こんにちは。照明セレクション、運営者の「ミト」です。
北欧デザインが人気のIKEAのライトですが、いざ買ってみるとIKEAの照明が取り付けられないという現実に直面することがあります。特に日本の賃貸では付けられないモデルも多く、無理に設置しようとするとカバーが浮くことや、天井との間に不自然な隙間ができてしまうことも珍しくありません。
お店でおしゃれな展示を見て購入したものの、説明書を読んで初めてビスなしでは固定できないタイプだと気づいて困るケースも多いですよね。
この記事では、そんな悩みを解決するための具体的な方法や、日本の住宅インフラに合わせた設置の工夫を詳しくご紹介します。
IKEA照明が取り付けられない主な原因と日本の規格

憧れの北欧インテリアを実現するためにIKEAの照明を選んだのに、なぜ日本の家ではスムーズにいかないのでしょうか。その理由は、スウェーデン発のグローバルな設計思想と、日本独自の「引掛シーリング」という規格の間に大きなギャップがあるからです。
まずは、なぜ「物理的に無理」という状況が生まれるのか、そのメカニズムを紐解いていきましょう。
引掛シーリングの種類により発生する接続の不具合
日本の住宅の天井には、照明をカチッと取り付けるための「引掛シーリング」や「ローゼット」が設置されています。これらは日本産業規格(JIS)に基づいて作られており、誰でも安全に交換できる素晴らしい仕組みですが、実はIKEAの照明の多くはこの「日本の便利すぎる規格」を想定せずにデザインされています。
ヨーロッパなどの海外では、天井から出ている電線を直接つなぐ「直結式」や、天井の梁に太いビスを打ち込む方式が主流だからです。

日本で一般的に普及している配線器具は大きく分けて5種類ほどありますが、それぞれの直径や厚みが、IKEAの照明に付属している「シーリングカップ(天井を隠すカバー)」と干渉してしまいます。
例えば、最もポピュラーな丸型引掛シーリングは厚みが22mm以上ありますが、IKEAのカップは非常に浅く作られていることが多いため、器具自体の厚みが邪魔をして、カップが天井にぴったりくっつかないという現象が起こります。逆に、埋込ローゼットのように極端に薄い器具の場合、今度はIKEA側のアダプターが奥まで届かずにグラグラしてしまうこともあるんです。
日本の主な配線器具とIKEA設置時のリスク一覧
| 配線器具の名称 | 直径(目安) | 厚み(目安) | 発生しやすいトラブル |
|---|---|---|---|
| 丸型引掛シーリング | 約51mm | 22〜28mm | 厚みのせいでカップが底付きし、隙間ができる |
| 角型引掛シーリング | 約47×47mm | 22〜28mm | 角がカップ内部に当たり、 綺麗に収まらない |
| 埋込ローゼット | 約100mm | 約11mm | 薄すぎてアダプターのロックがかかりにくい |
| フル引掛ローゼット | 約105mm | 22mm | 径が大きすぎてIKEAのカップに入りきらない |
このように、日本の配線器具は種類によって形状がバラバラです。特にパナソニック製の器具が国内シェアの大半を占めていますが、これらに適合するかどうかを購入前に確認することが、失敗を防ぐ最大のポイントになります。(出典:パナソニック株式会社『引掛シーリング・ローゼットの取り付け方法と種類』)
私自身、何度もIKEAの店舗に足を運んで照明を見てきましたが、店頭の展示は専用の什器に付けられているので、実際の家の器具に合うかどうかは判断が難しいんですよね。もし自分の家の天井にある器具が「フル引掛ローゼット」などの大型タイプなら、IKEAの小ぶりなカップでは隠しきれない可能性が高いことを覚えておきましょう。
賃貸住宅でビスなし設置ができない場合の具体的対策
IKEAの天井付け照明、特にスポットライト型の「TROSS」や「SOLKLINT」などは、天井に直接金属のプレートをビスで留める構造になっています。しかし、日本の賃貸住宅において天井にネジ穴を開けることは、退去時の「原状回復」の問題に直結しますよね。国土交通省のガイドラインでも、借主による故意の穴あけは修繕費用の負担対象となる可能性が高いとされています。
原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義し、その費用は賃借人負担としました。
国土交通省より引用
そこで、「ビスなし」で設置するための代わりのアイデアとして有効なのが、石膏ボード専用のピンフックを活用する方法です。

これは、画鋲よりもさらに細い数本のピンを斜めに打ち込むことで、耐荷重を確保しつつ、抜いた後の穴をほとんど目立たせないという画期的なアイテムです。具体的には、「マジッククロス8」や「Jフック」といった製品が有名ですね。
賃貸での注意点
IKEAの照明自体の重量を、引掛シーリングのプラスチック部分だけで支えるのは危険な場合があります。特に3kgを超えるような照明を「ビスなし」で設置しようとする場合は、必ず別の場所で荷重を逃がす必要があります。無理にアダプターだけで固定すると、地震の際に器具ごと脱落して大惨事になりかねません。
私がよくやるのは、電気の接続は引掛シーリングに行いつつ、器具本体の重さは天井の丈夫な場所に刺したピンフックから吊るしたワイヤーやチェーンで支えるという「ハイブリッド設置」です。
これなら、天井に大きな傷をつけずに、おしゃれなIKEAライトを楽しむことができます。もちろん、正確な情報は管理会社や公式サイトをご確認くださいね。もっと詳しく賃貸での照明の楽しみ方を知りたい方は、こちらのシーリングライトをやめて間接照明だけで過ごすコツという記事も参考にしてみてください。
埋込ローゼットの厚みが原因でカバーが浮く時の対処
マンションなどでよく見かける「埋込ローゼット」は、天井からわずか1cm程度しか出っ張っていないスマートな器具です。しかし、この「薄さ」こそがIKEA照明にとっては強敵になります。
IKEAのペンダントライトなどに付属しているアダプターは、2cm以上の厚みがある一般的なシーリングを想定していることが多く、薄い埋込ローゼットに差し込んでも、カチッとロックされる前にアダプターと天井の間に大きな「遊び」ができてしまうんです。
その結果、照明がグラグラして安定しなかったり、天井を隠すためのプラスチック製のシーリングカップをいくら上に押し上げても、「中にあるアダプターの厚みが足りないせいでカップが固定されず、だらんと下がってきてしまう」という状況に陥ります。これが、検索ワードでも多い「カバーが浮く」現象の正体の一つです。
高さを補う「引掛シーリング増改アダプタ」の活用
この厚み不足を解消するために便利なのが、ホームセンターの電材コーナーにある「引掛シーリング増改アダプタ」です。これを埋込ローゼットに一度装着することで、意図的に「厚み」を作り出し、IKEAのアダプターがしっかりと噛み合う高さを確保できます。
ただし、これを足すことで今度は逆に「出っ張りすぎてカップに入らない」という別の問題が発生することもあります。本当に、日本の天井とIKEAのデザインを両立させるのは至難の業ですが、1mm単位の隙間にこだわるのがインテリアの楽しさでもありますよね。
フル引掛ローゼットの径が合わず隙間ができる理由
「フル引掛ローゼット」は、両サイドに金属製のハンガー(耳)が付いているのが特徴で、10kgまでの重い照明を支えられる頼もしい存在です。しかし、その分サイズが大きく、直径は約105mmもあります。一方で、IKEAのペンダントライトなどに付いているシーリングカップは、デザイン性を重視して直径が100mm以下のものも少なくありません。
つまり、「カップの口よりも、天井の器具のほうがデカい」という物理的な限界にぶつかるわけです。無理にカップを被せようとしても、中の金属製の耳が当たってしまい、天井までカップが届きません。
その結果、横から見ると中の配線や金属パーツが丸見えになってしまい、「隙間」ができてカッコ悪い仕上がりになってしまいます。これが、IKEAの照明が「取り付けられない」と言われる理由の一つです。
解決のヒント
この場合、カップ自体をハサミやカッターで加工して広げようとする方もいますが、素材が割れやすいのでおすすめしません。むしろ、最初から大きめのカップが採用されているモデルを選ぶか、後で紹介する「ダクトレール」を間に挟んで、レール側で規格の差を吸収させてしまうのが一番スマートな解決策だと思います。

もし、すでに購入してしまってどうしてもこの大きなローゼットを隠したいという場合は、市販の「シーリングカバー単品」で直径が大きいものを探し、IKEAの純正品と交換するという高度なカスタマイズが必要になるかもしれません。
私もかつて、お気に入りのライトを付けるためにカップを3つ買い直した経験がありますが、最終的には自分の家の器具のサイズを測るのが一番の近道だと痛感しました。
重量のある重い照明を安全に固定するバイパス工法
IKEAには、ガラスのシェードを何枚も使った豪華なシャンデリアや、金属製の大きなペンダントライトなど、見栄えのする重い照明がたくさんありますよね。
これらを日本の一般的な引掛シーリング(耐荷重5kg)に吊るすのは、正直言って少し怖いです。特に「MASKROS」のような巨大なペンダントや、多灯式のライトは、見た目以上に重量があります。
そこで私が推奨しているのが、電気的な接続と荷重の保持を分離させる「バイパス工法」です。

やり方はシンプルで、まず電気は普通に引掛シーリングから取ります。そして、照明器具自体の荷重は、シーリングの隣に打ち込んだ「強力な天井フック」にワイヤーやチェーンを引っ掛けて支えるのです。これにより、引掛シーリングにかかる負担をゼロに近づけることができ、落下の不安を劇的に減らすことができます。
さらにこの方法には、「照明の位置を自由に動かせる」という隠れたメリットもあります。日本のリビングは、なぜか部屋のど真ん中にしか電源がないことが多いですが、このバイパス工法を使えば、ダイニングテーブルの真上に照明を移動させることも簡単です。
安全性を高めつつ、理想のレイアウトも手に入る、まさに一石二鳥のテクニックですね。もちろん、フックの耐荷重選びは慎重に行ってください。不安な場合は、必ず専門の業者さんに相談するようにしましょう。安全第一が、長く楽しむための鉄則です。
IKEA照明が取り付けられない状況を打破する解決策

物理的な規格の壁を理解したところで、ここからは「どうすれば美しく、そして快適にIKEAの照明を使いこなせるか」という具体的な解決アイデアを紹介していきます。諦めるのはまだ早いですよ。ちょっとした工夫で、お部屋の雰囲気は劇的に変わります。
天井との隙間をスポンジで埋めて美しく仕上げる方法
IKEAのペンダントライトを設置したとき、多くの人を悩ませるのが「天井とカップの間の不自然な隙間」です。これは、IKEAの製品が「長すぎるコードをカップの中に丸めて収納する」という設計になっているために起こります。日本の天井は海外に比べて低いことが多いため、コードを大幅に短縮して余った分を無理やりカップに詰め込むことになり、そのコードの跳ね返る力がカップを押し下げてしまうんです。

nao8142025年2月9日 0:07完成しました♡ コードの長さがなかなか一発で決められず💦 組み立ては15分くらいで出来たのに、思いがけず時間がかかってしまいました。 2枚目、カップを天井に押し当てたものの隙間が💧 コードをカップに数回しまい直してもう一度。 1枚目のPic→カップと天井の隙間がほぼなくなりスッキリしました🙌
Roomclipより引用
この問題を一気に解決してくれる救世主が、なんと「スポンジ」です!IKEAで安く売られている掃除用スポンジ「PEPPRIG(ペップリグ)」や、100円ショップのメラミンスポンジを使います。
カップの大きさに合わせて円形にカットしたスポンジを、コードを通してカップの最上部に詰め込むことで、スポンジの弾力がカップを天井にピタッと押し付けてくれるんです。これにより、コードの反発に負けず、見た目もスッキリと美しく仕上がります。
スポンジハックの手順
- スポンジをシーリングカップの直径より少し大きめにカットする。
- 中央にコードを通すための切れ込みを入れ、コードを挟み込む。
- カップを天井に押し上げる際、スポンジが天井とカップの間で「詰め物」になるように調整する。
- 必要であれば、結束バンドでコードを固定してからスポンジを被せると安定感が増します。
この方法は、見た目だけでなく、カップがグラグラするのを抑える効果もあるので本当に実用的です。隙間からスポンジが見えてしまうのが心配な方は、白いスポンジを使えば天井の色と馴染んでほとんど気になりませんよ。さらに詳しい手順やコツについては、こちらのIKEAの照明カップが浮く問題の解決策でも画像付きで紹介しているので、ぜひ併読してみてください。
マグネット固定のリスクと賃貸可能なコードの調整
「天井に穴を開けたくないし、フックも難しそう……そうだ、強力なマグネットでくっつければいいんだ!」と閃く方もいるかもしれません。実際にIKEAでも「HUNDKOJA(フンドコヤ)」といったマグネット式のパーツが販売されていますが、これには重大な落とし穴があります。これらの多くは、非常に軽量な装飾品を吊るすためのもので、メインの照明器具を支える力はありません。
製品仕様をよく見ると、耐荷重が「0.5kg」程度だったりすることが多いんです。照明器具は電球だけでも100g以上、シェードを含めれば数kgになるのが当たり前ですから、マグネットに頼るのは極めて危険です。特に、垂直方向に引っ張られる力には強くても、横からの振動や地震の揺れにはめっぽう弱いため、ある日突然ドスンと落ちてくる可能性があります。
賃貸でコードの長さを調整したり、位置を少し変えたい場合は、マグネットではなく、やはり「コードクリップ」や「アジャスター」を使い、固定には跡が残りにくい極細ピンのフックを使いましょう。
安全性を犠牲にして手軽さを取ると、あとで高い修繕費を払うことになりかねませんからね。私も「これくらい大丈夫かな?」と過信して失敗したことがあるので、皆さんにはぜひ慎重になってほしいなと思います。
壁スイッチがない場所はスマート電球で操作を補う
古いお家や和室をリノベーションしている方に多い悩みが、「天井に電源はあるけれど、壁にスイッチがない」という問題です。昔の和室などは照明についている「引き紐(プルスイッチ)」でON/OFFするのが前提でしたが、IKEAのモダンな照明にはそんな紐は付いていません。そのまま取り付けると、ブレーカーを落とさない限り永遠に点きっぱなし、というシュールな状況になってしまいます。
これを一発で解決するのが、IKEAのスマート照明シリーズ「TRÅDFRI(トロードフリ)」です。

電球自体をスマート電球に変えるだけで、付属のリモコンや専用アプリから、どこにいてもライトの操作ができるようになります。これなら、壁スイッチがない部屋でも全く不便を感じませんし、むしろ「調光(明るさ調整)」や「調色(色の変更)」までできるようになるので、生活の質がぐんと上がりますよ。
ミトの体験談
私の寝室も壁スイッチが遠くて不便だったのですが、トロードフリを導入してから、布団に入ったままリモコンで消灯できるようになって本当に感動しました。壁を壊して電気工事をするとなれば数万円かかりますが、電球を変えるだけなら数千円。
コストパフォーマンス最強の解決策です。使い勝手をもっと詳しく知りたい方は、こちらのIKEAのスマート照明トロードフリの使い方を読んでみてください。
ダクトレールを導入してビスなしで位置を自由にする
「どうしても今の配線器具にIKEAの照明が物理的に付かない!」という場合の最終兵器であり、私が最もおすすめしたいのが「簡易取付式ダクトレール(ライティングレール)」の導入です。これは、今の引掛シーリングにカチッと差し込むだけで、1メートルほどの「電気の通るレール」を天井に設置できるアイテムです。

このレールのすごいところは、レールの範囲内であれば好きな場所に、好きな数だけ照明を付けられる点です。IKEAのペンダントライトも、専用の「ダクトレール用プラグ」を間に挟めば、レールのどこにでも取り付け可能になります。また、レール自体が引掛シーリングを覆い隠すようなデザインになっているものが多いので、規格の違いによる「隙間」や「浮き」の問題も、レールの存在そのものがカモフラージュしてくれます。
多くの簡易取付式レールは、天井にビスを打たずに固定できるよう、四隅をボルトで突っ張る仕組みになっています。これなら賃貸でも安心して導入できますよね。複数のペンダントライトを並べてカフェのような雰囲気にしたり、スポットライトで壁の絵を照らしたりと、IKEA照明の魅力を最大限に引き出せるはずです。レールの耐荷重(一般的に5kg〜10kg程度)だけは事前に確認し、重い照明を集中させすぎないように気をつけましょう。
安全への最終確認
ここまで様々なハックを紹介してきましたが、電気の扱いは一歩間違えると重大な事故に繋がります。配線コードを無理に折り曲げたり、被覆を傷つけたりするのは絶対にNGです。また、海外製品の改造などはPSE(電気用品安全法)の保証外になるリスクもあります。少しでも「これ、大丈夫かな?」と不安に思ったら、無理をせず電気工事士などの専門家に相談することをお勧めします。正確な取り付け方法は、必ずIKEA公式サイトの製品ページにあるPDFマニュアルを隅々までチェックしてくださいね。
IKEA照明が取り付けられない問題を解消するまとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。今回はIKEAの照明が取り付けられないという、インテリア好きなら一度は通る「あるある」な悩みについて、私なりの解決策を全力でまとめてみました。日本の住宅規格とIKEAの北欧デザインの相性は、確かに手放しで「最高!」と言えるものではないかもしれません。でも、だからこそ工夫のしがいがあるんですよね。
引掛シーリングの厚みをアダプタで調整したり、カップの隙間をスポンジで埋めたり、スマート電球で操作性を高めたり。そんなちょっとしたDIY精神があれば、どんなお部屋でもIKEAの素敵な光を灯すことは可能です。この記事が、皆さんの「取り付けられない!」という絶望を「これならできそう!」という希望に変えるきっかけになれば嬉しいです。
