「8畳の部屋に、あえて12畳用のシーリングライトを設置するのはどうなんだろう?」
そんな疑問をお持ちではありませんか。照明選びは部屋の印象を大きく左右するだけに、失敗したくないですよね。
10畳の部屋なら8畳用と12畳用のどちらを選ぶべきか、逆に12畳の部屋に8畳用を設置すると暗すぎるのか、畳数が大きめのライトを選ぶメリットやデメリットも気になるところです。
また、8畳と12畳、12畳と14畳の違いが具体的に分からなかったり、12畳用のおしゃれなモデルに惹かれつつも、ライトの大きさやサイズがわからないと不安に感じることもあるでしょう。
6畳に12畳用は明るすぎないか、そもそも12畳用のシーリングライトの明るさはどのくらいで、12畳とはなんルーメンが適切なのか、8畳の部屋をライトで照らすと何ワットになるのか、といった具体的な数値に関する疑問も尽きません。
この記事では、そんなシーリングライトの畳数に関するあらゆる疑問を解消し、あなたの部屋に最適な一台を見つけるための知識を分かりやすく解説します。
この記事でわかること
- 8畳の部屋に12畳用シーリングライトを設置するメリット・デメリット
- 部屋の広さに応じた適切な明るさ(ルーメン)の基準
- シーリングライト選びで失敗しないための具体的なポイント
- 用途やデザインで選ぶおすすめのシーリングライトのタイプ
シーリングライト8畳に12畳用は使える?基本を解説

【結論】問題ない
8畳の部屋に12畳用のシーリングライトを設置することは、結論から言うと全く問題ありません。むしろ、多くのメリットを享受できる賢い選択と言えます。
ただし、これには一つだけ絶対に守るべき条件があります。それは「必ず調光機能(明るさを調整できる機能)が付いているモデルを選ぶ」ということです。
なぜなら、12畳用のライトを最大の明るさで8畳の部屋で使うと、光が強すぎて目が疲れたり、リラックスできなかったりする可能性があるからです。調光機能があれば、普段は明るさを抑えて快適な空間を作り、読書や勉強など集中したい時だけ明るくするといった、柔軟な使い分けが可能になります。
例えば、普段は50%程度の明るさで生活し、来客時や大掃除の際には100%の明るさにするといった運用が考えられます。これにより、一つの照明で生活の様々なシーンに対応できるようになります。
このように、調光機能という前提さえ満たせば、8畳の部屋に12畳用のシーリングライトを設置することは、明るさが足りなくなる心配がなく、将来的なライフスタイルの変化にも対応できるため、非常におすすめの選択肢となります
12畳用のシーリングライトの明るさは?

シーリングライトを選ぶ際、最も重要な指標の一つが「明るさ」です。一般的に、12畳の広さの部屋には4,800ルーメン以上の明るさが推奨されています。
ただし、これはあくまで目安の数値です。部屋の使い道によって、求められる明るさは変わってきます。
例えば、家族が集まって活動的に過ごすリビングでは、少し明るめの照明が好まれる傾向があります。一方で、心身を休める寝室では、リラックスできるやや暗めの光が適しているでしょう。
最近のLEDシーリングライトは、明るさを細かく調整できる「調光機能」が付いているものがほとんどです。そのため、どの部屋で使うか迷った場合は、少し明るめのモデルを選んでおき、普段は調光機能で明るさを抑えて使うという方法も有効ですよ。
ここで注意したいのが、LEDライトの明るさは「ワット(W)」ではなく「ルーメン(lm)」で判断するという点です。ワットは消費電力を示す単位であり、明るさの直接的な指標ではありません。製品を選ぶ際は、必ずルーメン値を確認するようにしましょう。
12畳なんルーメン?ライトの大きさは?
「12畳には具体的に何ルーメンが必要なの?」という疑問について、業界団体である「日本照明工業会」が明確な基準を設けています。この基準は、多くのメーカーが製品開発やパッケージ表示の際に採用している信頼性の高い指標です。
この基準によると、12畳の部屋に適した明るさは「4,500ルーメンから5,500ルーメン」の範囲とされています。
例えば、4.5畳では2,200ルーメンから3,200ルーメン、6畳では2,700ルーメンから3,700ルーメン、8畳では3,300ルーメンから4,300ルーメン、10畳では3,900ルーメンから4,900ルーメン、12畳では4,500ルーメンから5,500ルーメン
大塚商会
この数値を目安に製品を選べば、明るさで大きく失敗することはないでしょう。
豆知識:ルーメンとは?
ルーメン(lm)は、照明器具が発する光の総量(光束)を示す単位です。数値が大きければ大きいほど、より明るい照明ということになります。白熱電球時代のワット(W)と混同されがちですが、省エネ性能が向上したLED照明では、このルーメンが明るさ選びのスタンダードになっています。
また、12畳用のライトの「大きさ」についてですが、部屋の広さ自体は、一般的な木造住宅の寸法(90cmピッチ)で換算すると、およそ3.64m × 5.46mほどの空間をイメージすると分かりやすいです。
シーリングライト本体のサイズはデザインによって様々ですが、この広さの部屋の中心に設置した際に、部屋全体を均一に照らせるように設計されています。
8畳と12畳、12畳と14畳の違いを比較

部屋の広さが変われば、必要とされる明るさも変わります。ここでは、日本照明工業会が定める適用畳数ごとの推奨ルーメン値を比較してみましょう。
これにより、8畳と12畳、そして12畳と14畳でどれくらいの明るさの違いがあるのかが明確になります。
適用畳数 | 基準定格光束 | 定格光束の範囲 |
---|---|---|
~4.5畳 | 2,700lm | 2,200~3,199lm |
~6畳 | 3,200lm | 2,700~3,699lm |
~8畳 | 3,800lm | 3,300~4,299lm |
~10畳 | 4,400lm | 3,900~4,899lm |
~12畳 | 5,000lm | 4,500~5,499lm |
~14畳 | 5,600lm | 5,100~6,099lm |
(参照:社団法人日本照明器具工業会ガイドA121:2023)
表を見ると、8畳と12畳では、基準となるルーメン値に1,200lmもの差があることがわかります。同様に、12畳と14畳でも600lmの差があります。この数値の違いが、それぞれの部屋で快適に過ごせる明るさの差につながるのです。
部屋の広さに合わない照明を選ぶと、「暗くて物が見えづらい」「明るすぎて落ち着かない」といった問題が生じる可能性があるため、この基準を参考にすることが非常に重要です。
サイズがわからない時のための選び方
シーリングライトの購入を検討しているものの、「どのサイズを選べばいいか分からない」と悩む方も少なくありません。選び方の基本は、まず部屋の広さに合った「適用畳数」の表示を確認することです。
製品のパッケージや商品説明には、「~8畳用」「~12畳用」といった表記が必ず記載されています。これは前述の日本照明工業会の基準に基づいているため、最も信頼できる指標と言えます。
注意点:畳数表示がない場合
もし製品に畳数表示がない場合は、必ず「ルーメン(lm)」の数値を確認してください。先ほどの表を参考に、自分の部屋の広さに対応するルーメン値の範囲内にある製品を選びましょう。
ただし、いくつか考慮すべき点もあります。例えば、部屋の壁紙や床、カーテンの色が濃い場合は、光が吸収されやすいため部屋が暗く感じられることがあります。逆に、白を基調とした明るい内装の部屋では、光が反射してより明るく感じられます。
このように、部屋の環境によっても明るさの感じ方は変わるため、内装の色が濃い場合や、より明るい環境を好む場合は、適用畳数よりワンランク上のモデルを検討するのも一つの有効な手段です。
8畳の部屋をライトで照らすと何ワットになりますか?

「8畳の部屋に必要なのは何ワット?」という質問は、照明選びでよく聞かれるものの一つです。しかし、これはLEDシーリングライトが主流となった現代においては、少し注意が必要な問いかけになります。
結論から言うと、LED照明の明るさをワット数で判断するのは適切ではありません。ワット(W)は消費電力を示す単位であり、明るさの直接的な指標ではないためです。同じ8畳用でも、製品の省エネ性能によってワット数は異なります。
参考までに、かつて主流だった蛍光灯の場合、8畳~10畳の部屋には100W~180W程度の明るさが必要とされていました。しかし、LEDは蛍光灯よりもはるかに少ない消費電力で同等以上の明るさを実現できます。
省エネ性能は「固有エネルギー消費効率」でチェック
LEDシーリングライトの省エネ性能を比較したい場合は、「固有エネルギー消費効率(lm/W)」という数値に注目しましょう。これは、1Wの消費電力でどれくらいの明るさ(lm)を生み出せるかを示す値で、この数値が大きいほど、より省エネな製品ということになります。
したがって、8畳の部屋の照明を選ぶ際は、ワット数を気にするのではなく、適用畳数が「~8畳用」であるか、またはルーメン値が「3,300~4,299lm」の範囲にあるかを確認することが正しい選び方です。
シーリングライト8畳に12畳用を選ぶメリットと注意点

- 畳数が大きめのライトを選ぶのはあり?
- 6畳に12畳用、逆に12畳に8畳用は?
- 10畳に8畳用か12畳用どちらを選ぶ?
- 12畳用のおしゃれなシーリングライト
- まとめ:シーリングライト8畳に12畳用は賢い選択
畳数が大きめのライトを選ぶのはあり?
「8畳の部屋に、あえて12畳用のシーリングライトを設置する」というように、実際の部屋の広さよりも畳数が大きめのライトを選ぶのは、結論から言うと「あり」です。むしろ、状況によっては非常に賢い選択となる場合があります。
その理由は、多くのメリットがあるためです。
メリット
- 明るさに余裕が生まれる:最大のメリットは、明るさに余裕が生まれることです。普段は調光機能で明るさを絞って使い、読書や細かい作業をする時だけ最大の明るさにするといった柔軟な使い方ができます。
- 高齢者にも優しい:人は年齢を重ねると、物を見るためにより多くの光量を必要とします。高齢の方がいるご家庭では、ワンランク上の明るさを確保することで、快適で安全な生活環境を作れます。
- 高機能なモデルが多い傾向:一般的に、適用畳数が大きいモデルほど、調色機能やタイマー機能、スマートスピーカー連携など、多機能で高性能な製品が多い傾向にあります。
注意点・デメリット
- 圧迫感が出る可能性:畳数が大きいモデルは、本体サイズも大きくなる傾向があります。天井の高さや部屋の広さによっては、照明が圧迫感を与えてしまう可能性があります。
- 初期費用が高くなる:一般的に、高性能・高機能なモデルほど価格は高くなります。予算とのバランスを考える必要があります。
- 最大光量での消費電力:常に最大の明るさで使用すると、当然ながら消費電力は大きくなります。調光機能をうまく活用することが省エネの鍵です。
これらのメリットとデメリットを理解した上で、調光機能を前提とするならば、畳数が大きめのライトを選ぶことは非常に合理的な選択と言えるでしょう。
6畳に12畳用、逆に12畳に8畳用は?

部屋の広さと照明のミスマッチは、快適な空間づくりを妨げる原因になります。ここでは、極端な例として「6畳に12畳用」と「12畳に8畳用」のケースを考えてみましょう。
ケース1:6畳の部屋に12畳用のシーリングライト
この場合、最大の懸念点は「明るすぎること」と「圧迫感」です。6畳の推奨ルーメンは2,700~3,699lmですが、12畳用は4,500lm以上あります。
調光機能で明るさを最小レベルまで絞れば使用は可能ですが、それでも明るすぎると感じる可能性があります。
また、6畳の空間に対して12畳用の大きな照明器具は、デザインによってはかなりの圧迫感を生み、部屋を狭く見せてしまうかもしれません。特別な理由がない限り、この組み合わせはあまりおすすめできません。
ケース2:12畳の部屋に8畳用のシーリングライト
これは絶対に避けるべき組み合わせです。明らかに光量が不足します。8畳用の最大光量(約4,299lm)は、12畳用の最低ライン(4,500lm)にも届きません。
部屋全体が薄暗くなり、特に部屋の四隅はかなり暗く感じられるでしょう。このような環境では、目が疲れやすくなったり、探し物が見つけにくくなったりと、生活に支障をきたす可能性があります。もしどうしても使いたい場合は、フロアライトやスタンドライトなどの補助照明を複数組み合わせることが必須になります。
結論として、照明は「大は小を兼ねる」傾向がありますが、それも常識の範囲内での話です。
特に、部屋の広さに対して適用畳数が小さい照明を選ぶのは、快適性を大きく損なうため避けるべきでしょう。
10畳に8畳用か12畳用どちらを選ぶ?
10畳の部屋の照明選びは、まさに「8畳用と12畳用のどちらを選ぶか」で迷う典型的なケースです。日本照明工業会の基準では、10畳の推奨ルーメンは「3,900~4,899lm」とされています。
この範囲は、8畳用の最大光量(~4,299lm)と12畳用の最低光量(4,500lm~)の間に位置しており、どちらを選んでも一長一短があるため、非常に悩ましい選択になります。
このような場合の判断基準は、「その部屋をどのように使いたいか」そして「部屋の環境」です。
12畳用がおすすめのケース | 8畳用(または10畳用)がおすすめのケース | |
---|---|---|
部屋の用途 | ・リビングなど、明るく活動的な空間にしたい ・細かい作業や勉強をすることが多い ・高齢の方が使用する | ・寝室など、リラックスを重視する空間 ・補助照明と組み合わせて使う前提 |
部屋の環境 | ・壁や床の色が濃い ・天井が高い ・家具が多く、影ができやすい | ・壁や床が白を基調としている ・天井が低い ・家具が少なく、スッキリしている |
私であれば、迷った場合は12畳用を選びます。なぜなら、調光機能を使えば明るさはいくらでも調整できますが、8畳用を選んで「もう少し明るさが欲しかった…」と後悔した場合、買い替えるしか選択肢がなくなるからです。「明るさは調整できるが、足りない明るさは足せない」と考えると、判断しやすいかもしれませんね。
12畳用のおしゃれなシーリングライト
シーリングライトは単なる照明器具ではなく、部屋のインテリアを構成する重要な要素です。特に12畳用のモデルは、リビングなどの広い空間で使われることが多いため、デザイン性にこだわった製品が数多くラインナップされています。
ここでは、機能性も兼ね備えたおしゃれなシーリングライトのタイプをいくつか紹介します。
和モダン・ナチュラル系
和紙や木材といった自然素材を使用したシーリングライトは、温かみのある空間を演出します。
例えば、伝統工芸である小国和紙や美濃和紙を使ったシェードは、光を柔らかく拡散させ、落ち着いた雰囲気を作り出します。和室はもちろん、ナチュラルテイストの洋室にもよく合います。
おすすめモデルの例
- MotoM『小国和紙 LOG(ログ)LEDシーリングライト MCL012-WA』:新潟県長岡市の伝統工芸「小国和紙」を側面に、底面には丸太の年輪模様をデザインした、和モダンな空間にぴったりの一台です。
- 大塚家具『LEDシーリング「CLL12-730 麻落水紙」』:岐阜和紙の技法を用いたハンドメイドの美濃和紙が、お部屋を優雅に照らします。
スタイリッシュ・薄型タイプ
天井を高く、部屋を広く見せたい場合には、薄型デザインのシーリングライトが最適です。圧迫感がなく、天井と一体化するようにスッキリと収まります。モダンで先進的な印象を与えたい方におすすめです。
おすすめモデルの例
- パナソニック『LEDシーリング AIRパネル HH-CF1292A』:光が広がりやすいAIRパネルのデザインが、部屋に広がりとスタイリッシュな印象を与えます。
- パナソニック『パルック ライフコンディショニングシリーズ HH-XCK1260A』:Wi-Fiやスマートスピーカーにも対応した高機能モデルでありながら、高さ90mmの薄型設計です。
多機能一体型
最近のトレンドとして、照明以外の機能を搭載したモデルも人気です。部屋をより快適で楽しい空間に変えてくれます。
おすすめモデルの例
- スピーカー付き:パナソニック『LEDシーリング AIR PANEL LED THE SOUND HH-CF1206A』
Bluetoothスピーカーを内蔵し、天井から音楽が降り注ぐような臨場感あふれる体験ができます。 - シーリングファン付き:ドウシシャ『サーキュライト KCC-A12CM』
ファンで空気を循環させ、冷暖房の効率を高めるモデル。省エネ効果も期待でき、快適な睡眠環境づくりにも役立ちます。 - プロジェクター付き:『popIn Aladdin』シリーズ
照明・スピーカー・プロジェクターが一体となり、壁に映像を投影できる革新的な製品です。
これらの多機能モデルは、デザイン性も高いものが多く、部屋の主役となり得る存在です。自分のライフスタイルや好みに合わせて、デザインと機能の両面からお気に入りの一台を探すのも、照明選びの醍醐味と言えるでしょう。
まとめ:シーリングライト8畳に12畳用は賢い選択
最後に、この記事の要点をまとめます。シーリングライト選びで後悔しないために、以下のポイントをぜひ参考にしてください。