせた、なるべく薄型や小さめのデザインを選ぶとバランスが整います。
トイレ空間の設置例
トイレの照明は、便座の少し手前の天井中央にダウンライトや小型シーリングライトを設置するのが最も一般的です。これは、便座に座った際に自分の影で便器が暗くなるのを防ぐという、実用的な理由に基づいています。
しかし、近年では、落ち着いた雰囲気やおしゃれな空間を演出するために、ブラケットライトを壁面に設置する手法も人気を集めています。
ブラケットライトを設置する位置としては、便座の背後(タンクレストイレなどの場合)の左右どちらかの端や、手洗い器や鏡の近くの壁面などが挙げられます。
壁面を照らすことで空間に広がりを感じさせたり、手元や鏡に映る顔を明るく照らしたりする効果があります。
ただし、ブラケットライト1灯だけでは、トイレ空間全体の明るさとしては不足する場合があります。その際は、天井に小さなダウンライトなどを併用(多灯照明)することで、実用性とデザイン性を両立させるのがおすすめです。
洗面台を照らす高さ
洗面台のブラケットライトは、顔全体を均一に照らせるよう、目線より少し上の高さに設置するのが基本的な目安です。
洗面台は、メイクや髭剃り、身だしなみのチェックなど、鏡で自分の顔を細かく確認する作業が多い場所です。そのため、顔に不要な影ができにくい位置にあかりを配置することが求められます。
具体的な高さとしては、床から約1.8m(180cm)を目安に、目線より少し上に設置するのが一般的です。または、鏡の中心の高さに合わせるなど、ご家庭で主に使う人の身長を考慮して調整します。
もう一つのパターンとして、鏡の横(両サイド)に縦長のブラケットライトなどを設置する方法もあります。
この場合、手元がよく見え、顔全体を左右から均一に明るく照らせるよう、床から約75cmから85cm程度の高さが目安とされています。
洗面台でどのような作業を最も重視するかによって、最適な位置は変わってきますので、用途に合わせて検討しましょう。
後悔しない寝室のブラケットライトの高さまとめ
寝室のブラケットライトの高さを決める際は、用途とデザイン、そして他の場所との違いを理解することが後悔しないための鍵です。

