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間接照明

ホテルライクな空間へ!カップボード間接照明の後付け・新築計画術

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こんにちは。照明セレクション、運営者の「ミト」です。

最近、キッチンをリビングダイニングと一体化させて、まるでホテルのような「魅せる空間」にしたいという方がすごく増えていますよね。それに伴って「カップボード 間接照明」というキーワードで、おしゃれな空間演出の方法や、具体的な製品、DIYによる後付けの方法を調べている方も多いのではないでしょうか。

ただ、調べてみると、配線の処理はどうすればいいの?電池式は本当に使えるの?どのテープライトを選べばいいの?といった技術的な不安や疑問が次々に出てきて、結局一歩踏み出せずにいる方も多いのかなと思います。特に失敗事例を見聞きすると、手が出しにくくなりますよね。

この記事では、そんなあなたの疑問や不安を解消するために、カップボード照明に関する基礎知識から、プロのような仕上がりを実現する具体的な人感センサーの組み込み方まで、私の持つ情報をすべてお届けします。この記事を読めば、あなたの理想とするキッチン空間を実現するための羅針盤が得られますよ!

ポイント

  • 新築・リフォーム時と後付けDIYの計画における違い
  • 失敗を避けるための「色温度」と「演色性」の選び方
  • パナソニック、IKEA、DIYテープライトなど主要な選択肢の比較
  • プロ級の仕上がりを実現する配線の隠し方と設置のコツ

カップボードの間接照明で失敗しない計画術

カップボードの間接照明で失敗しない計画術

カップボードへの間接照明の設置は、単に器具を設置するだけでなく、その光の質設置環境を考慮した計画が成功の鍵になります。特に、キッチン全体との調和は非常に重要ですね。ここではまず、計画の全体像と、絶対に外せない基礎知識について深掘りしていきましょう。

ポイント

  • 新築時のカップボード選びと照明計画
  • 既存カップボードへの後付け照明の選び方
  • パナソニックなどのメーカー製品比較
  • おしゃれに見える色温度と電球色の効果
  • カップボードの照明でよくある失敗事例

新築時のカップボード選びと照明計画

もし今、あなたが新築やフルリノベーションの計画段階にいるのであれば、それは本当にラッキーです。なぜなら、照明計画を家具(カップボード)と完全に一体化させて考えることができるからです。これは後からでは絶対に取り戻せない、最大のメリットなんですよ。

新築時の計画において最も重要なのは、「配線の隠蔽ルート」と「スイッチ系統」の設計です。後付けの場合、どうしても電源コードをどこかに這わせる必要が出てきますが、新築時なら壁の中や家具の裏側に配線を完全に隠すことができます。これにより、まるで光だけがそこにあるかのような、ノイズのない美しい空間が実現します。

また、システムキッチンメーカーのオプションも積極的に検討すべきです。例えば、LIXILやクリナップ、パナソニックといった大手メーカーのハイグレードモデル(Lクラスやリシェルなど)では、カップボードの棚板自体にLED照明が埋め込まれている仕様や、背面の壁(バックセット)を美しく照らすための建築化照明用スリットがあらかじめ設けられているプランが選べます。

新築時に検討すべき「建築化照明」のポイント

  • 配線レスな美しさ:壁内配線により、コード類が一切見えない状態を作れます。
  • スイッチの統合:キッチンの手元灯やダイニングの照明と連動させたり、シーンコントローラー(調光調色スイッチ)で一括管理したりすることが可能です。
  • 造作家具との連携:既製品ではなく造作家具でカップボードを作る場合、「アゴ(幕板)」と呼ばれる照明隠し用の垂れ壁をミリ単位で設計し、光源が目に入らない完璧なディテールを追求できます。

コスト面では、照明器具代に加えて電気工事費がかかるため、DIYに比べれば数万円から十数万円高くなるケースが多いです。しかし、これから数十年住む家の「空間の質」への投資として考えれば、その価値は十分にあります。特にリビングからキッチンが丸見えの間取りの場合、カップボードの照明はLDK全体のナイトシーン(夜の雰囲気)を決定づける主役級の役割を果たしますから、ここは予算をかけるべきポイントだと私は思います。

既存カップボードへの後付け照明の選び方

「うちはもう家が建ってしまっているし...」と諦める必要は全くありません!実は、最近のDIY向け照明器具の進化は凄まじく、既存のカップボードでも、やり方次第で新築並み、あるいはそれ以上にこだわった間接照明を実現することは十分に可能です。

後付け照明を選ぶ際の最大のハードルは、「電源をどこから取るか」という問題です。壁の中に配線を隠すことはできないため、いかに電源コードを目立たせずにコンセントまで持っていくかが勝負になります。市販されている後付け用照明は、大きく分けて以下の2つのタイプに分類されます。

タイプ特徴とメリットデメリットと注意点
コンセントプラグ型
(DIY推奨)
家庭用のコンセントに差し込むだけで使える最も手軽なタイプです。
IKEAのMITTLEDや、Amazonで買えるLEDテープライトの多くがこれに該当します。
電気工事士の資格が不要なので、誰でも今日から始められます。
配線(コード)が露出するため、モールや家具の裏を使って隠す工夫が必須です。
また、コンセントの口数を消費するため、キッチン家電との兼ね合いを考える必要があります。
電源直結型
(プロ施工)
壁から出ている電線を器具に直接つなぐタイプです。
ODELICなどの照明メーカー品が主で、余計なコードやプラグがなく、見た目が非常にスッキリします。
リフォーム業者に依頼する場合の標準的な選択肢です。
取り付けには「電気工事士」の資格が必要です。
DIYでの取り付けは法律で禁止されています。また、壁に穴を開けて配線を通す工事が必要になることが一般的です。

後付けDIYの場合、私は迷わず「コンセントプラグ型」をおすすめします。

最近では、極薄のフラットケーブルや、配線をきれいに隠すためのモール材も充実していますし、スマートプラグを使えばスマホで操作もできるようになります。「プロに頼むほどではないけれど、かっこよくしたい」というニーズには、このタイプが最適解です。

選ぶ際の基準としては、「器具の薄さ」を重視してください。後付けの場合、照明器具を隠すための「アゴ」がないことがほとんどです。そのため、器具自体が分厚いと、ダイニングやリビングから見た時に照明器具が丸見えになってしまい、非常に野暮ったい印象になります。厚さ1cm以下の薄型バーライトや、テープライトを選ぶのが、スタイリッシュに見せるコツですよ。

パナソニックなどのメーカー製品比較

カップボードの照明を検討する際、誰もが一度は目にする主要なメーカーやブランドについて、それぞれの強みと「どんな人に向いているか」を徹底比較してみましょう。カタログスペックだけでは分からない、実際の使い勝手や光の質にも踏み込んで解説します。

各メーカーの立ち位置と特徴

  • Panasonic(美ルック): 圧倒的な光の質とシステムキッチンとの統合性。新築・リノベ派の最高峰。
  • ODELIC(R15): コスパと性能のバランスが良いプロ仕様。リフォームでの採用率No.1。
  • IKEA(MITTLED): デザイン性が高く、スマートホーム連携が容易。DIY派の強い味方。

まず、Panasonic(パナソニック)ですが、ここの最大の特徴はなんといっても「美ルック」という技術です。これは、単に明るいだけでなく、食材の赤みや人の肌の色を美しく見せることに特化した波長制御がなされています。

例えば、イチゴの赤やサラダの緑が驚くほど鮮やかに見え、料理がより一層美味しく感じるんです。システムキッチン「Lクラス」などでは、この美ルック照明がキャビネットや飾り棚に完璧に組み込まれており、光の広がり方まで計算し尽くされています。

予算に余裕があり、妥協のない最高品質を求めるなら、Panasonic一択と言っても過言ではありません。

次に、ODELIC(オーデリック)です。こちらは照明専業メーカーとして、プロの現場で絶大な信頼を得ています。特に注目すべきは「R15」という高演色LEDシリーズです。

肌の色を美しく見せる「R15」指標を高めたLEDを標準採用しており、Panasonicの美ルックに匹敵する光の質を、比較的リーズナブルな価格で提供しています。主に電気工事が必要な器具が多いですが、棚下灯など一部コンセント式の製品もあり、リフォーム業者に施主支給して取り付けてもらうケースなどでよく選ばれています。

そして、DIY派の星、IKEA(イケア)です。IKEAの「MITTLED(ミットレド)」シリーズは、薄型でデザインも良く、何より「システムとしての拡張性」が素晴らしいです。

ドライバー(電源装置)を中心に、最大10個までの照明を接続できたり、ワイヤレス調光器「TRÅDFRI(トロードフリ)」と連携させたりと、電気工事なしでかなり高度な照明環境を構築できます。光の質(演色性)に関しては上記2社に比べると標準的ですが、家庭用としては十分なレベル。コストを抑えつつ、自分でカスタマイズを楽しみたい方には最高の選択肢です。

おしゃれに見える色温度と電球色の効果

照明計画において、器具選び以上に重要なのが「色温度(ケルビン/K)」の選定です。色温度とは光の色味を表す数値で、低いほど赤っぽく(温かく)、高いほど青白く(涼しく)なります。カップボードの間接照明において、この色温度選びを間違えると、どんなに高価な器具を使っても「なんだか落ち着かない」「料理がまずそうに見える」という悲劇が起きてしまいます。

私が強くおすすめするのは、2700K〜3000Kの「電球色」です。

これは、夕日のような温かみのあるオレンジ色の光です。なぜ電球色が推奨されるのか、それには単に「おしゃれだから」という以上の、明確な科学的理由があります。

文部科学省の資料によると、夜間に色温度の高い光(昼白色や昼光色などの青白い光)を浴びると、交感神経が刺激されて緊張状態になりやすく、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑制される可能性があることが示唆されています。逆に、色温度の低い電球色は副交感神経を優位にし、リラックス効果を高め、良質な睡眠への導入を助けるとされています。

(出典:文部科学省 科学技術・学術審議会『健康なくらしに寄与する光』)

つまり、夜のリラックスタイムに点灯することが多いカップボードの間接照明には、生理学的にも電球色が最適解なのです。また、インテリアの観点からも、ウォールナットやオークなどの木目調の家具や、タイルの質感を最も美しく引き立てるのは、この温かみのある光です。

もし、「キッチンで作業もするから、電球色だと手元が暗くて色が分かりにくいかも」と心配な場合は、3500Kの「温白色」を選んでみてください。これは電球色のリラックス感と、昼白色の視認性の良さをいいとこ取りした「中間色」で、最近のモダンな住宅で非常に人気が高まっています。食材の色も自然に見え、かつリビングの電球色とも馴染みが良いため、失敗の少ない選択肢と言えるでしょう。

カップボードの照明でよくある失敗事例

「よし、じゃあ早速テープライトを買って貼ってみよう!」と行動する前に、ちょっと待ってください。先人たちが涙をのんだ「失敗事例」を知ることで、あなたは無駄な出費と労力を回避できます。ここでは、特にDIYで陥りやすい3つの罠と、その回避策を詳しく解説します。

失敗①:光源の「粒々」が丸見え問題(グレア)

現象: 鏡面仕上げ(ツルツルした素材)のカップボードや天板に、安価なLEDテープライトを貼った結果、LEDチップの「点」がそのまま反射して映り込んでしまう現象です。

ライトによるグレア
ライトによるグレア

これでは間接照明の柔らかな雰囲気が台無しで、まるでゲームセンターのようなチープな印象になってしまいます。

対策: これを防ぐには、必ず「COB(Chip On Board)タイプ」と呼ばれる、光が線状につながっているテープライトを選んでください。または、乳白色のカバーがついたアルミチャンネルにテープライトを収めてから設置することで、光を拡散させ、粒感を消すことができます。

失敗②:思ったより「暗すぎる」問題

現象: 「お店で見たときは明るかったのに、家につけたら暗い...」。これは、カップボードの壁面や扉の色が「ダークカラー(黒や濃いグレー)」の場合によく起こります。黒い色は光を吸収してしまうため、白い壁に当てる場合の半分以下の明るさしか感じられないことがあります。

対策: ダーク系のキッチンの場合は、通常よりもルーメン値(光束)の高い高輝度タイプの照明を選ぶ必要があります。あるいは、テープライトを2列並列で貼って光量を倍増させるテクニックも有効です。設置前に、スマホのライトなどを当てて、どの程度光が反射するか確認してみるのも良いでしょう。

失敗③:電池式センサーライトの「電池貧乏」問題

現象: 「配線が面倒だから」という理由で電池式のセンサーライトを選んだ結果、キッチンという人の往来が激しい場所ゆえにセンサーが反応し続け、1週間もしないうちに電池が切れてしまう...。結局、電池交換が面倒で使わなくなるというパターンです。

対策: メインの照明として使うなら、悪いことは言いません。絶対に「AC電源式(コンセント式)」を選んでください。初期の配線処理の手間はかかりますが、その後のランニングコストとストレスフリーな快適さは段違いです。電池式は、あくまで「めったに開けない吊り戸棚の中」などに限定して使うのが正解です。


DIYで実現するカップボードの間接照明

DIYで実現するカップボードの間接照明

ここからは、いよいよ実践編です。「業者に頼むと高いけど、プロみたいな仕上がりにしたい!」という熱意あるDIYerのために、私が試行錯誤の末にたどり着いた、最も美しく、かつ現実的な実装テクニックを余すことなくお伝えします。

キーワードは「建築化照明の再現」です。

ポイント

  • 粒感のないテープライトの選び方
  • 配線を隠すモール活用とコンセント処理
  • 人感センサーで自動点灯させる方法
  • 電池式よりも電源コード式を推す理由
  • IKEA照明を使った設置テクニック

粒感のないテープライトの選び方

DIYにおける照明のクオリティを決定づけるのは、9割が「光源(LEDテープライト)選び」にかかっています。Amazonや楽天で検索すると無数の商品が出てきますが、ここで選ぶべきはただ一つ、COB(Chip On Board)タイプのLEDテープライトです。

従来の安価なテープライト(SMDタイプ)は、LEDのチップが一定間隔でポツポツと並んでいるだけでした。これを間接照明として使うと、壁に光の粒が映り込んだり、手元に「多重影」という不自然な影ができたりしてしまいます。

一方、COBタイプは、無数の極小チップが蛍光体の層で覆われているため、発光面が均一につながっています。点灯すると、まるで一本のネオン管のようにシームレスな光のラインが現れ、これがプロの施工した建築化照明のような高級感を生み出します。

【購入時のチェックポイント】

  • 電圧: 家庭用DIYなら扱いやすい「5V(USB給電)」か「12V/24V(ACアダプタ給電)」を選びましょう。長い距離(3m以上)を引き回すなら、電圧降下による明るさ低下が少ない24Vタイプが推奨されます。
  • 演色性: 商品説明に「Ra90以上」や「CRI90+」と記載されているものを選んでください。Ra80以下のものは光が緑っぽかったりくすんで見えたりして、料理が美味しく見えません。
  • カット間隔: テープライトはハサミで切って長さを調整できますが、COBタイプはカットできる間隔が細かい(2.5cm〜5cm程度)ものが多く、カップボードの幅にぴったり合わせやすいのもメリットです。

配線を隠すモール活用とコンセント処理

「照明器具は見せない、見せるのは光だけ」。これが間接照明の鉄則です。しかし、後付けDIYには「アゴ(照明を隠すための垂れ壁)」がありません。そこで登場するのが、ホームセンターで数百円で手に入る「アングルモール(L字アングル)」です。

【アングルモール工法の手順】

  1. 材料準備: プラスチック製またはアルミ製のL字型モール(一辺が10mm〜15mm程度のもの)を用意します。色はカップボードの色に合わせるか、目立たない白を選びます。
  2. 貼り付け: このモールの内側(L字の内角部分)ではなく、「立ち上がり部分の内側」にLEDテープライトを貼り付けます。
  3. 固定: テープライトを貼ったモールを、カップボードの吊り戸棚の底面に固定します。この時、モールが手前側に来るようにし、光が奥の壁面(バックセット)に向かって照射されるように向きを調整します。

この一手間を加えるだけで、ダイニング側から座って見た時に光源が直接目に入らなくなり、まぶしさを防ぐことができます。また、光が壁面に柔らかくバウンドして広がるため、非常に上品な間接照明になります。

【究極の配線隠しテクニック】

電源コードの処理には、「冷蔵庫ルート」を活用しましょう。多くのキッチンでは、カップボードの横に冷蔵庫が置かれています。カップボードの上部、あるいは下部からモールを使って配線を横に這わせ、冷蔵庫の裏側の隙間に落とし込みます。冷蔵庫用のコンセントは通常高い位置(床上190cm付近)にあるため、そこへ接続すれば、普段の視線からは配線が一切見えなくなります。

もし冷蔵庫までのルートに隙間がない場合は、「フラットケーブル(隙間用ケーブル)」を使います。厚さ1mm程度のきしめん状のケーブルなので、扉の隙間や、壁と家具のわずかな隙間を通すことができ、見た目を損ないません。

人感センサーで自動点灯させる方法

スイッチのオンオフ、毎回やるのは面倒ですよね?特に料理中は手が濡れていたり汚れていたりするので、触らずに操作したいものです。そこで導入したいのが自動点灯システムですが、ここにもコツがあります。

よくある失敗が、キッチン全体を感知する位置に人感センサーを置いてしまうこと。これだと、煮込み料理を見守っている最中に勝手に電気が消えたり、ただ水を飲みに来ただけなのに全開で点灯したりと、ストレスの原因になります。

私が提案するベストな解決策は、「スマートプラグ × 音声操作 × シーン連動」の組み合わせです。

  • スマートプラグ(SwitchBotプラグなど): コンセントと照明のプラグの間にこれを挟むだけで、スマホからON/OFFが可能になります。
  • 音声操作: Google HomeやAlexaと連携させれば、「OK Google、キッチンの電気をつけて」と言うだけで点灯。ハンバーグをこねている最中でも操作可能です。
  • シーン連動: これが最も便利です。「日没後にリビングの照明がついたら、カップボードも連動して点灯する」といったオートメーションを組むことで、意識することなく常にいい雰囲気の空間を維持できます。

もちろん、もっとシンプルにしたい場合は、手をかざした時だけ反応する「ハンドセンサー(近接センサースイッチ)」をテープライトの回路に組み込むのもおすすめです。これなら誤作動もなく、必要な時だけ確実に点灯させることができます。

電池式よりも電源コード式を推す理由

前述の失敗事例でも触れましたが、重要なので改めて強調させてください。カップボードのメイン照明として使うなら、電池式は避けるべきです。

その最大の理由は「光量(明るさ)」の圧倒的な差にあります。電池式のライトは、電池の消耗を抑えるために、意図的に明るさを抑えて設計されているものがほとんどです。そのため、間接照明として壁を照らそうとしても光が弱すぎて、「なんだかぼんやりしている」「期待した高級感が出ない」という結果になりがちです。

一方、AC電源式(コンセント式)は、常に安定した大電力を供給できるため、壁一面を鮮やかに照らす十分な光量を確保できます。また、COBテープライトのような高輝度なLEDをドライブさせるには、電池ではパワー不足なのです。

サステナビリティの観点からも

キッチンで毎日数時間点灯させた場合、単4電池3本式のライトなら、1週間〜2週間で交換が必要になることもザラです。年間で数十本の電池を廃棄することになります。環境負荷の面でも、お財布への優しさの面でも、初期投資で電源コード式を選んでおくことが、長い目で見れば最も賢い選択と言えるでしょう。

IKEA照明を使った設置テクニック

「半田ごてを使って配線を繋ぐのはちょっとハードルが高い...」という方には、IKEAの照明システムを活用するのがおすすめです。IKEAの製品は、専門的な工具なしで、プラモデルのようにコネクタを差し込むだけで接続できるのが特徴です。

特におすすめなのが、「MITTLED(ミットレド)」LEDスティックライトと、「TRÅDFRI(トロードフリ)」ドライバーの組み合わせです。

【IKEAハックのポイント】

  • 連結の自由度: ミットレドは複数のライトを1つのドライバーに接続できます。例えば、カップボードの棚が3段ある場合、それぞれの段にライトを設置し、配線を1箇所のドライバーに集約することで、1つのコンセントですべてを点灯させることができます。
  • 配線パーツの活用: 「VÅGDAL(ヴォーグダル)」接続コードなど、IKEAには延長用や分岐用のケーブルも純正で用意されています。これらを使い、キャビネットの背板の裏や、棚板の隙間を通して配線をきれいに隠すことができます。
  • スマート化: トロードフリドライバーは、別売りの「DIRIGERA(ディリゲラ)」ハブと接続することで、スマホアプリからの操作や、IKEA製のリモコンでの調光が可能になります。後から機能を追加していけるのもIKEAシステムの大きな魅力ですね。

理想のカップボードの間接照明を完成へ

ここまで、新築時の計画からDIYによる後付けテクニックまで、カップボードの間接照明に関する情報を網羅的にお伝えしてきました。カップボードの照明は、単に「手元を明るくする」という機能だけでなく、LDK全体のグレードを一気に引き上げ、あなたの暮らしに「彩りと安らぎ」を与える重要なインテリア要素です。

新築時にメーカー純正の「美ルック」で最高峰の光を手に入れるのも素晴らしい選択ですし、IKEAやCOBテープライトを駆使して、自分だけのこだわりが詰まった光をDIYで作り上げるのも、また格別の喜びがあります。

どちらの方法を選ぶにせよ、成功の鍵は、器具のスペック以上に「いかに光源を隠し、美しい光だけを取り出すか」という設置の工夫にあります。

この記事で紹介した知識とテクニックが、あなたの理想とする「ホテルライクなキッチン空間」を実現するための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。ぜひ、あなたにぴったりの方法で、素敵な光のある暮らしを始めてみてくださいね。

自己責任と専門家への相談について

コンセントの増設や壁内への配線隠蔽など、電気工事士の資格が必要な作業は、必ず有資格者の専門家に依頼してください。DIY作業(コンセント式器具の設置など)は自己責任のもとで安全に行い、不明点や判断に迷う箇所がある場合は、無理をせずプロのリフォーム業者や電気工事店にご相談ください。

また、記事内で紹介した製品の正確な仕様、価格、在庫状況については、常に変動する可能性がありますので、必ず各メーカーの公式サイトで最新情報をご確認ください。

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