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間接照明

間接照明の電気代は高い?計算してわかった節約術とコスパ

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こんにちは。照明セレクション、運営者の「ミト」です。

おしゃれな部屋にしたいと思ったとき、真っ先に思い浮かぶのが間接照明ではないでしょうか。ホテルのような落ち着いた空間には憧れますが、同時に気になってしまうのが電気代のことですよね。

「間接照明って暗いのに電気代が高いんじゃないの?」「数をたくさんつけたら請求額が跳ね上がりそう」といった不安を感じて、導入をためらってしまう方も多い印象です。

昨今は電気料金も上がっていますから、見た目の良さだけで選ぶわけにはいかないのが現実的なところだと思います。でも実は、選び方や使い方を少し工夫するだけで、むしろ今までより電気代を安く抑えながら、理想の雰囲気を作ることも可能なんです。

この記事ではそういった間接照明にまつわる色々な状況の電気代をまとめました。

ポイント

  • 間接照明が「高い」と言われる物理的な理由と仕組み
  • シーリングライトと間接照明の具体的な電気代比較シミュレーション
  • 雰囲気と省エネを両立させる「ハイブリッド照明」という考え方
  • 人感センサーやDIYを活用してコストを抑えるテクニック

間接照明の電気代は本当に高いのか?

間接照明の電気代は本当に高いのか?

「間接照明はお金がかかる」というイメージは、半分正解で半分誤解といったところでしょうか。ここでは、なぜそう言われるのかという理由や、実際にどのくらいの電力を消費するのかについて、物理的な仕組みや最新のLEDデータを元に解説していきます。

ポイント

  • 間接照明の電気代が高いと言われる理由
  • テープライトなどLEDの種類と消費電力
  • シーリングライトと電気代を徹底比較
  • 実際の使用時間を想定した電気代の計算
  • 間接照明のみで生活するとコストは増す

間接照明の電気代が高いと言われる理由

結論から言うと、間接照明が「非効率」とされる最大の理由は、光を壁や天井に当てて反射させるという仕組みそのものにあります。

私たちが普段使っているシーリングライトなどの直接照明は、光源からの光を直接床や手元に届けます。これに対して間接照明は、一度壁などにバウンドさせてから部屋を明るくしますよね。この「バウンド(反射)」の瞬間に、光の一部が壁紙に吸収されて熱として消えてしまうんです。これを専門的には「反射ロス」や「吸収損失」と呼びます。

反射率(アルベド)によるエネルギー損失の真実

光が壁に当たったとき、どれくらい跳ね返ってくるかを示す数値を「反射率(アルベド)」と言います。例えば、鏡であれば反射率はほぼ100%に近いですが、一般的な住宅の壁紙はそうではありません。色や素材によって、以下のように反射率は大きく変わります。

内装材の種類反射率(目安)吸収される光(ロス)
白い壁紙(クロス)70% 〜 80%20% 〜 30%
ベージュ・アイボリー50% 〜 60%40% 〜 50%
木目調・ライトブラウン30% 〜 50%50% 〜 70%
ダークグレー・黒系5% 〜 15%85% 〜 95%

この表を見ていただくと分かる通り、一般的な白い壁紙でも、光源から出た光の20〜30%は壁に吸われて無駄になっている計算になります。これがもし、流行りの「モルタル風ダークグレー」や「ウォールナットの木目天井」だった場合、光の半分以上、最悪の場合は9割近くが熱として消えてしまいます。

つまり、シーリングライトと同じくらいの「床の明るさ(照度)」を確保しようとすると、間接照明は吸収される分だけパワー(ワット数)を上げる必要があります。白い壁なら1.3倍〜1.5倍、濃い色の壁なら2倍〜3倍の出力が必要になることも珍しくありません。これが、「間接照明は暗いくせに電気代が高い」と言われる物理的な根拠なのです。

拡散による光の減衰プロセス

もう一つの要因は「拡散」です。直接照明はレンズやリフレクターで光を絞り、狙った場所(床やテーブル)に効率よく光を届けます。一方、間接照明は壁に当てて光を「乱反射(拡散)」させることで、柔らかな光を作ります。

乱反射した光は全方向に広がってしまうため、天井付近は明るくなっても、実際に生活する床面(作業面)に届く頃には光の密度がかなり薄まっています。

結果として、読書や書き物をするために必要な明るさを確保しようとすると、どうしても過剰な光量が必要になり、それが消費電力の増加、ひいては電気代の高騰に直結してしまうのです。

テープライトなどLEDの種類と消費電力

間接照明に使われる光源も、モノによって消費電力が全然違います。最近の主流であるLEDテープライトを例に見てみましょう。「LEDだからどれも省エネでしょ?」と思っていると、意外な落とし穴があります。

ひとくちにLEDテープライトと言っても、用途によってパワーが異なります。LEDチップの密度や種類によって、消費電力は3倍以上も変わることがあるのです。

用途別・LEDテープライトの消費電力比較

タイプLED密度/m消費電力(1mあたり)主な用途
低輝度タイプ30〜60個約4.8W足元灯、棚下照明、アクセント
標準タイプ60〜120個約9.6W 〜 14.4Wコーブ照明、カーテンボックス
高輝度(COB)300個以上約14W 〜 18Wメイン照明代わりの建築化照明

例えば、12畳のリビングの折り上げ天井(コーブ照明)に、粒感のない綺麗な光のラインを作りたいからといって「高輝度COBテープライト」を選んだとします。部屋の周囲をぐるっと回すと約14メートル程度になることがありますが、もし1メートルあたり15Wの製品を使った場合、総消費電力は以下のようになります。

高輝度テープライト14mの消費電力試算
15W × 14m = 210W

210Wという数字は、60インチ以上の大型有機ELテレビや、最新の省エネ冷蔵庫数台分に相当します。昔の白熱電球3〜4個分と言えば可愛く聞こえますが、LED時代においてはかなりの大電力です。これを毎日長時間点灯させれば、当然ながら電気代の請求額に明確な差として現れてきます。

電圧の違いと電源効率(12V vs 24V)

さらにマニアックな話をすると、テープライトには「12V仕様」と「24V仕様」があります。DIY向けの安価な製品は12Vが多いですが、長い距離(5m以上)を接続すると、電圧降下によって末端が暗くなったり、発熱によるエネルギーロスが増えたりします。

一方、プロが施工で使う24V仕様は、電流を抑えられるため送電ロスが少なく、効率よく光らせることができます。また、LEDを光らせるための「電源ユニット(スイッチング電源)」の変換効率も重要です。

安価な電源アダプタは変換効率が80%以下のものもあり、コンセントから吸った電気の2割以上を熱として捨てていることになります。本格的に導入するなら、器具のワット数だけでなく、システム全体の効率を考えることが、長期的な節約につながります。

シーリングライトと電気代を徹底比較

では、具体的な数字で比較してみましょう。一般的な12畳用のLEDシーリングライトと、先ほどの間接照明(建築化照明)のみで部屋を明るくしようとした場合の比較です。ここでは、カタログスペック上の数値だけでなく、実際の生活での運用を想定してシミュレーションします。

比較条件:12畳のリビングルーム

  • プランA:LEDシーリングライト(最新省エネモデル)
    適用畳数:〜12畳用
    定格光束:5,499lm
    消費電力:約32W(調光70%での常用を想定)
    発光効率:約120lm/W以上
  • プランB:建築化間接照明(コーブ照明)のみ
    設置長さ:10m
    使用器具:高輝度LEDテープライト(24V)
    消費電力:約140W(電源ロス含む実測値想定)
    システム効率:約60lm/W以下(反射ロス含む)

効率の差は歴然:シーリングライトの圧倒的コスパ

こうして見ると、単純なエネルギー効率という面では、やはりシーリングライトに軍配が上がります。シーリングライトは光源を下向きに配置し、カバーで効率よく拡散させるため、1ワットあたりの明るさが非常に高いのが特徴です。

一方、プランBの間接照明は、プランAと同じくらいの「部屋全体の明るさ感」を得ようとすると、どうしても140W〜150W程度の出力が必要になります。つまり、間接照明だけで、シーリングライトと同じような「新聞の文字がくっきり読める明るさ」を求めると、消費電力は4倍〜5倍になってしまう可能性があるのです。

イニシャルコストとランニングコストの二重苦

さらに、導入費用(イニシャルコスト)も考慮に入れる必要があります。12畳用の高性能なLEDシーリングライトは1万円〜2万円で購入でき、工事も不要(引掛シーリング)です。

対して、10メートル分の建築化照明を導入しようとすると、造作工事(大工工事)、電気工事、部材費(テープライト、電源、チャンネル、カバー)を含めて、安くても10万円、こだわれば30万円以上の費用がかかります。初期費用が高く、さらに毎月の電気代も高いとなれば、経済的な合理性だけで見れば間接照明を選ぶ理由はありません。

しかし、それでも多くの人が間接照明を選ぶのはなぜでしょうか?それは、単なる「明るさ」ではない「光の質」への投資だからです。次のセクションで、そのコストを具体的な金額に換算してみましょう。

実際の使用時間を想定した電気代の計算

もう少し生活に密着したリアルな電気代を計算してみます。2025年時点での電気代単価の目安として、31円/kWh(公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 新電力料金目安単価)を使って試算してみましょう。毎日夕方から寝る前までの6時間点灯したと仮定します。

(出典:公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会『よくある質問Q&A』
※実際の電気代は契約プランや燃料費調整額、再エネ賦課金によって変動しますが、比較のための基準として上記目安単価を使用します。

年間・10年間のコスト差シミュレーション

項目シーリングライト (32W)間接照明のみ (140W)差額
1時間あたり約0.99円約4.34円約3.35円
1日 (6時間)約6円約26円約20円
1ヶ月 (30日)約180円約780円約600円
1年間 (365日)約2,168円約9,504円約7,336円
10年間約21,680円約95,040円約73,360円

いかがでしょうか。「1時間あたり数円の差なら気にならない」という方もいれば、「10年で7万円以上も変わるのか!」と驚く方もいるでしょう。年間で見ると、約7,300円ほどの差が出ます。これは、家族で焼肉ランチに1〜2回行ける金額です。

この差額を「高い」と感じるか、「素敵な雰囲気を作るための必要経費」と感じるかは価値観次第です。しかし、何も考えずに「おしゃれだから」という理由だけで間接照明をメイン照明として採用し、常に全開で使用し続けると、確実に固定費(ランニングコスト)を押し上げる要因になることは事実です。

季節による変動リスク

さらに注意が必要なのは季節変動です。冬場は日没が早く、16時台から点灯することも珍しくありません。また、年末年始などで在宅時間が長くなれば、1日10時間以上点灯することもあるでしょう。そうなれば、上記の試算以上に差額は広がります。

逆に夏場は19時過ぎまで明るいため点灯時間は短くなりますが、エアコンの使用量が増える時期と重なるため、家庭全体の電力ピークを抑えるという意味でも、照明の省エネ化は無視できない要素となります。

間接照明のみで生活するとコストは増す

ここまでの話で、「やっぱり間接照明はやめておこうかな」「金持ちの道楽だな」と思った方もいるかもしれません。でも、ちょっと待ってください。上記の計算には「ある重要な視点」が抜けています。

この計算はあくまで「間接照明だけで、シーリングライトと同じ物理的な明るさ(ルクス)を確保しようとした場合」の極端な例です。実は、間接照明の本当の良さは「床を明るくすること」ではなく、「壁や天井を明るくして、空間を広く見せること」にあります。

「明るさ感(Feu)」という魔法の指標

照明の世界には、照度(ルクス)とは別に「空間の明るさ感(Feu:フー)」という指標があります。

それは人間が感じる「空間の明るさ感」を定量化し、指標にしたものです。
つまり人間の目が空間を見るときの印象を定量化したものであるということもできます。

パナソニック公式ページより引用

これは、人間の目に入ってくる光の量を数値化したものです。人間は、床が明るいことよりも、視界に入る「壁」や「天井」が明るいことの方を「この部屋は明るい」と感じる性質があります。

つまり、間接照明で壁面を照らすことは、少ない光量で効率よく「明るい雰囲気」を作るための理にかなった手法なのです。必ずしも大光量で床をガンガン照らす必要はありません。

例えば、床面照度はシーリングライトの半分以下でも、壁面が明るければ、リラックスするには十分な明るさを感じられます。もし、間接照明の出力を半分(70W程度)に絞って運用できれば、先ほどのコスト差は半分に縮まります。さらに、心理的なリラックス効果や、空間の高級感というプライスレスな価値を加味すれば、コストパフォーマンスは決して悪くないと私は考えます。

次章からは、この特性を活かして、電気代を抑えつつ間接照明を楽しむ具体的な「賢い運用術」について解説していきます。

間接照明の電気代を安く抑えるコツ

間接照明の電気代を安く抑えるコツ

ここからは、間接照明の魅力を楽しみつつ、電気代もしっかり節約するための具体的なテクニックをご紹介します。キーワードは「適材適所」と「引き算」です。照明を全部つけるのではなく、必要なところだけを光らせる美学を身につけましょう。

ポイント

  • リビングにおすすめのハイブリッド照明
  • 暗くて後悔しないための明るさ対策
  • 人感センサー活用でつけっぱなし防止
  • ダイソー等の製品でDIYするコスト感
  • ソーラー活用で電気代をゼロにする方法

リビングにおすすめのハイブリッド照明

私が一番おすすめしたいのが、シーリングライト(またはダウンライト)と間接照明を組み合わせる「ハイブリッド方式」です。これは、一つの照明ですべてを賄うのではなく、役割分担をさせる方法です。

タスク・アンビエント照明の実践

照明デザインの基本に「タスク・アンビエント照明」という考え方があります。

  • アンビエント(環境照明): 部屋全体の雰囲気を決めるベースの光。ここで間接照明を使います。
  • タスク(作業照明): 読書や食事など、手元を見るための光。スタンドライトやスポットライトを使います。

具体的には、テレビの裏やソファの横、観葉植物の足元など、雰囲気を高めたい場所には消費電力の少ない間接照明(フロアスタンドやバーライト等)を配置します。これらは1つあたり3W〜7W程度で十分です。

そして、食事や読書、子供の宿題など、どうしても明るさが必要な時だけ、メインのダウンライトや手元のデスクライトを点灯するというスタイルです。

ハイブリッドの試算例(かなり現実的な節約プラン)

夜のリラックスタイム(4時間)は、フロアスタンド2台とテレビ裏照明のみで過ごすとします。

フロアスタンド(7W × 2台)+ TV裏照明(5W) = 19W

これは、シーリングライト(32W)をつけっぱなしにするよりも、なんと約40%も省エネになります。雰囲気は最高に良くなり、電気代は安くなる。これこそがハイブリッド照明の真骨頂です。

これなら、シーリングライトを常時点灯させているよりも電気代が安くなる計算になります。「必要な場所に必要な光を」という考え方が、最も賢い節約術と言えるでしょう。

暗くて後悔しないための明るさ対策

節約を意識しすぎて「暗すぎて生活しづらい」「文字が読めなくて目が悪くなりそう」となっては本末転倒ですよね。特に年齢を重ねると、若い頃よりも多くの光が必要になります。失敗しないためには、ハードウェア選びで妥協しないことが重要です。

調光機能は「必須」の投資

メインの間接照明を導入する場合、「調光機能(明るさ調節)」がついたものを絶対に選んでください。これは鉄則です。

IKEA:SPETSBOJ スペッツボイ
IKEA:SPETSBOJ スペッツボイ

設計段階では「これくらいで十分だろう」と思っていても、実際に住んでみると「意外と暗い」と感じることはよくあります。その際、最初から明るい器具(ルーメン値が高いもの)を入れておき、普段は50%〜70%くらいに絞って使うのがプロの定石です。

LEDは白熱電球と違い、明るさを絞れば消費電力もほぼリニア(直線的)に下がります。さらに、電流を絞ることで発熱が減り、LEDチップの寿命が延びるというメリットもあります。「大は小を兼ねる」ではありませんが、能力に余裕のある器具を使い、出力調整で省エネ運転をするのが最も失敗が少ない方法です。

壁紙の色で明るさをブーストする

前述の通り、壁紙の色は反射率に直結します。もしこれからリフォームや新築を計画しているなら、間接照明の光が当たる面だけでも「白」や「極めて薄いグレー」のクロスを選んでください。

また、クロスの質感(テクスチャ)も重要です。凹凸の激しいクロスだと影ができて暗く見えがちですが、フラットに近いクロスや、マイカ(雲母)が入った微光沢のあるクロスを選ぶと、光が綺麗に伸びて、少ないワット数でも驚くほど明るく感じられます。これは電気代ゼロでできる、建築的な明るさ対策です。

人感センサー活用でつけっぱなし防止

廊下や玄関、トイレの足元灯として間接照明を入れるなら、人感センサーは必須アイテムです。これがあるかないかで、運用コストは天と地ほど変わります。

「消し忘れ」という最大の無駄をなくす

おしゃれな間接照明を廊下に仕込むと、ホテルライクで素敵ですが、スイッチ操作が面倒で「一晩中つけっぱなし」か、逆に「全く使わなくなる」のどちらかになりがちです。

センサーを使えば、人が通る時だけ点灯し、いなくなれば自動で消えます。1日の点灯時間はトータルで数十分程度になり、電気代は月額で数十円レベルまで下がります。これなら、どんなに消費電力の高いテープライトを使っても家計へのダメージはほぼゼロです。

スマート照明の待機電力に注意
Philips HueやSwitchBotなどの「スマート電球」は便利ですが、常にWi-FiやZigbeeで通信しているため、消灯していても0.2W〜0.5W程度の待機電力を消費します(ヴァンパイアロードと呼ばれます)。

電球を10個、20個と家中に入れると、待機電力だけで月数百円かかることもあります。とはいえ、アプリで「23時に強制消灯」などのスケジュールを組めるメリットは大きく、手動での消し忘れ防止効果の方が金額的にも大きいので、そこまで神経質にならなくても大丈夫かなと思います。

ダイソー等の製品でDIYするコスト感

「建築化照明なんて高くて無理!」という方でも、諦める必要はありません。ダイソーやAmazonで売っている安価なテープライトを使ってDIYするのも、立派な間接照明の導入方法です。

数百円で叶うホテルライクな暮らし

ダイソーでは330円〜550円で、USB給電式のLEDテープライトが販売されています。これをテレビの裏や、ベッドのヘッドボードの裏に貼り付けるだけで、驚くほど雰囲気が変わります。

これらの安価なテープライトは、消費電力も1mあたり2W〜4W程度と控えめなものが多く、毎日3時間使っても月の電気代は10円〜30円程度です。缶ジュース1本の値段で数ヶ月楽しめる計算になります。

プロ仕様との違いと注意点

ただし、安価な製品にはデメリットもあります。演色性(Ra)が低いため、食べ物や肌の色がくすんで見えたり、LEDチップの劣化が早く、半年ほどで光量が落ちたり変色したりすることがあります。また、付属の両面テープの粘着力が弱く、忘れた頃に剥がれ落ちてくるのも「DIYあるある」です。

それでも、間接照明の効果を低コストで試すには最高の教材です。まずはDIYで試してみて、「もっと本格的にやりたい!」と思ったら、Philips Hueなどのミドルエンド製品や、工事を伴うプロ仕様にステップアップするのが賢い順序だと思います。

ソーラー活用で電気代をゼロにする方法

究極の節約として、電気会社からの電気を一切使わない「ソーラー充電式ライト」を活用する方法もあります。最近はアウトドアブームもあり、デザイン性の高いソーラーランタンが増えています。

屋内ソーラーの限界と可能性

「昼間窓際に置いて充電し、夜はタダで明かりを楽しむ」。これは理想的ですが、現実には少しハードルがあります。窓ガラス(特に最近のUVカットガラスやLow-Eガラス)越しの日光では、屋外直射日光の50%以下しか発電できないことが多く、満充電にならないことが多いのです。

そのため、リビングのメイン照明として使うのは難しいですが、窓辺に吊るすボトルライトや、寝る前の読書灯としてのポータブルランタンなら十分実用的です。電気代が0円であることはもちろんですが、停電時にも使える「防災グッズ」としての側面も持っています。

夜のリラックスタイムに、部屋の電気を全て消し、ソーラーライトのほのかな灯りだけで、お酒を飲んだり音楽を聴いたりする時間はとても贅沢です。節約をしているという悲壮感はなく、むしろ「エコを楽しんでいる」という肯定感が得られるのも、この方法の良いところですね。

快適性と間接照明の電気代削減を両立

間接照明は、使い方を間違えれば電気代が高くなる要因になりますが、賢く使えばQOL(生活の質)を爆上げしてくれる最高のアイテムです。

「光のデトックス」で睡眠の質を上げる

最後に、電気代以外の「見えないコストダウン」について触れておきます。それは健康コストです。

夜遅くまで白いシーリングライト(昼光色)を煌々と浴びていると、睡眠ホルモンである「メラトニン」の分泌が抑制され、眠りが浅くなると言われています。夕食後はシーリングライトを消して、消費電力の少ない電球色の間接照明だけで過ごす「ナイトモード」に切り替えてみてください。

そうすることで、自然と眠気が訪れ、睡眠の質が向上します。翌日の仕事のパフォーマンスが上がったり、ストレスが軽減されたりすることは、月数百円の電気代以上の経済効果をあなたの人生にもたらしてくれるはずです。

まとめ:間接照明は「賢く使えば」怖くない

  • 建築化照明だけで部屋全体を明るくしようとすると、電気代はシーリングライトの3〜4倍になるリスクがある。
  • シーリングライトとスタンドライトを併用する「ハイブリッド方式」なら、逆に電気代を下げられる。
  • 調光機能付きの器具を選び、壁紙を明るくすることで、効率よく明るさを確保する。
  • 夜はあえて照明を落とすことで、電気代削減とリラックス効果(快眠)の一石二鳥を狙う。

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