こんにちは。照明セレクション、運営者の「ミト」です。
夜中にトイレへ行く時や遅い時間の帰宅時、真っ暗な階段を歩くのって少し怖いですよね。足元が見えなくてヒヤッとした経験、一度はあるのではないでしょうか。
実は、家庭内での事故において、階段は浴室に次いで転倒や転落のリスクが高い場所だと言われています。そんな時に私たちの安全を守ってくれるのが階段のフットライトです。これから家を建てる方でパナソニックなどの埋め込み型を検討している場合はもちろん、賃貸にお住まいで後付けを考えている方でも、コンセント式や乾電池式ならすぐに導入できます。
最近はニトリやダイソーでも手軽に購入できますし、おしゃれなセンサー付きも増えていますよね。ただ、いざ設置しようとすると、どの位置や高さに取り付ければいいのか悩んだり、買ったもののセンサーがうまく反応しなかったりと、意外と難しいポイントもあります。
この記事では、私自身が色々と試して分かった、失敗しない選び方や設置のコツを分かりやすくお話しします。
失敗しない階段用フットライトの選び方

階段のフットライトを選ぶとき、デザインだけで決めてしまうと「思ったより暗い」「逆に眩しすぎる」といった失敗をしがちです。まずは、住環境に合わせた電源選びと、安全に直結する設置場所の基本を押さえておきましょう。
階段照明の最適な位置と高さを解説
フットライトを設置する際、最も悩むのが「どこに」「どのくらいの高さで」つけるかではないでしょうか。私も最初は適当に置いてしまったのですが、実はこれ、安全性に直結するすごく重要なポイントなんです。照明のプロやメーカーの推奨基準を調べてみると、明確な「正解」があることがわかりました。
まず高さについてですが、一般的に床面(踏み面)から25cm〜30cmの高さが推奨されています。なぜこの高さなのかというと、これには2つの理由があります。ひとつは、足元を確実に照らすため。もうひとつは、階段を上り下りする時に光源が直接目に入って「眩しい(グレア)」と感じるのを防ぐためです。
特に階段を下りる時、下にあるライトが直接目に入ると、その残像で足元が見えにくくなり、かえって危険な状態になります。
もしコンセントを使う場合は、一般的なコンセント位置である床から15cm〜30cmあたりになることが多いですが、これも理にかなった位置と言えますね。逆に、壁付けのブラケットライトなどで代用しようとして高い位置(目線の高さなど)につけてしまうと、光源が視界に入りやすく、深夜の寝ぼけた目には刺激が強すぎる場合があります。
設置場所の重要ポイント
- 高さ:床から25〜30cmがベスト(眩しさを抑えつつ、段差の影を適度に出して視認性を高める)。
- 必須エリア:「1段目(昇り口)」「最終段(降り口)」「踊り場」の3点は必ず光が届くようにする。
- 間隔:理想は1段おきですが、コストを抑えるなら約2.7m間隔(柱3本分程度)が目安。
特に重要なのが、階段の「始まり」と「終わり」、そして「踊り場」です。ここが暗いと、段差の感覚がつかめずに踏み外すリスクが高まります。消費者庁のデータなどを見ても、高齢者の転倒事故は住宅内で頻発しており、わずかな段差の認識遅れが大きな事故につながることがわかります(出典:消費者庁『高齢者の不慮の事故を防ぐために』)。
安全を最優先するなら、まずは「最初の一歩」と「最後の一歩」が確実に見えるように配置計画を立ててみてください。
新築におすすめのパナソニック埋め込み型
もし今、新築やリフォームの計画中なら、間違いなくおすすめしたいのが「壁面埋め込み型」です。特にパナソニックの製品などは定番ですが、やはり壁とフラットになるので見た目がスッキリしますし、掃除の邪魔にもなりません。廊下や階段を掃除機がけする時、出っ張ったライトにガン!とぶつけてしまった経験、ありませんか?埋め込み型ならそのストレスから解放されます。
私が特に良いなと思うのは、「明るさセンサ付ホーム保安灯」のような高機能モデルです。これは、普段は周囲が暗くなると自動で点灯するナイトライトとして機能し、足元を優しく照らしてくれます。そして、万が一停電した時には内蔵バッテリーで自動点灯し、保安灯としての役割を果たします。
さらに便利な3WAY機能
パナソニックのLBJシリーズなどの一部製品には、壁から取り外して「携帯電灯(懐中電灯)」として使える機能がついているものがあります。災害時に真っ暗な中で懐中電灯を探すのは大変ですが、いつもの足元灯をパッと外して持っていけるなら、これほど心強いことはありません。
プロに任せるメリット
配線が見えないので、建築的な美しさはダントツです。ただし、電気工事士による施工が必要で、後から位置を変えるのは困難です。設計段階で家具の配置や動線をシミュレーションし、「足元灯の位置」を入念に打ち合わせすることをおすすめします。
賃貸でも後付け可能なコンセント式
「うちは賃貸だから工事は無理」という方や、既存の家で手軽に対策したい方には、コンセントに挿すだけの「プラグイン方式」が一番の近道です。無印良品やオーム電機、サンワサプライなどから多くの製品が出ており、ホームセンターや家電量販店で手軽に入手できます。

コンセント式の最大のメリットは、電池交換の手間がないことです。「いざという時に電池切れで点かなかった」という心配がありませんし、電池代もかかりません。人感センサー付きで人が通る時だけ点灯するタイプや、周囲が暗くなると常夜灯として点きっぱなしになる明暗センサー付きなど、機能も豊富です。
選び方の注意点
非常に便利なコンセント式ですが、導入前には必ず「設置予定場所のコンセントの位置」を確認してください。階段の途中にコンセントがある家は意外と少ないものです。廊下のコンセントから延長コードを這わせると、今度はコードに足を引っ掛けて転倒するリスクが生まれてしまい本末転倒です。
注意点:出っ張りとコンセント位置
コンセント式は本体が壁から出っ張ります。狭い階段だと足や掃除機がぶつかることがあるので、可能な限り薄型(フラット)のデザインを選ぶのがコツです。また、2口コンセントの片方を塞いでしまわない形状かどうかもチェックポイントですね。
配線不要な乾電池式センサーライト
「ここに明かりが欲しいのにコンセントがない!」という場合、救世主となるのが乾電池式や充電式のセンサーライトです。アイリスオーヤマなどが有名ですが、配線がいらないので、本当にどこにでも置けるのが強みです。階段の踊り場のコーナー、手すりの下、あるいは天井に近い壁面など、自由な発想で設置できます。
壁に穴を開けたくない賃貸派の方にもぴったりです。最近はマグネットで取り付けられるタイプも多いので、手すりの金具部分にくっつけたり、付属の両面テープを使ったりして固定できます。ただ、強力な両面テープを直接壁紙に貼ると、剥がす時に壁紙まで破れてしまうことがあるので、「マスキングテープを壁に貼ってから、その上に両面テープを貼る」という裏技を使うのがおすすめです。
ランニングコストを考える
乾電池式の弱点は、電池交換の手間とコストです。人通りが多い階段だと、単4電池が1ヶ月もしないうちに切れてしまうこともあります。ランニングコストが気になる方は、USB充電式のバータイプなどを選ぶと良いでしょう。薄型のバータイプはデザインもスタイリッシュで、週末に充電するルーティンさえできれば、非常に経済的で明るい環境を作れます。
おしゃれなテープライトでの間接照明
最近、InstagramやPinterestなどで見かけて「これやりたい!」と思うのが、LEDテープライトを使った間接照明です。階段の蹴込み(段差の垂直部分)や、手すりの裏側にテープライトを仕込むと、光源が直接見えず、光のラインだけが浮かび上がって、まるでホテルのような高級感が出ます。

「難しそう」と思われるかもしれませんが、これも意外とDIYで可能です。テープライト自体は裏面がシールになっているので、貼るだけで設置できます。電源はコンセントから取るタイプや、電池ボックスがついているタイプがあります。
ワンランク上の仕上がりにするために
DIYでテープライトを貼る際、そのまま貼るとLEDチップの「つぶつぶ」が目立ってしまい、少し安っぽく見えることがあります。これを防ぐには、「アルミチャンネル」と呼ばれる乳白色のカバー付きレールを使用するのがコツです。光が拡散されて、美しい一本の光の線(ドットレス発光)になります。
スマートホーム化でさらに便利に
- SwitchBotなどと連携:人感センサーとテープライトをスマートホームハブ経由で連動させれば、「階段に近づいたらふわっと点灯」という未来的な演出も可能です。
- 配線隠し:モールを使ってコードを隠すと、日中見てもスッキリします。幅木の上やドア枠のラインに沿わせるのがポイントです。
階段フットライトの導入と活用ガイド

気に入ったフットライトを手に入れたら、次は実際に使いこなすための実践編です。「思ったように動かない」「眩しい」といったよくあるトラブルの解決策をご紹介します。設置後のちょっとした工夫で、使い勝手は劇的に向上します。
センサーが反応しない原因と対策
「階段を上っているのに電気がつかない!」「降りようとして一歩踏み出したのに真っ暗!」これ、地味にストレスですし危険ですよね。センサーライトの多くは「PIR(パッシブ赤外線)センサー」を使っていて、動くものの「温度変化」を検知しています。
そのため、夏場のように周囲の気温が高く体温との差が少なくなると、センサーの感度は著しく鈍くなることがあります。また、冬場にモコモコの服を着込んでいると、体温が外に漏れず反応しにくいこともあります。
死角をなくす「クロス配置」
センサーの検知範囲(エリア)は、一般的に100度〜120度、距離は3m〜5m程度です。階段の形状によっては、どうしても死角が生まれます。対策としては、センサーを「階段の上(降り口)」と「下(上り口)」の2箇所に設置して、検知エリアを中央で重ねる(オーバーラップさせる)のが最も有効です。片方のセンサーが反応しなくても、もう片方がカバーしてくれれば、階段の途中で真っ暗になるのを防げます。
まぶしい光をマステで防ぐDIY
特に安価なLEDライトに多いのですが、光の指向性が強すぎて、夜中にトイレに行く時に目が覚めてしまうくらい眩しいことがあります。これを「不快グレア」と呼びます。寝起きに強い光(特に青白い昼白色の光)を浴びると、脳が覚醒してしまい、再び眠りにつくのが難しくなってしまうこともあります。
そんな時は、わざわざ買い替えなくてもDIYで解決できます。光源部分(レンズカバー)に「マスキングテープ」や「メンディングテープ」を貼るだけです。半透明のテープが乳白色のカバーの代わりになり、光を柔らかく拡散してくれます。

重ね貼りで調整
1枚貼ってみてまだ眩しいなら、2枚、3枚と重ねて貼ってみてください。好みの明るさに調整できるので、私もよくやる裏技です。デザインが気になる場合は、100均で売っている可愛い柄のマステを使ってもおしゃれですよ。
ニトリやダイソー製品の活用術
「本格的なものを買う前に、まずはフットライトがある生活を試してみたい」という方には、ニトリやダイソーの製品が最強の味方です。
ニトリの「癒やし」効果
ニトリの「もてなしのあかり」シリーズなどは、インテリアに馴染む木目調のデザインや、暖色系の柔らかい光を採用しているモデルが多いのが特徴です。日本の住宅事情をよく研究しており、安っぽく見えないのが嬉しいですね。センサーの感度も安定しており、コストパフォーマンスは非常に高いです。
ダイソーの「実験」活用
ダイソーなどの100円ショップでは、330円〜550円といった価格帯で高機能なセンサーライトが販売されています。特にバータイプやボール型のライトは優秀です。これらは「どの位置に置くと便利か」を探るためのテスト用としても最適です。
いきなり壁に穴を開けたり高いライトを買ったりする前に、100均のライトをマスキングテープで仮止めして、数日間生活してみてください。「ここの位置だと影ができるな」「もう少し低い方がいいな」という発見が必ずあります。
停電時に自動点灯する保安灯の役割
フットライトは、単なる明かりではなく「防災グッズ」でもあります。地震や台風で夜に停電した時、家の中が真っ暗闇になると、人はパニックになりやすいものです。特に階段は、慌てて移動しようとして転倒するリスクが最も高い場所です。
コンセント式の中には、コンセントからの給電が止まった(=停電した)ことを感知して、内蔵バッテリーで自動的に点灯してくれる「保安灯機能」付きのモデルがあります。これがあるだけで、避難経路となる階段の安全が確保されます。
内蔵バッテリー型なら、そのまま取り外して懐中電灯として外に持ち出せるので、「一家に一台」ではなく「各階に一台」、特に階段付近には必ず設置してほしいアイテムです。
階段フットライトで実現する安全な生活
たかが足元の明かり、と思われるかもしれませんが、階段での転倒事故は、骨折や頭部打撲など、その後の生活に大きな影響を与える怪我につながることがあります。特に高齢のご家族がいる場合、視力の低下や足腰の弱りから、わずかな暗がりが命取りになりかねません。小さなお子さんがいるご家庭でも、夜中のトイレトレーニングなどでフットライトは大きな助けになります。
私自身、しっかりと計画してフットライトをつけてからは、夜中に起きた時の「暗くて怖いな」「足元が見えなくて不安だな」というストレスが完全になくなりました。センサーでパッと足元が明るくなるだけで、こんなに安心できるんだなと日々実感しています。
ぜひ、皆さんのご自宅でも「ただのインテリア照明」としてではなく、大切な家族を守るための「安全装置」として、階段フットライトを取り入れてみてください。まずは手軽な乾電池式や100均アイテムからでも構いません。その「安心感」を体験してみることから始めてみましょう。

