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間接照明

テレビボードの間接照明でおしゃれに!後付けDIYと配線テクニック

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こんにちは。照明セレクション、運営者の「ミト」です。

自宅のリビングを「もっとおしゃれでリラックスできる空間にしたい」と考えたとき、真っ先に思い浮かぶのがテレビボード周辺の間接照明ではないでしょうか。InstagramやPinterestで見るような、壁面がふわっと光る洗練された空間。憧れますよね。私も最初は「難しそうだし、電気工事が必要なんじゃないか?」と身構えていました。

でも、実はテレビボードの間接照明は、現代のDIYアイテムを使えば、賃貸でも、不器用な方でも、驚くほど簡単に実現できるんです。しかも、単に「おしゃれになる」だけではありません。テレビやモニターの背後を照らすことには、医学的・生理学的にも理にかなった「目の疲れを軽減する」という大きなメリットがあります。

この記事では、照明好きが高じて自宅のあらゆる場所を光らせてしまった私が、実体験に基づいて「失敗しないテレビボード照明の作り方」を徹底解説します。機材の選び方から、一番の悩みである配線の隠し方まで、これを読めばあなたのリビングが劇的に変わりますよ。

この記事を読むとわかること

  • 目の疲れを軽減する「バイアスライティング」の科学的な仕組みと効果
  • 部屋の雰囲気を壊さない、失敗しない色温度と明るさの黄金比
  • 賃貸でも壁を傷つけずに設置できる、具体的なDIY手順とプロの技
  • ニトリやIKEAなど、身近なショップで買えるおすすめ照明アイテムの比較

テレビボード用間接照明のおしゃれな効果とメリット

テレビボード間接照明のおしゃれな効果とメリット

「たかが照明ひとつでしょ?」と侮るなかれ。テレビボード周辺に光をプラスすることは、インテリアデザインの観点からも、ヘルスケアの観点からも、非常にコストパフォーマンスの高い投資なんです。

まずは、なぜテレビ裏を光らせるべきなのか、その深い理由を掘り下げていきましょう。

ポイント

  • 目が疲れない?バイアスライティングの効果
  • 失敗しない色温度と明るさの選び方
  • おしゃれに見せるインテリア実例
  • 賃貸でも簡単な後付けアイデア
  • よくある失敗例と対策を知る

目が疲れない?バイアスライティングの効果

夜、部屋の照明を落として映画を見たり、ゲームに熱中したりした後、ズーンと目が重くなる感覚に襲われたことはありませんか?「暗いところでテレビを見ると目が悪くなる」と子供の頃に言われた経験がある方も多いと思いますが、これにはちゃんとした生理学的な理由があります。

人間の目は、視野の中にある「平均的な明るさ」に合わせて瞳孔(黒目の大きさ)を調整しています。部屋が真っ暗でテレビ画面だけが明るい状態だと、映画のシーンが明るい場面から暗い場面に切り替わるたびに、あるいはふと画面から目を逸らして暗い壁を見た瞬間に、瞳孔が開いたり閉じたりと激しい運動を繰り返すことになります。これが眼精疲労の大きな原因の一つです。

そこで取り入れたいのが、専門用語で「バイアスライティング(Bias Lighting)」と呼ばれる手法です。

これは、モニターやテレビの背面に光源を置き、壁面を適度な明るさで照らすテクニックのことを指します。

なぜ「バイアス」なの?

バイアス(Bias)には「下駄を履かせる」「底上げする」といった意味合いがあります。周囲の明るさを底上げすることで、画面と背景(壁)の輝度差(コントラスト比)を緩和し、瞳孔の過剰な動きを抑える働きがあるのです。

さらに、バイアスライティングには画質を良く見せる視覚効果もあります。人間の目は相対的な比較で色や明るさを認識するため、背景が真っ暗だと液晶画面の「黒」が白っぽく浮いて見えがちです(黒浮き)。しかし、背面に光があることで、脳の錯覚により画面の黒が「より深い黒」として認識され、結果として映像のコントラストと彩度が向上して見えるのです。

つまり、テレビボードの間接照明は、単なるおしゃれな装飾ではなく、「目の健康を守りながら、映像を美しく楽しむための機能的な装置」と言えるのです。

失敗しない色温度と明るさの選び方

「よし、照明を買おう!」と思ったとき、最初にぶつかる壁が「色温度(ケルビン)」の選択です。ECサイトを見ていると「電球色」「昼光色」「白色」など様々な表記があって混乱しますよね。「テレビボード 間接照明 色温度」で検索する人が後を絶たないのも納得です。

結論から言うと、あなたの「テレビを見る目的」によって正解は変わります。以下の表を参考に、自分のライフスタイルに合った色を選んでみてください。

色温度(ケルビン)光の色味おすすめのシチュエーションメリット・デメリット
6500K前後
(昼光色)
青白い
クールな光
映画鑑賞(特にSFやアクション)、
FPSなどのゲーム、
色の正確さを求める作業
メリット:映像制作の国際基準(D65)に近いため、製作者が意図した通りの「正しい色」で見ることができます。
デメリット:リラックス感は薄く、就寝前には刺激が強すぎる場合があります。
3000K前後
(電球色)
オレンジ色の
温かい光
バラエティ番組、ドラマ視聴、
リビングでの団欒、リラックスタイム
メリット:カフェやホテルのような落ち着いた雰囲気になり、安らぎを与えてくれます。日本の住宅のダウンライトと馴染みやすいです。
デメリット:画面の色(特に白)が相対的に青っぽく見えてしまうことがあります(補色対比)。
4000K前後
(白色/温白色)
自然な白
ニュートラル
モダンなインテリア、ニュース視聴、
リビング学習との兼用
メリット:黄色すぎず青すぎない、最も自然な光です。スタイリッシュな空間演出に向いています。
デメリット:中途半端に感じる場合もあり、ムード作りには少し物足りないかもしれません。

「映画も見るし、リラックスもしたい…」という欲張りな(私のような)方には、「調色機能付き」のLEDテープライトを強くおすすめします。リモコンやスマホアプリで、その時の気分に合わせて色温度を無段階で調整できるので、失敗のリスクがほぼゼロになります。

また、もう一つ重要な指標が「演色性(Ra/CRI)」です。これは「どれだけ色が自然に見えるか」を表す数値で、Ra100に近いほど太陽光に近い自然な発色になります。

安価なLEDテープの中にはRa70程度のものもあり、これだとせっかくの壁紙が緑っぽくくすんで見えたりして、安っぽい印象になってしまいます。少しだけ予算を足してでも、Ra80以上、できればRa90以上の高演色タイプを選ぶのが、高級感を出すための隠れた重要ポイントです。

おしゃれに見せるインテリア実例

テレビボードの形状や部屋のレイアウトによって、最適な照明の配置場所は異なります。「どこを照らせば一番おしゃれに見えるのか」、具体的なコーディネート例を見ていきましょう。光の当て方一つで、部屋の広さの感じ方まで変わってきますよ。

1. フロートテレビボード(浮遊型)の場合

壁に固定され、床から浮いているフロートタイプのテレビボードをお使いなら、迷わず「ボードの下(床面)」を照らしましょう。

これをアンダーキャビネットライティングと呼びます。床面に光のプールを作ることで、フロートボード特有の「浮遊感」が強調され、重心が低くなることで空間に安定感と広がりが生まれます。床材が大理石調などの光沢素材の場合は、LEDの粒が映り込まないよう、乳白色のカバーを使うのがコツです。

2. 置き型テレビボード(脚付き・台輪)の場合

最も一般的な据え置き型のボードの場合、主役は「テレビ背面の壁」になります。

テレビの裏側に照明を仕込み、壁に向かって光を放つことで、テレビが光のシルエットに包まれ、まるで映画館のような没入感が生まれます。もしボードの左右に余白があるなら、そこに小ぶりなテーブルランプや、背の高い観葉植物を置いて下からアッパーライトで照らすのも素敵です。光の重心を分散させることで、部屋全体が広く見えます。

3. エコカラットやタイル壁の場合

テレビ裏の壁がエコカラットや石材タイルなどの凹凸のある素材なら、「グレイジング(Grazing)」という手法に挑戦してみてください。

これは、壁のすぐ近く(天井やボードの上)から、壁に沿わせるように光を落とすテクニックです。光が素材の凹凸を舐めるように照らすことで、美しい陰影が浮かび上がり、素材の質感がドラマチックに強調されます。ただの壁が、一気にアート作品のようになりますよ。

賃貸でも簡単な後付けアイデア

「うちは賃貸だから、壁に穴を開けたり配線工事をしたりするのは絶対に無理…」と諦めていませんか?安心してください。今の間接照明トレンドは「現状復旧可能」が基本です。壁を傷つけずに、まるで造り付けのような照明環境を作るアイデアはたくさんあります。

最も手軽で効果的なのは、やはり「テレビ本体の裏面にLEDテープを直接貼る」方法です。これなら壁には一切触れませんし、テレビを移動させる際も照明ごと移動できます。

最近のLEDテープはUSB給電タイプが主流なので、テレビについている録画用などのUSBポートに挿すだけで電源確保も完了。テレビの電源ON/OFFに連動して照明も点灯・消灯してくれるので、いちいちスイッチを押す手間もありません。

さらにこだわりたい派への「フェイクウォール」術

「もっと建築的な、壁の後ろから光が漏れるような演出がしたい」という方は、DIYパーツの定番「ラブリコ」や「ディアウォール」を活用しましょう。

ディアウォール
ディアウォール

これらを使って床と天井に2×4材の柱を突っ張り、その手前に板を打ち付けて「偽の壁(ふかし壁)」を作ります。この偽の壁にテレビを壁掛けし、元の壁との隙間に照明を仕込めば、賃貸であってもハイエンドなホテルライク空間が完成します。

よくある失敗例と対策を知る

DIYで間接照明を設置したものの、「なんだか思っていたのと違う…」「安っぽくなってしまった…」と後悔するケースは少なくありません。先人たちの失敗から学び、最初から対策を講じておきましょう。

絶対に避けたい3つの失敗パターン

失敗1:光の粒(ドット)が丸見えになる
LEDテープライトのLEDチップの間隔が広い(密度が低い)ものを使うと、壁や床に光の粒々が映り込んでしまい、非常に安っぽく見えます。

これを防ぐには、「1メートルあたり60個以上(60LEDs/m)」の高密度タイプを選ぶか、最近増えている「COB(Chip On Board)」という、光が一本の線のように繋がって見えるドットレスタイプを選びましょう。

失敗2:粘着テープがすぐに剥がれ落ちる
テレビの背面は意外と発熱しますし、静電気でホコリも付着しています。付属の両面テープをそのまま貼ると、熱と重みで数週間後にはベローンと剥がれ落ちてきます。

これは本当にストレスです。対策については後述の施工手順で詳しく解説しますが、「脱脂」と「強力両面テープへの貼り替え」が必須です。

失敗3:周りの照明と色が合っていない
部屋のダウンライトが「電球色」なのに、テレビ裏だけ青白い「昼光色」にしてしまうと、そこだけ浮いてしまい落ち着かない空間になります。

部屋全体の照明の色温度を統一するか、調色機能付きのライトを選んで調整できるようにしておくことが重要です。

テレビボード間接照明のDIYと配線テクニック

テレビボード間接照明のDIYと配線テクニック

ここからは、実際に商品を購入して設置するまでの具体的なステップと、多くの人が頭を抱える「配線処理」のテクニックについて、プロ顔負けの仕上がりにするためのノウハウを伝授します。特別な工具は必要ありませんが、ちょっとした「ひと手間」が仕上がりを左右します。

ポイント

  • LEDテープライトの正しい貼り方手順
  • 配線を綺麗に隠すプロのテクニック
  • ニトリで揃うおすすめの照明グッズ
  • IKEAのスマート照明で演出する
  • コーナーや壁掛けの設置ポイント

LEDテープライトの正しい貼り方手順

LEDテープライトは「ただ貼ればいい」というものではありません。長く、美しく使うための正しい手順があります。

正しい手順

  1. 採寸と機材選び
  2. 徹底的な下地処理
  3. 貼り付けと配線ルートの確保

Step 1: 採寸と機材選び

まずはテレビのサイズに合わせて必要なテープの長さを計算します。一般的に、50〜55インチなら約3メートル、65インチ以上なら4〜5メートルあれば、テレビの背面を「コの字型(上・左・右)」あるいは「ロの字型(4辺)」に囲むことができます。

下辺は配線と干渉しやすいので、コの字型に貼るのが一般的で簡単です。

Step 2: 徹底的な下地処理(※ここが一番重要!)

失敗の9割はここで決まります。テレビの裏側は、プラスチック成型時の油分や手垢、静電気によるホコリで汚れています。

ポイント

  1. 中性洗剤を薄めた水で雑巾を絞り、汚れをしっかり拭き取ります。
  2. 無水エタノールやアルコールティッシュで「脱脂」を行います。完全に乾くまで待ちましょう。

この工程をサボると、どんなに強力なテープを使っても必ず剥がれます。

Step 3: 貼り付けと配線ルートの確保

テープライトを貼っていきます。テレビの縁ギリギリに貼ると光源が直接見えてしまうことがあるので、縁から5〜10cmほど内側を狙って貼るのがコツです。

USBポートの位置を確認し、そこからスタートするように貼り進めましょう。

配線を綺麗に隠すプロのテクニック

テレビボード周りの間接照明の配線は、インテリアの美観を損なう最大の敵です。コードがぐちゃぐちゃだと、どんなに良い照明を入れても台無しです。ここでは、配線を「見せない」ためのテクニックを紹介します。

テクニック1:テレビ裏を「収納基地」にする

テレビの裏側にある「VESAマウント(壁掛け金具用のネジ穴)」を活用しましょう。

ここに100円ショップで売っているワイヤーネットを専用のボルトで固定します。そして、HDD、電源タップ、照明のコントローラー、余った配線などを、すべて結束バンドでこのワイヤーネットに固定してしまうのです。
これにより、テレビボードの上にも裏にも物が一つもない「空中配線」の状態が作れます。掃除機もかけやすく、見た目も劇的にスッキリします。

テクニック2:配線モールは「巾木」に合わせる

どうしても壁を這わせる必要がある配線は、プラスチックの「配線モール」で隠します。この時、壁紙の色に合わせるのも良いですが、おすすめは「巾木(床と壁の境目にある部材)」の色に合わせたモールを使うこと。

または、巾木の上にモールを乗せるように設置することです。巾木の一部のように見せることで、視覚的なノイズを消すことができます。

ニトリで揃うおすすめの照明グッズ

「まずは安く、手軽に試してみたい」という方には、ニトリの照明アイテムが最適です。

特におすすめなのが「インテリアテープライト」シリーズです。USB給電タイプで、なんとリモコンまで付属しているスターターキットが2,000円〜3,000円程度で購入できます。調光・調色機能がついているモデルもあるので、最初の1本としては十分すぎるスペックです。

また、テープライトを貼るのが面倒な場合は、ニトリの「フロアランプ」をテレビボードの両脇や裏に置くだけでも効果があります。ボール型のランプ(ボールランプ)などをボード裏に隠すように置けば、ふんわりとした柔らかい間接照明が簡単に作れます。

IKEAのスマート照明で演出する

「スマホで操作したい」「映画を見る時は自動で暗くしたい」といったスマートホーム化を目指すなら、IKEAのスマート照明システム「TRÅDFRI/トロードフリ」シリーズが一押しです。

  • MITTLED(ミットレド):本来はキッチンなどの棚下用ですが、スティック状で光が均一なので、テレビボード内に設置するのに向いています。
  • MYRVARV(ミールヴァルヴ):必要な長さにカットできるLEDテープライト。光量が強く、リビングの主役になれる明るさです。

これらを専用のハブ(DIRIGERA/ディリゲラなど)と組み合わせれば、Apple HomeKit、Google Home、Amazon Alexaと連携可能です。「アレクサ、シアターモードにして」の一言で、メイン照明が消え、テレビ裏の間接照明だけが心地よい明るさで点灯する…そんな未来的な生活が実現できます。

コーナーや壁掛けの設置ポイント

LEDテープライトを貼る際、最も断線しやすいのが「角(コーナー)」の部分です。基盤はデリケートなので、折り紙のようにピシッと直角に折ってしまうと、中の配線が切れて点灯しなくなります。

断線を防ぐ「ループ曲げ」テクニック

角を曲がる際は、テープを押し付けずに、指一本が入るくらい浮かせて「ふんわりとしたループ(輪)」を作るようにして方向転換させましょう。見た目は少し浮いてしまいますが、テレビの裏なので見えません。

この「余裕」を持たせることが、故障を防ぐ最大のポイントです。直角用のアダプタ(L字コネクタ)も市販されていますが、接触不良の原因になりやすいので、できれば1本のテープでループ曲げをして通すのがおすすめです。

また、壁掛けテレビの場合、壁とテレビの隙間が極端に狭い(3cm未満など)と、光が広がるスペースがなく、LEDの粒がそのまま壁に映ってしまうことがあります。

その場合は、テープライトをテレビの背面の「側面」ではなく、少し内側の「平面」に貼り、壁に対して垂直に光を当てるのではなく、斜めに当てるなどの微調整を行うと、柔らかい光になります。

【総括】テレビボード周りの間接照明で理想の空間へ

テレビボード周辺の間接照明は、決してハードルの高いインテリアではありません。数千円の予算と、少しの工夫で、リビングの快適性とデザイン性を劇的に向上させることができます。目の疲れを癒やす実用性と、心を癒やす空間演出。

まずは、USBタイプの安価なテープライト一本からでも構いません。ぜひ、今度の週末にでもチャレンジしてみてください。夜、お気に入りの映画を観る時間が、今まで以上に特別なひとときになることをお約束します。

※安全に関するご注意
コンセントの増設や壁内の電気配線を直接触る工事には、「電気工事士」の資格が必要です。本記事で紹介しているDIYは、あくまで既存のコンセントやUSBポートを利用した低電圧(5V〜12V)の範囲内での作業を想定しています。

配線のトラッキング現象や過熱による火災には十分注意し、自己責任において安全に作業を行ってください。

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