シーリングライトの紐付きタイプを探してませんか?
リモコン操作が主流の現代ですが、手応えのあるプルスイッチ式には独自の魅力があります。また、リモコンの故障や紛失で、紐スイッチが切れた時のように操作できなくなり、後付けの方法を探している方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、プルスイッチとリモコン両方が使える便利なモデルから、和室に合うアイリスオーヤマ製品、パナソニックの12畳タイプ、6畳や8畳の部屋に適した製品、さらにはニトリで探せるおしゃれな照明まで、紐付きシーリングライトの選び方を幅広く解説します。
この記事を読むことで、以下の点について理解を深められます。
紐付きシーリングライトの基本と利点

引き紐タイプのメリット
引き紐タイプ(プルスイッチ式)のシーリングライトには、リモコン式にはない多くのメリットがあります。
最大の利点は、操作の確実性と単純さです。リモコンがテーブルの上やベッドサイドに見当たらず、「どこに置いたか分からない」と探すストレスから解放されます。紐を引けば、必ず点灯・消灯が可能です。
また、電子機器であるリモコン固有のトラブルとも無縁です。リモコンの電池切れや、長期間の使用によるボタンの接触不良、あるいは照明本体の赤外線受光部(センサー)の故障といった心配がありません。特に、部屋の入口に照明用の壁スイッチがない間取りの場合、リモコンが反応しなくなると照明を消す手段がなくなり非常に不便ですが、紐スイッチがあれば物理的に操作できるため安心感が格段に違います。
「カチッ」という操作音と、紐を引く確かな手応えは、操作が完了したことを五感で確認できる安心感につながります。デジタル操作にはない、このアナログな感覚を心地よい、あるいは「エモい」と感じる方も少なくありません。
さらに、構造がシンプルなため、同等の明るさのリモコン式モデルと比較して価格が安価な傾向があるのも魅力です。お子様から高齢の方まで、誰でも直感的に操作方法がわかるユニバーサルデザインとしての側面も持っています。
紐スイッチの簡単な仕組みは?
紐スイッチ(プルスイッチ)の仕組みは、壁にある手押し式のスイッチと基本的には同じ考え方です。紐を引くという「引張」の動作を、スイッチ内部で「回転」や「上下」の動作に変換し、電気の接点を操作しています。
ヒモ式のプルスイッチも考え方は通常の手押し式のスイッチと変わりはないので、ヒモを引っ張った際に接点が繋がり照明器具が点灯、もう一度引っ張ると接点が切り離され、照明器具が消灯するという仕組みになっている。
パナソニックより引用
具体的には紐を一度引くと、内部に組み込まれた「ロータリースイッチ(回転式)」や「ラチェット機構」と呼ばれる歯車のような仕組みが一段階作動します。これにより、内部の電気が通る道(接点)が接続され、回路が閉じて電気が流れ、ライトが点灯します。
もう一度紐を引くと、スイッチがさらに一段階回転し、今度は接点が切り離されて回路が開き、電気が止まってライトが消灯する仕組みです。
多くの紐付きシーリングライトでは、この仕組みを応用し、引くたびに異なる回路に接続を切り替えることで、複数の点灯モードを実現しています。例えば、以下のような順番で切り替わる製品が一般的です。
- 基本的な切り替え例: 「全灯(100%)」→「消灯」
- 多段階の切り替え例: 「全灯(100%)」→「調光(50%など)」→「常夜灯(豆電球)」→「消灯」
このように、紐を引くたびに内部のスイッチがカチッと回転し、設定された順番で点灯状態が切り替わっていきます。
おしゃれなデザインも選べる
「紐付きの照明」と聞くと一昔前の学校や公民館にあったような白いカバーの蛍光灯や、和室用のシンプルなデザインを想像するかもしれません。しかし、現在ではそうした実用一辺倒のイメージは払拭され、インテリア性を重視したおしゃれなモデルが数多く登場しています。
例えば、リビングやダイニングで人気なのが、複数のスポットライトがフレームに取り付けられた4灯式や6灯式のシーリングライトです。

これらはシェードやフレームに天然木やスチール、真鍮風の素材などを組み合わせ、北欧風、インダストリアル(工業系)デザイン、ミッドセンチュリーモダンなど、部屋の雰囲気を格上げするデザインが豊富に揃っています。
こうしたデザインでは、プルスイッチの紐が単なる操作部ではなく、全体のデザインアクセントとして組み込まれていることも少なくありません。紐の先端の「ペンダント(持ち手)」部分がおしゃれな木製であったり、紐自体が革紐やデザイン性の高い組み紐になっている製品も見られます。
また、ダイニングテーブルやキッチンカウンターの上などに吊り下げるペンダントライトにも、紐付きのタイプが充実しています。

ホーロー製、ガラス製、ファブリック(布)製などシェードの素材や形状も多彩で、ヴィンテージカラーや北欧カラーなど色の選択肢も幅広いです。実用性だけでなく、インテリアの主役として「見せる照明」の役割も十分に果たしてくれます。
紐スイッチが切れた時の後付け対応
シーリングライトのリモコンが突然反応しなくなった場合、原因の特定は意外と厄介です。
新品の電池に交換してもダメな時、原因がリモコンの基板にあるのか、それともライト本体の赤外線受光部にあるのかを一般のユーザーが判断するのは難しいでしょう。もし本体側の故障だった場合、新しいリモコンを購入しても問題は解決せず、費用が無駄になってしまいます。
このような時、あるいは「紐スイッチが物理的に切れてしまった」場合とは別に、リモコン式照明を物理スイッチで操作できるようにしたい時に役立つのが、「後付け」のアダプタです。
具体的には、『パナソニック (Panasonic) 引掛シーリング増改アダプタ4型(プルスイッチ付)WG4484PK』といった製品が代表的です。これは、天井にすでにある引掛シーリング(照明を取り付けるためのソケット)と、シーリングライト本体の間に「挟み込む」ように設置する中間アダプタです。
取り付け方法と注意点
取り付け作業自体は、普段からご自身でシーリングライトの付け外しをしている方であれば非常に簡単です。
- まず、天井の引掛シーリングから既存のシーリングライトを取り外します。
- 次に、天井の引掛シーリングに、購入した「後付けアダプタ」をカチッと音がするまで回して取り付けます。
- 最後に、取り付けたアダプタに、元のシーリングライトを装着します。
たったこれだけの作業で、リモコンでしか操作できなかったライトが、アダプタから垂れ下がる紐スイッチでON/OFFできるようになります。
ただし、いくつかの注意点があります。作業は天井に向かって行うため、不安定な椅子などではなく、必ず安定した脚立を用意してください。
また、アダプタには厚みがあるため、その分だけシーリングライトが天井から少し下がった位置(数cm程度)に取り付けられることになります。部屋の印象がわずかに変わる可能性があるほか、デザイン性も考慮する必要があります。
後付けアダプタ導入のメリットと注意点
それぞれのメリット・デメリットをまとめるとこうなります。
価格も非常に手頃なため、リモコンの不調でライトごと買い替える前に、まず試してみる価値のある非常に有効な選択肢と言えますね。
おすすめの紐付きシーリングライトと機能
プルスイッチとリモコン両方搭載機
「リモコンの手軽さも欲しいけれど、紐スイッチの確実性も捨てがたい…」
というニーズに応えるため「プルスイッチ」と「リモコン」の両方を搭載したモデルも存在します。

これらは普段はベッドやソファからリモコンで快適に操作し、リモコンが見当たらない時、電池が切れた時、あるいは来客時などにサッと紐スイッチで操作できる、いわば「いいとこ取り」の非常に便利なタイプです。
特に、天井から吊り下げるペンダントライト型の製品に、この両対応タイプが多く見られます。例えば、瀧住電機工業(タキズミ)やアイリスオーヤマの製品の一部では、リモコンによる無段階の調光(明るさ調整)や調色(光の色を変える)機能と、プルスイッチによる段階的な切り替え(例:全灯→調光点灯→常夜灯→消灯)の両方を備えています。

ただし、天井に直接取り付ける薄型のシーリングライト(天井直付型)においては、両対応のモデルは比較的少ない傾向にあります。これは、薄型デザインを維持しつつ、リモコン受光部に加えて物理的なプルスイッチ機構を内蔵するスペースを確保するのが構造的に難しいためと考えられます。
両対応機を選ぶ際は、リモコンでしか行えない操作(例:細かな調光・調色、タイマー設定)と、プルスイッチで行える操作(例:全灯→半灯→消灯のみ)が異なる場合が多いため、購入前に必ず仕様表を確認し、自分の使い方に合っているかを見極めることが大切です。
6畳・8畳向けの人気モデル
6畳から8畳の部屋は、寝室や子ども部屋、書斎など、多くの家庭で最も一般的な広さの空間です。そのため、各照明メーカーはこの畳数に対応する紐付きシーリングライトのラインナップを豊富に取り揃えています。
ここでは、特に人気があり、比較検討されやすい主要メーカーの代表的なモデル(またはそのシリーズ)の特徴を比較します。
メーカー | 代表機種(例) | 主な特徴 | 対応畳数(例) |
瀧住電機工業 (タキズミ) | RV80049 | 日本製で品質が安定しており、価格が手頃。紐を引く感触が軽いとの評価も。コストパフォーマンスに優れる。 | ~8畳 |
アイリスオーヤマ | PLM6D-YA | 多くのモデルで5年間の長期メーカー保証が付く安心感。天井の接続部を隠すシーリングカバーが付属し、見た目がスッキリする。 | ~6畳 |
コイズミ照明 | BP181204P | 老舗の照明専門メーカーならではの信頼性。本体が非常に軽量に設計されており、取り付け作業が楽に行える点が特徴。 | ~12畳(シリーズ展開あり) |
瀧住電機工業のモデルは、手頃な価格でありながら「日本製」という安心感を求める方に適しています。
一方、アイリスオーヤマの製品は、天井の配線器具(引掛シーリング)を隠すための「シーリングカバー」が付属しているモデルが多く、設置後の見た目にこだわる方や、5年という長期保証を重視する方に人気です。また、独自の「メタルサーキット構造」により、高い省エネ性能と均一な明るさを実現している点も強みです。
コイズミ照明の製品は、他の2社に比べて価格がやや高くなる傾向が見られますが、照明専門メーカーとしての確かな品質と技術力が魅力です。特に本体が軽量に作られているモデルが多く、高齢の方や女性でも比較的容易に取り付け作業ができる点が評価されています。
パナソニックの12畳タイプ
リビングルームや広いダイニングなど、10畳を超える大部屋に対応する12畳タイプのシーリングライトにおいても、国内最大手メーカーであるパナソニックの製品は有力な選択肢となります。
例えば、「HH-CD0817D」(生産状況により後継機や類似モデルが存在します)のようなプルスイッチ付きモデル。

これらパナソニック製品の特色として、独自の「文字くっきり光」機能を搭載している点が挙げられます。これは、色温度(光の色)と明るさを調整することで、紙の白と文字の黒のコントラスト感を高め、新聞や雑誌の小さな文字も読みやすくする機能です。読書や勉強、手芸など、手元での細かい作業が多い部屋に適しています。
ただし、パナソニック製のシーリングライトでプルスイッチ(引き紐)が付いているモデルは、リモコン操作には対応していない「プルスイッチ専用機」であることが多いため、注意が必要です。
パナソニック製プルスイッチ専用機に関する注意点
パナソニックのQ&A情報などによれば、プルスイッチ付のシーリングライトは、基本的にリモコンでの操作はできない仕様となっているものが多いです。
【シーリングライト】プルスイッチ付(引き紐でスイッチ操作)の商品は、リモコンで操作できますか
リモコンでは操作できません。
パナソニックQ&A
これは、操作の確実性を求める公共施設、高齢者向け住宅、あるいは「リモコンは不要」と考える層からの根強い需要に応えるためと考えられます。
購入前には必ず仕様表をよく確認し、操作方法が「プルスイッチ付【全灯→段調光→常夜灯→滅】」などのように記載されているか、リモコンが付属しているかを確認することが大切です。
和室に合うアイリスオーヤマ製品
畳のある和室には、洋室向けのモダンなシーリングライトよりも、空間の雰囲気に調和するデザインの照明が求められます。アイリスオーヤマからは、こうしたニーズに応える「和風LEDペンダントライト」が豊富にラインナップされています。
例えば「PL12D-J2」のようなモデルは、伝統的な和紙を思わせる質感のシェードや、木目調の枠デザインを採用しており、和室の落ち着いた空間に美しく溶け込みます。

これらの和風ペンダントライトの多くは、前述の「プルスイッチとリモコンの両方」を搭載している点が大きな特徴です。和室で布団を敷いて寝る場合、就寝時には手元のリモコンで消灯し、日中や来客時には部屋の入口で紐を引いて点灯させる、といった便利な使い分けが可能です。
また、多くのモデルが「コード調節機能」を備えており、天井の高さや部屋の雰囲気(例:座卓中心か、テーブル中心か)に合わせて、ペンダントライトを吊り下げる高さを簡単に調整できる利便性も持っています。工事不要で取り付けも簡単なため、既存の和室照明(古い蛍光灯など)からの交換にも最適です。
ニトリで買える紐付き照明
ニトリでも手頃な価格でデザイン性の高い紐付き照明器具が取り扱われています。ニトリのラインナップでは、特に天井から吊り下げるペンダントライトにおいて、プルスイッチ式のモデルがいくつかあります。
1灯タイプのシンプルなものから、2~3灯が連なった多灯タイプまであり、ダイニングテーブルの上やキッチンカウンターの手元灯として活用しやすい製品が見つかります。デザインもシンプルモダン、ナチュラル、ヴィンテージ風など多岐にわたり、部屋のテイストに合わせて選べます。価格帯も非常に手頃なため、コストを抑えながらおしゃれな空間を演出したい場合に最適の選択肢となります。
例えば、ダイニングテーブルの上に、あえて異なる色や形の小型ペンダントライトを複数並べて吊り下げ、それぞれを紐スイッチで個別に操作するといった、デザイン性の高い使い方も可能です。
また、ペンダントライト以外にも、和室向けのシーリングライトや、デザイン性の高いスポットライトタイプのシーリングライトにも紐付きのモデルが用意されている場合があります。ニトリの強みは、全国の店舗で実物を確認できる点や、オンラインストアでのレビューが豊富な点です。最新のデザインや機能、人気ランキングを参考にしながら、自分の部屋に合う一台を探してみることをおすすめします。