こんにちは。照明セレクション、運営者の「ミト」です。
20系アルファードやヴェルファイアに乗っていて、純正のオレンジがかった間接照明を古臭いと感じることはありませんか。高級感あるミニバンだからこそ、もっと今風のクリアな白やクールなブルーに色変えして、自分だけの空間を演出したいですよね。
実はこの天井照明、簡単なカラーフィルムの貼り付けから、本格的なLED打ち替えまで、予算やスキルに合わせていくつかの方法でカスタム可能です。
また、走行中に消えてしまう仕様を常時点灯化する方法や、パネルを外す際の注意点など、実際に作業する前に知っておくべき情報はたくさんあります。今回は、20系アルファードの間接照明カスタムに関する情報を整理し、理想の車内を作るためのヒントをお届けします。
20系アルファードの間接照明を色変えする推奨手法

20系アルファードのルーフイルミネーションは、近年の車のようなLEDテープ式ではなく、光源からアクリル棒に光を通す「エッジライト方式」が採用されています。そのため、光源部分さえ攻略できれば、ライン全体の色を変えることが可能です。
ここでは、初心者向けのフィルム施工から、プロ並みの仕上がりを目指すLED打ち替えまで、具体的な手法をご紹介します。
100均フィルムで安く色を変える手順
電気の配線やはんだ付けといった専門的な作業が苦手な方でも、最も手軽に、かつ低予算でチャレンジできるのが「カラーフィルム」を使った色変え方法です。「車のライトの色を変えるのに、そんなアナログな方法でいいの?」と思われるかもしれませんが、実は純正のLEDユニットの構造自体がそうなっているのです。
純正のユニット内部には、元々「白色のLED」が実装されています。その発光面の前に「オレンジ色のフィルム」を貼り付けることで、あの独特な温かみのあるアンバー色(電球色)を作り出しています。
つまり、メーカーが行っていることと同じ原理を利用し、このフィルター部分を自分の好きな色に交換してしまえば、簡単に色変えが完了するというわけです。
材料は身近な100円ショップで揃う
専用の工具や高価なパーツは必要ありません。材料は近所の100円ショップや文房具店で簡単に入手できます。代用品として優秀なのが以下のアイテムです。
- カラーセロファン: 最も安価ですが、薄くて破れやすいのが難点です。
- カラー下敷き(透明タイプ): 厚みがあり扱いやすいですが、加工にはカッターが必要です。
- クリアファイル(カラータイプ): 適度な厚みと透明度があり、ハサミで簡単に切れるため、個人的には最もおすすめです。
失敗しないための「重ね貼り」テクニック
特に人気のある「ブルー」に色変えしたい場合は、少しコツが必要です。青色のフィルムは、赤や黄色に比べて光の透過率が低い傾向にあります。
そのため、フィルムを1枚貼っただけだと、純正の白色LEDの光が勝ちすぎてしまい、色が薄く白っぽい、なんとも締まりのない水色になってしまうことが多いのです。
そこでおすすめなのが、フィルムの2枚重ねです。
同じ青色のフィルムを2枚重ねて貼り付けることで、光量は多少落ちますが、深みのある濃いブルーを表現できるようになります。逆に「ホワイト」にしたい場合は、純正のオレンジフィルムを剥がすだけでOKです。これだけで、驚くほどクリアで古さを感じさせない純白の光を手に入れることができます。
フィルム施工の重要ポイント
フィルムをカットするサイズは、純正フィルムと同じ約1cm角程度が目安です。貼り付ける際は、熱で糊が溶け出さないよう、耐熱性のある両面テープを使用するか、あるいはテープを使わずにユニットのケースで挟み込んで固定する方法も有効です。青色にするなら迷わず2枚重ねを試してみてください。
破損注意!天井パネルの外し方とコツ
フィルム交換であれ、LED打ち替えであれ、どの手法を選ぶにしても避けて通れないのが、天井に長く伸びる「ルーフイルミネーションパネル」の取り外し作業です。DIY初心者の方にとって、ここが最大の難関であり、最も勇気が必要な工程と言っても過言ではありません。
20系アルファードやヴェルファイアは、製造から10年以上経過している個体が多くなっています。そのため、内装のプラスチック部品(クリップや爪)が経年劣化で硬化してもろくなっている可能性が高いのです。
無理な角度でこじったり、力任せに引っ張ったりすると、爪が根元から折れてしまい、パネルが浮いてしまう原因になります。
冬場の作業は要注意!まずは車内を温める
プロのインストーラーでも、冬場のプラスチックパーツの取り外しは神経を使います。低温下では樹脂が硬くなり、破損リスクが跳ね上がるからです。
もし冬に作業を行う場合は、作業開始の30分ほど前からエンジンの暖房を最大にして、車内全体、特に天井付近を十分に温めてから作業を開始することを強くお勧めします。
具体的な取り外し手順
パネルの外し方自体はシンプルです。ネジなどは使われておらず、全てクリップ(嵌合)で止まっているだけです。
手順としては、照明パネルと天井の内張り(ライニング)の隙間に指をグッと入れ込みます。指が入らない場合は、プラスチック製の内張り剥がしを使用してください。そこから「真下」に向かって勢いよく引っ張ります。
この時、「バキバキッ!!」という、まるで何かを破壊してしまったかのような盛大な音が鳴り響きますが、これはクリップが外れる音ですので、恐れずに作業を進めてください。一度勇気を出して一箇所外れれば、あとは順番に引っ張っていくだけです。
ユニット分解時の「最後の難関」
パネルが外れると、アクリル棒の端部に黒いLEDユニットボックスが見えます。これを分解して中の基板やフィルムにアクセスするのですが、このユニットのカバーを固定している3箇所の爪のうち、下側の爪が非常に外しにくい構造になっています。
ここで焦って力任せにマイナスドライバーを突っ込むと、繊細なアクリル棒の根元を破損させてしまいます。アクリル棒の根元が欠けると、光が正常に入射しなくなり、ライン全体が光らなくなるという取り返しのつかない事態になります。精密ドライバーを使い、爪を少しずつ「逃がす」ような感覚で、慎重に作業してください。
LED打ち替えで明るいアイスブルーにする
「フィルム交換ではどうしても光量が物足りない」「30系アルファードのような、透き通るようなアイスブルーにしたい」というこだわり派のあなたには、基板上のLEDチップそのものを交換する「打ち替え」がベストな選択肢です。
これにははんだごてを使った電子工作のスキルが必要になりますが、仕上がりのクオリティはフィルム交換とは比較にならないほど高くなります。
使用するLEDの規格と選び方
20系アルファードの間接照明基板に使用されている純正LEDは、一般的に「3528サイズ(3.5mm x 2.8mm)」の表面実装型LED(SMD)です。交換用LEDを購入する際は、このサイズを指定して探してください。
最近のトレンドカラーは、やはり「アイスブルー(シアン)」です。純正のアンバー色からアイスブルーに変更するだけで、車内の雰囲気が一気に10年分若返ったような、近未来的で高級感のある空間に生まれ変わります。また、メーターパネルやエアコンパネルの色に合わせて「純白(ホワイト 6000K)」にするのも、統一感が出て非常にスタイリッシュです。
作業に必要な道具と手順
打ち替え作業には以下の道具が必要です。
- はんだごて: 20W〜30W程度のもの。温度調節機能付きだと基板を痛めにくいので推奨します。
- はんだ吸い取り線: 古いハンダを除去するために必須です。
- 精密ピンセット: 小さなチップLEDをつまむために使います。
- 交換用LEDチップ: 失敗を見越して、必要数より多めに購入しておきましょう。
手順としては、まずユニットから緑色の基板を取り出します。はんだごてを使って純正のLEDを取り外すのですが、この時、左右の電極を交互に素早く加熱するか、2本のコテを使って同時に加熱するとスムーズに外れます。長時間熱を加え続けると、基板の銅箔(ランド)が剥がれてしまうので注意が必要です。
明るすぎる場合の対処法
最近販売されている高輝度LEDは、純正LEDに比べて発光効率が非常に良く、そのまま交換すると「明るすぎて眩しい」「夜間の運転に支障が出る」というケースが多々あります。
その場合、上級者であれば基板上にある「チップ抵抗(電流制限抵抗)」を値の大きいものに打ち替えて電流を絞るか、あるいはあえて光度の低いLEDを選ぶなどの工夫が必要です。簡単な方法としては、LEDの上に薄い拡散シートやメンディングテープを貼って減光するというアナログな手法もあります。
専用キットなら常時点灯化も同時に可能
色変えと同時に、多くの20系アルファードオーナーさんが不満に感じているのが、「走行中に間接照明が消えてしまう(または減光してしまう)」という純正の制御仕様です。トヨタの設計思想としては、夜間の視認性を確保するための安全配慮なのですが、せっかく綺麗に色を変えたのに、走り出すと消えてしまってはドライブ中に楽しむことができません。
この悩みを解決するのが、CEP(コムエンタープライズ)などの電装品メーカーから発売されている「ルーフイルミネーションコントローラ」などの専用キットです。

色変えのためにパネルを外すついでに、このキットも導入してしまうのが作業効率的にも非常におすすめです。
キット導入のメリット
このキットを導入することで、主に以下の機能が手に入ります。
- 常時点灯化: エンジンをかけている間、常に設定した明るさでイルミネーションを点灯させ続けることができます。
- じわっと点灯・消灯: 純正のような高級感のあるフェードイン・フェードアウト機能を維持、あるいは強化できます。
- イベントモード: 製品によっては、蛍のように明滅したり、ランダムに光ったりする遊び心のあるモードが搭載されていることもあります。
取り付け作業の概要
多くのキットは、リアエアコンパネル(天井後部にある操作パネル)の裏側にあるコネクタに割り込ませる形で取り付けます。配線を一本一本切って繋ぐ必要がない「カプラーオン」タイプも存在しますが、一部配線処理(エレクトロタップ等での分岐)が必要な場合もあります。
また、重要な機能として「純正復帰モード」があります。これは、スイッチ操作一つでキットの機能を無効化し、完全な純正状態に戻す機能です。ディーラーへの入庫や車検の際、万が一指摘された場合にすぐにノーマルに戻せるため、安心してカスタムを楽しむことができます。
フィルムとLED打ち替えの比較と選び方
ここまで紹介した「フィルム交換法」と「LED打ち替え法」。結局、自分にはどちらが合っているのか迷っている方もいるでしょう。それぞれの特徴、メリット、デメリットを詳細な表で比較してみましょう。
| 比較項目 | フィルム交換法 | LED打ち替え法 |
|---|---|---|
| コスト | 数百円〜(激安) 100均素材で完結可能 | 数千円〜 LED代+工具代(はんだごて等) |
| 技術的難易度 | 初級 パネル分解ができれば誰でも可能 | 上級 電子工作・はんだ付けの経験が必須 |
| 光量(明るさ) | 純正同等かやや暗い フィルムを通す分、減衰する | 圧倒的に明るい 高輝度チップで直視できないほどにも |
| 色の自由度 | 限定的 フィルムの色味に依存する | 無限大 チップの色温度や波長を選べる |
| おすすめな人 | DIY初心者、安く済ませたい人、失敗が怖い人 | プロ並みの仕上がりを求める人、明るさ重視の人 |
私個人の推奨ルートとしては、まずはリスクの少ない「フィルム交換」から試してみることです。
材料費も安いですし、万が一失敗してもフィルムを剥がせば元通りです。そこで「やっぱり明るさが足りないな」と感じたら、次のステップとしてLED打ち替えに挑戦するのが、最も無駄のないスマートな方法かなと思います。
20系アルファードにおける間接照明の色変えと車検の注意点

車をカスタムする際に、オーナー様が最も心配されるのが「これで車検に通るのか?」という点でしょう。
せっかく苦労してカッコよく仕上げたのに、車検のたびにノーマルに戻す作業が発生するのは避けたいですし、何より違法改造車として扱われるのはプライドが許さないはずです。ここでは、法的な観点に基づいた安全なカスタムの境界線について解説します。
車検対応に必須のスイッチと明るさ基準
まず結論から申し上げますと、間接照明の色を変えること自体は、直ちに違法となるわけではありません。道路運送車両法の保安基準において、室内照明に関する規制は、ヘッドライトやテールランプほど厳格ではありません。
しかし、絶対に守らなければならないルールがあります。それは「運転者の視界を妨げないこと」と「他車に誤認を与えないこと」です。国土交通省が定める保安基準には、以下のような規定に関連する項目があります。
その他の灯火等の制限(第62条)
...交通の妨げとなるおそれのある灯火として、赤色の灯火、点滅する灯火などを備えてはならない...
(出典:国土交通省『道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第62条』)
具体的なNG事例と対策
- 窓ガラスへの映り込み: 夜間、車内が明るすぎてフロントガラスやサイドガラスに照明が映り込み、外の歩行者や信号が見えにくくなる状態は、「安全な運転操作を妨げる」として不適合になります。
- 赤色の照明: 後続車がテールランプやブレーキランプと誤認する恐れがあるため、窓越しに外から見える位置に赤色の光がある場合、指摘される可能性が高いです。
- 激しい点滅: イベントモードなどで激しく点滅する機能は、走行中は絶対に使用してはいけません。
これらのリスクを回避し、確実に車検をパスするための最強の対策は、「検査時にすぐにOFFにできるスイッチ」を設けておくことです。
または、前述のCEP製キットのように、純正のルームランプスイッチ操作で機能を無効化できる「純正復帰モード」を活用しましょう。検査官に指摘されたとしても、「走行中は消灯します」とその場で消すことができれば、問題になることはほとんどありません。
イルミネーション電源配線の安全な取り方
キットを使わず、自分で配線を加工して常時点灯化を行う場合、電源の取り出し場所と配線ルートの選定が非常に重要になります。これを間違えると、車両火災や事故時の重大な怪我に繋がるリスクがあります。
電源は「CIG」ヒューズから取るのが鉄則
電源は、運転席または助手席の足元にあるヒューズボックスから取ります。20系アルファードには「低背(ていはい)ヒューズ」という小型のヒューズが採用されています。
おすすめの電源取得場所は「ACC(アクセサリー)電源」、具体的には「CIG(シガーソケット)15A」のヒューズです。万が一作業ミスでショートさせてヒューズを飛ばしてしまっても、シガーソケットが使えなくなるだけで済み、エンジンやブレーキなどの走行に不可欠な重要システムには影響を与えないため、比較的安全だからです。
【重要】Bピラーとカーテンエアバッグの関係
ダッシュボード下から取った電源を天井まで持っていく際、通常はBピラー(運転席と後部座席の間にある柱)の内部を通します。しかし、ここにはカーテンエアバッグの火薬ユニットと展開部が格納されています。
命に関わる配線の通し方
絶対にやってはいけないのが、配線をエアバッグの手前(室内側)に通してしまうことです。もしこの状態で事故が起き、エアバッグが展開すると、配線がエアバッグの膨らみを阻害して乗員を守れなかったり、あるいは切れた配線がムチのように乗員の顔面を強打したりする恐れがあります。
配線を通す際は、必ずウェザーストリップ(ゴムパッキン)を外し、エアバッグユニットの「裏側(ボディ鉄板側)」に配線を回し込み、既存の純正配線と一緒に結束バンドでしっかりと固定してください。ここは手を抜いてはいけない最重要ポイントです。
点灯しない時のトラブルシューティング
「苦労して作業を終え、いざスイッチオン!……あれ、光らない?」
DIYにトラブルはつきものです。焦る必要はありません。点灯しない場合に考えられる原因の9割は、以下の3つのどれかです。
1. LEDの極性(プラスマイナス)の間違い
LEDには電気の流れる向き(極性)があります。特にLED打ち替えを行った場合、チップの向きを逆に取り付けていないか確認してください。フィルム交換の場合でも、ユニットを戻す際にコネクタが半挿しになっていないか、もう一度確認しましょう。
2. イモはんだ(接触不良)
はんだ付けをした部分が、見た目はくっついているように見えても、実際には電気的に繋がっていない「イモはんだ」状態になっていることがあります。テスターを使って導通を確認するか、もう一度はんだごてを当てて、はんだを溶かし直す(リフローする)ことで改善することが多いです。
3. ヒューズ切れ
配線作業中に、プラスの線がボディの金属部分(アース)に一瞬でも触れると、ショートしてヒューズが切れます。電装品が動かないだけでなく、シガーソケットなども使えなくなっている場合は、ヒューズボックスを確認し、切れているヒューズを新しいものに交換してください。
20系ヴェルファイアも共通の手順で対応
ここまで「20系アルファード」を主語に解説してきましたが、兄弟車である「20系ヴェルファイア」にお乗りの方もご安心ください。アルファードとヴェルファイアは、外装のデザインこそ異なりますが、内装の基本構造、電気配線、コネクタ形状などは完全に共通です。
したがって、この記事で紹介したパネルの外し方、LEDのサイズ、配線の色などは、そのままヴェルファイアにも適用可能です。ヴェルファイアオーナーの方々の間では、より個性を強調するために、紫(パープル)やピンクといった妖艶な色にカスタムされる例も多く見られます。
基本構造が同じだからこそ、アルファードの情報を参考にしながら、ヴェルファイアらしい独自の世界観を追求できるのも、この兄弟車の大きな魅力の一つと言えるでしょう。
【まとめ】20系アルファードの間接照明を色変えして理想の車内へ
20系アルファード・ヴェルファイアの間接照明色変えは、単なるドレスアップ以上に、オーナーの所有満足度を劇的に向上させるカスタムです。純正のアンバー色も落ち着きがあって良いものですが、自分の好みの色、例えばクールなアイスブルーや清潔感のあるホワイトに包まれた空間でのナイトドライブは、これまでとは違った特別な高揚感を与えてくれます。
フィルム交換なら数百円という低コストから始められますし、より本格的なLED打ち替えなら、最新の高級車にも負けない輝きを手に入れることができます。ただし、プラスチック部品の劣化による破損リスクや、エアバッグ周辺の配線処理など、安全に関わるポイントはしっかりと押さえて作業することが大切です。
ぜひ、ご自身のスキルと予算に合った方法を選んで、安全にDIYを楽しんでみてください。この記事が、あなたの愛車を「理想の移動空間」へと進化させる一助になれば、これほど嬉しいことはありません。

