新しくしたばかりのLEDシーリングライトがチカチカする、または長年使っている照明が点滅を繰り返すようになり、お困りではないでしょうか。
その不快なちらつきの原因は、もしかしたら照明器具の寿命かもしれませんし、新品であっても発生することがあります。突然、一瞬ついて消える、あるいは勝手に消えるといった症状や、なぜか常夜灯しかつかないトラブルも少なくありません。
特にアイリスオーヤマなどの人気メーカー製品でも、設定の問題でちらつくケースが報告されています。
この記事では、LEDシーリングライトのちらつきの原因から、ご自身でできる点滅の直し方、さらには目の負担を軽減するフリッカーレス製品の選び方まで、網羅的に解説します。
この記事で分かること
- LEDシーリングライトがチカチカする主な原因
- 症状別に自分で試せる具体的な対処法や直し方
- 照明器具の寿命や故障を見極めるポイント
- 目に優しく快適なフリッカーレス照明の選び方
LEDシーリングライトがチカチカする!考えられる原因

まずはちらつきの原因を探る
LEDシーリングライトがチカチカとちらつく現象、いわゆる「フリッカー」には、いくつかの原因が考えられます。フリッカーとは、人間の目では感知しにくい高速な光の点滅のことです。この現象は、照明器具内部の電源回路の性能に大きく左右されます。
フリッカー(英: flicker)は、蛍光灯やブラウン管を用いたディスプレイに生じる細かいちらつき現象のことである。フリッカとも。
Wikipediaより引用
一つの大きな原因は、家庭内の電圧変動です。例えば、エアコン、レーザープリンタ、ドライヤー、掃除機といった消費電力の大きい家電製品を使い始めると、家庭内の電圧が一時的に下がることがあります。
この電圧降下に照明器具の電源回路が過敏に反応してしまい、明るさが不安定になってちらつきとして現れるのです。
特に、安価なモデルの中には、こうした電圧変動への対策が不十分なものがあり、他の家電を使っていない時でも不安定になることがあります。これは、LEDに供給される電流を安定させるための回路(スイッチング電源)の設計に起因する場合が多いです。
フリッカーの確認方法
照明のちらつきは、肉眼では分かりにくい場合もあります。そんな時は、スマートフォンのカメラを照明に向けてみてください。カメラの画面越しに見ると、高速な点滅が縞模様として映ることがあり、フリッカーの有無を簡易的に確認できます。
また、照明器具そのものではなく、天井に設置されている「引掛シーリング」という接続部分の接触不良や、建物自体の電気配線の劣化が原因で電圧が不安定になり、ちらつきを引き起こしている可能性も考えられます。
新品でもチカチカすることはある?
「交換したばかりの新品なのにチカチカする」というケースは、実は少なくありません。
これには主に2つの原因が考えられます。
一つ目は、照明器具とLEDの相性問題です。特に、調光機能(明るさを調節する機能)が付いている壁スイッチや照明器具に、調光機能に対応していないLEDを取り付けた場合に発生しやすいです。両者の仕様が合わないことで、電流が不安定になり点滅を引き起こします。
二つ目は、製品の初期不良です。量産品である以上、ごく稀に製造上の問題で内部の電子部品に不具合がある製品も存在します。新品にもかかわらず、他の家電製品の影響を受けずに不規則な点滅が続く場合は、初期不良の可能性が高いと言えるでしょう。
相性が合わないまま使うのは危険!
照明器具とLEDの仕様が合っていない状態で使用を続けると、ちらつきが続くだけでなく、LED照明や照明器具本体の故障を早める原因となります。最悪の場合、異常な発熱につながる恐れもあるため、すぐに使用を中止し、適合する製品に交換してください。
もし新品の製品で問題が発生した場合は、自己判断で分解などはせず、まずは購入した販売店やメーカーのサポートセンターに相談することをおすすめします。
なぜ常夜灯しかつかない?その原因と対処法

リモコンで操作しても全灯がつかず、オレンジ色の小さな常夜灯しか点灯しない、というトラブルもよくある相談の一つです。これは故障ではなく、照明器具の「モード」が意図せず切り替わってしまったことが原因である場合がほとんどです。
多くのリモコン付きシーリングライトには、壁のスイッチを素早く「カチッ、カチッ」と入り切りすることで、点灯モード(全灯→メモリ点灯→常夜灯など)を順番に切り替える機能が備わっています。
例えば、部屋を出るときに慌てて壁スイッチを操作したり、停電から復旧したりした際に、この操作が偶然行われてしまい、常夜灯しか点灯しないモードで固定されてしまうのです。
これは故障だと勘違いしやすい代表的なパターンですね。壁スイッチだけで操作していた方がリモコン式に替えた際によく起こります。慌てずにリモコンで操作すれば、大抵は元に戻りますよ。
対処法
まずは、照明器具に付属のリモコンで操作してみてください。リモコンの「全灯」や「点灯」ボタンを押せば、すぐに通常の明るさに戻るはずです。
もしリモコンが見当たらない場合は、壁のスイッチを「ゆっくり1秒以上間隔をあけて」入り切りするか、逆に「素早くカチカチと」何度か繰り返すことでモードが切り替わり、元に戻ることがあります。ただし、確実なのはリモコンでの操作です。
スイッチONで一瞬ついて消える症状は故障?

壁のスイッチやリモコンで電源を入れると、一瞬だけパッと明るく光るものの、すぐに消えてしまう。この症状は、LED照明内部の部品が劣化・故障している可能性が高いサインです。
この現象の主な原因は、LEDを点灯させるための「電源基板(LEDドライバ)」の不具合です。長年使用することで、基板上のコンデンサなどの電子部品が劣化し、LEDに安定した電力を供給できなくなります。スイッチを入れた瞬間に一時的に電流が流れるものの、それを維持できずに消灯してしまうのです。
また、LEDチップ自体が寿命を迎え、ショート(短絡)してしまった場合にも、保護回路が働いて即座に電源を遮断し、同じような症状が出ることがあります。
この症状が見られる場合、部品の劣化が進行している証拠です。そのまま使い続けると、最終的には完全に点灯しなくなります。修理は専門知識が必要でコストもかかるため、使用年数によっては本体ごとの交換を検討するのが賢明です。
意図せず照明が勝手に消える場合の確認点
読書や作業の最中に、突然シーリングライトが勝手に消えてしまうと非常に不便ですし、不安になります。この症状には、いくつかの原因が考えられます。
1. リモコンの「おやすみタイマー」機能
最も単純な原因として、リモコンのおやすみタイマー(スリープタイマー)が意図せず設定されている可能性があります。30分後や60分後に自動で消灯する機能です。まずはお手元のリモコンにタイマー設定がされていないか確認し、設定されていれば解除してください。
2. 内部部品の熱暴走
照明を長時間つけっぱなしにしていると、内部の電源基板が熱を持つことがあります。特に、ホコリが溜まっていると放熱がうまくいかず、基板が高温になります。
この熱から部品を保護するために、保護回路が働いて強制的に電源をオフにすることがあるのです。少し時間を置いて冷ますと再び点灯する場合は、このケースが疑われます。定期的なお掃除でホコリを取り除くことが予防につながります。
3. 接触不良
天井の引掛シーリングと照明器具本体のアダプターとの接触が甘いと、振動などで一瞬接続が途切れ、消灯することがあります。一度照明を取り外し、再度「カチッ」と音がするまで確実に取り付け直してみましょう。
もしかしてLEDシーリングライトの寿命かも

LED照明は長寿命と言われますが、永久に使えるわけではありません。LEDシーリングライトの寿命は、主に「LED光源」と「照明器具(電源部分など)」の2つの側面から考える必要があります。
一般的に、LED光源の寿命は約40,000時間とされています。これは1日10時間の使用で約10年以上に相当する長さです。ただし、これは「全く点灯しなくなるまでの時間」ではなく、「初期の明るさから70%に低下するまでの時間」を指します。
一方で、LEDを点灯させるための電源基板や、本体のプラスチック部分といった照明器具としての寿命は、約8~10年が目安とされています。
寿命が近いサイン
- 設定を変えていないのに以前より暗く感じる
- 不規則なちらつきや点滅が頻繁に起こる
- 照明から「ジー」という異音がする
- プラスチックカバーに黄ばみやひび割れがある
- 焦げ付いたような異臭がする
これらのサインが複数見られる場合や、設置から10年近く経過している場合は、LED光源がまだ点灯していても、安全のために器具全体の交換を強く推奨します。古い器具を使い続けることは、性能低下だけでなく、落下や発煙などのリスクを高めることになります。
LEDシーリングライトがチカチカする時の直し方と対策

点滅の直し方を紹介
LEDシーリングライトのちらつきに気づいたら、業者を呼ぶ前に自分で試せる対処法がいくつかあります。原因が単純な設定ミスや接触不良であることも多いため、以下の手順で確認してみてください。
ステップ1:リモコンのチャンネルを確認する
同じ部屋や隣接する部屋で同メーカーの照明を使っている場合、リモコンの電波が混線している可能性があります。
取扱説明書を参照し、リモコンと本体のチャンネル(CH)設定を合わせ直してみてください。チャンネルを切り替えることで改善することがあります。
ステップ2:照明器具をリセットする
何らかの操作や停電がきっかけで、照明器具が不安定な「試験モード」などに入ってしまうことがあります。
一度、壁の電源スイッチやブレーカーを切り、1分ほど待ってから再度電源を入れてみてください。この放電作業で内部のマイコンがリセットされ、正常な状態に戻ることがあります。
ステップ3:接続部分を確認し、再設置する
天井の引掛シーリングと照明器具のアダプターの接触不良も、ちらつきの一般的な原因です。
作業前の注意
感電防止のため、作業前には必ず部屋の壁スイッチを切り、できれば分電盤のブレーカーも落としてください。また、脚立など安定した足場を用意して作業しましょう。
これらの手順を試しても改善しない場合は、照明器具本体の故障や、建物の配線側の問題が考えられるため、専門の電気工事業者やメーカーに相談しましょう。
アイリスオーヤマ製品で試せる対処法

コストパフォーマンスの高さで人気のアイリスオーヤマ製LEDシーリングライトですが、独自の機能が原因でちらつきに似た症状が出ることがあります。
もし同社製品をお使いで「勝手に明るさが変わる」「点滅を繰り返す」といった症状が出た場合は、以下の点を確認してみてください。
これは故障ではなく、リモコンの誤操作や停電などによって「試験モード」に入ってしまっている状態です。試験モードは、工場出荷時や店舗でのデモ展示で使われる機能で、一定時間で明るさが変化したり点滅したりします。
アイリスオーヤマ製品の試験モード解除手順
まず、リモコンのチャンネルが合っていることを確認します。ボタンを押して何らかの反応があればOKです。その上で、取扱説明書の「故障かな?と思ったら」の項目にある「明かりが繰り返し変化する」という部分を探し、記載されている「処置」を試してください。モデルによって解除方法が異なります。
症状 | 考えられる原因 | 対処法 |
---|---|---|
明るさが勝手に変化・点滅する | 試験モードに入っている | 取扱説明書に従い、試験モードを解除する。リモコンチャンネルも要確認。 |
常夜灯しか点灯しない | 壁スイッチの連続操作によるモード切替 | リモコンの「全灯」ボタンで復旧させる。 |
リモコンが効かない | 電池切れ、またはチャンネルの不一致 | 電池を交換する。チャンネル設定をやり直す。 |
上記の方法でも改善しない場合や、取扱説明書を紛失してしまった場合は、メーカーのコールセンターに問い合わせるのが確実です。その際は、製品の型番(カバーを外した本体内側のラベルに記載)を伝えるとスムーズです。
(参照:アイリスオーヤマ お問い合わせ)
対策品を選ぶならフリッカーレス照明
ここまで紹介した対処法を試しても改善しない場合や、ちらつきによる目の疲れ・頭痛が気になる場合は、照明器具自体の買い替えを検討するのも一つの手です。その際にぜひ注目してほしいのが「フリッカーレス(フリッカーフリー)」仕様の製品です。
フリッカーレス照明とは、その名の通り、ちらつき(フリッカー)を極限まで抑制するように設計された照明のことです。高品質な電源回路を搭載することで、電圧が変動しても光の出力を安定させ、目に見えない高速な点滅を発生させません。
特に、自宅で長時間勉強やPC作業をする方、小さなお子様がいるご家庭では、フリッカーレス照明を選ぶメリットは大きいですよ。目の疲れ方が全然違う、という声もよく聞きます。
フリッカーレス製品の選び方
残念ながら、製品パッケージに「フリッカーレス」と明記されていることはまだ少ないのが現状です。そのため、信頼できるメーカーを選ぶことが一つの判断基準になります。
一般的に、NEC(ホタルクス)やパナソニックといった老舗の照明メーカーは、電源回路の品質に定評があり、ちらつきが少ない安定した製品が多いとされています。
また、KOIZUMI、DAIKO、TAKIZUMIといった照明専門メーカーの製品も信頼性が高いです。価格は少し高くなる傾向にありますが、毎日長時間使うものだからこそ、品質にこだわって選ぶ価値は十分にあります。
家電量販店の店頭で、スマートフォンのカメラ(スローモーション動画モードがおすすめ)をかざして、縞模様が出ないかを確認してみるのも良い方法です。
まとめ:LEDシーリングライトがチカチカする問題の解決策
この記事では、LEDシーリングライトがチカチカする原因から具体的な直し方までを解説しました。最後に、本記事の要点をリストでまとめます。