こんにちは。照明セレクション、運営者の「ミト」です。
IKEAの店舗やオンラインストアを見ていると、安くておしゃれなスマート電球がたくさんあってワクワクしますよね。でも、いざ「お部屋の雰囲気を変えたい」と思ってIKEAの電球や色が変わる機能について調べてみると、種類が複雑だったり、リモコンやアプリの設定方法がわからなかったりして困ってしまうことはありませんか。
実は私も最初はそうでした。「点滅してつながらない」「思ったような色にならない」といったトラブルは、ちょっとしたコツを知っているだけで解決できることが多いんです。
この記事ではそんなIKEAの電球色、それにまつわるトラブルについて解説していきます。
IKEAの電球で色が変わる種類と選び方

IKEAのスマート照明シリーズは価格がお手頃で魅力的ですが、パッケージを見ただけでは「どれが色を変えられる電球なのか」が少し分かりにくいですよね。実は、同じように見える電球でも、できることとできないことが大きく異なります。
「せっかく買ったのに色が変えられなかった!」という失敗を防ぐために、まずは自分のやりたいことに合った正しい製品を選ぶためのポイントを、少しマニアックな視点も交えて整理しておきましょう。
調光と調色など機能の違いを把握する
まず最初に、IKEAの照明売り場でパッケージを見る際に絶対に見落としてはいけないのが、「調光(明るさ調整)」と「調色(色の変更)」、そして「カラー(RGB)」の決定的な違いです。ここを曖昧にしたまま購入すると、後で必ず後悔することになります。
「色が変わる」と一口に言っても、実はその意味には2つのレベルがあります。一つは「白の色味を変える(温かい色⇔冷たい色)」こと、もう一つは「赤や青などカラフルな色に変える」ことです。IKEAの製品ラインナップは、この機能差によって明確に分かれています。
| タイプ名 | できること(機能) | 具体的な使用シーンと選び方 |
|---|---|---|
| ワイヤレス調光 Wireless Dimmable | 明るさの変更のみ (色は固定:2700Kなど) | 最も安価ですが、色は変わりません。 玄関や廊下など、単にオンオフと明るさだけ調整できれば良い場所向けです。 |
| ホワイトスペクトラム White spectrum | 白の色味を変更 (2200K〜4000K) | 生活リズムを整えたい方に最適。 RGBカラー機能がない分、同じ価格帯でも明るさ(ルーメン数)が高い傾向にあり、リビングのメイン照明におすすめです。 |
| カラー& ホワイトスペクトラム Color and White spectrum | フルカラー変更 (赤・青・緑・白など) | 本命です。 ホワイトスペクトラムの機能に加え、パーティー演出やゲーム没入感を高めるための有彩色が出せます。 |
このように、「色が変わる」と言っても目的によって選ぶべきモデルは全く異なります。特に注意が必要なのは、「ホワイトスペクトラム」と「カラー&ホワイトスペクトラム」のパッケージが非常によく似ていることです。
リビングで読書をするために「白さを変えたい」だけなら、無理に高価なカラー電球を買う必要はありません。逆に、ゲーミングルームを作りたいのにホワイトスペクトラムを買ってしまっては意味がありません。購入時は、パッケージの表記(特に「Color」の文字があるか)を指差し確認するくらいの慎重さが必要です。
また、照明の色温度(ケルビン)を適切に選ぶことは、単なる雰囲気づくりだけでなく、省エネや快適な生活環境の維持にもつながります。環境省も「あかり未来計画」として、シーンに応じた適切な照明選びを推奨しています。
新旧モデルで発色の鮮やかさが違う
IKEAのスマート照明を深く知る上で避けて通れないのが、「世代による色の違い」です。
現在、IKEAの店頭やネットストアでは、長年のベストセラーである「TRÅDFRI(トロードフリ)」シリーズと、スマートホームの新統一規格「Matter(マター)」に対応した新世代の「KAJPLATS(カイプラッツ)」シリーズなどが混在しています。これらは単なる商品名の違いではなく、搭載されているLEDチップや制御技術が大きく進化しているのです。
正直にお話しすると、旧世代であるTRÅDFRI(トロードフリ)シリーズのカラー電球は、「緑色(Green)」や「水色(Cyan)」の表現が少し苦手です。
私自身も実際に試して感じたことですが、アプリで「深い緑」を選んでも、実際に出力される光は「黄色がかったライムグリーン」や「少し色が薄い緑」に見えることがよくあります。
これは、当時の技術的なコスト制約や、日常使い(パステルカラー的な柔らかい光)を優先した設計思想によるものだと言われています。リビングで少し雰囲気を変える程度なら全く問題ありませんが、例えば映画『マトリックス』のようなデジタルな緑色の世界観を作りたい場合や、鮮やかな推し色で部屋を染めたい場合には、物足りなさを感じるかもしれません。
新世代モデル「KAJPLATS」の実力
もしあなたが、より鮮やかで濃い色を求めているなら、新シリーズのKAJPLATS(カイプラッツ)を待つというのも手です。

公式の仕様でも「より広い光の強度範囲」と「多くの色の選択肢」が謳われており、TRÅDFRIの弱点だった緑や青の発色が大幅に改善されています。特に最大輝度が1521ルーメンに達するモデルなどは、部屋全体を力強く染め上げるパワーがあり、全く別次元の体験ができます。
また、KAJPLATSシリーズは最初から「Matter」という規格に対応することを前提に作られています。これは将来的にApple HomeKitやGoogle Home、Amazon Alexaなど、メーカーの垣根を超えてスムーズにつながるための重要な要素です。
2025年12月現在では日本での販売はされていませんが、今すぐライトが必要というわけでないなら待つ選択肢もありでしょう。
色変更に対応したリモコンの選び方
IKEAのスマート照明システムの大きな特徴であり、同時に最大の「罠」となり得るのがリモコン選びです。「IKEAのリモコンなら、どれを買っても同じように操作できる」と思っていませんか?実は、リモコンのモデルによって「色を変える機能」へのアクセス性が天と地ほど違います。
最近IKEAでよく見かける、乾電池1本(単4形)で動き、デザインが非常にシンプルで美しい「RODRET(ロードレット)」という四角いリモコンがあります。
価格も1,000円以下と非常に魅力的です。しかし、このリモコンは基本的に「オン・オフ」と「明るさ調整(長押し)」に特化した製品です。
RODRETを使って色温度やカラーを変更しようとすると、ボタンを素早く2回押すなどの特殊な操作が必要だったり、そもそも接続したハブの設定によっては色が変えられなかったりと非常にストレスが溜まることがあります。私の経験上、「色が変えられない!」と悩んでいるユーザーの多くが、このシンプルすぎるリモコンとカラー電球を組み合わせてしまっています。
色を変えたいならSTYRBAR一択
手元のリモコンでカチカチと快適に色や白さを切り替えたいなら、迷わず十字キーが付いている、正方形のステンレス風デザイン(または白)の「STYRBAR(スティルバル)」を選んでください。
左右のボタンに「色送り(カラーチェンジ)」が割り当てられているため、直感的に好きな色を選べます。初期投資は数百円高くなりますが、毎日の使い勝手を考えれば絶対にこちらが正解です。
また、以前販売されていた「円形の5ボタンリモコン」をお持ちの方は、真ん中のボタンや左右の矢印ボタンで快適に色変更が可能です。リモコンは単なるスイッチではなく、「機能への入り口」ですので、電球のスペックをフルに活かせるものを選びましょう。
アプリ導入で色変更の幅が広がる
リモコン(STYRBARなど)を使えば、あらかじめプリセットされた9色(ホワイト系3色+カラー6色など)を順繰りに切り替えることができます。しかし、「もっと微妙なピンク色が作りたい」「夕焼けのような深いオレンジにしたい」といったこだわりがある場合、リモコンだけでは限界があります。
そこで必須となるのが、IKEAの専用ハブ「DIRIGERA(ディリフィエラ)」と、スマートフォンアプリ「IKEA Home smart」の導入です。これらを組み合わせることで、IKEAの電球のポテンシャルが100%解放されます。
アプリで可能になる高度なカラー制御
- カラーホイール操作: 画面上の色相環を指でなぞることで、プリセットにはない中間色や、彩度(色の濃さ)を微調整したオリジナルカラーを指定できます。
- シーン(ムード)機能: 例えば、「映画鑑賞」というシーンを作成し、「テレビ横のライトは暗い青、ソファ横は消灯、天井は暗いオレンジ」といった複雑な組み合わせを保存できます。これをワンタップ、あるいは音声操作で呼び出せるようになります。
- バイオアダプティブライティング: 人間のサーカディアンリズム(体内時計)に合わせて、朝は明るい白、夕方になるにつれて徐々に暖色へと、自動で光の色を変化させる高度な設定も可能です。
特に「DIRIGERAハブ」は、旧型の「TRÅDFRIゲートウェイ」から大幅に性能が向上しており、接続の安定性や反応速度が改善されています。もし「電球の色をもっと自由に操りたい」と思うなら、電球単体で使うのではなく、ハブを含めたシステムとして導入することを強くおすすめします。
スイッチ操作だけでは色は変わらない
スマート照明を導入する際、意外と盲点になりがちなのが「壁のスイッチ」との付き合い方です。
日本の家庭によくある一般的な「調色機能付きLEDシーリングライト」の中には、壁のスイッチを素早くカチカチとオンオフすることで「全灯→常夜灯→電球色」のように色が切り替わるタイプがあります。しかし、IKEAのスマート電球はそのような仕組みではありません。
IKEAのスマート電球は、常に微弱な電流が流れている状態で待機し、リモコンやスマホからの無線信号を受け取って初めて色を変えたり点灯したりします。つまり、壁のスイッチを「オフ」にしてしまうと、電球への電源供給が完全に絶たれ、ただの「消えた電球」になってしまうのです。
「スマート照明あるある」を防ぐために
家族と一緒に暮らしていると、「アプリで操作しようとしたら、誰かが壁のスイッチを切っていて反応しない(オフライン)」という事態が頻発します。
これを防ぐためには、「この部屋の電気は壁のスイッチには触らず、必ずリモコンで消してね」とルールを共有するか、あるいは物理的に壁のスイッチをカバーで覆って押せないようにする(通称:スマートホームの物理ハック)などの工夫が必要です。
また、壁のスイッチをオンにした瞬間(通電時)の色は、アプリの設定で「電源切断前の状態を記憶する」か「常に標準の明るさで点灯する」かを選ぶことができます。停電復旧後などにいきなり真ピンクの光で点灯して驚かないよう、この「電源投入時の挙動設定(Power-on behavior)」もアプリで確認しておくと安心です。
IKEAの電球で色が変わる設定とトラブル

IKEAの製品はグローバル規格で作られているため、日本の家電とは少し違った操作感や「クセ」があります。説明書もイラスト中心で文字が少なく、トラブルが起きた時に「どうすればいいの?」と迷子になりがちです。
ここでは、私が実際に経験したトラブルや、ユーザーコミュニティでよく報告される事例をもとに、実践的な解決策を解説します。
確実に接続するためのペアリング方法
IKEAの照明設定で、初心者が最もつまずきやすい「最初の難関」がペアリング(接続作業)です。一般的なWi-Fi機器やBluetoothイヤホンのように、「部屋の中にあれば勝手につながる」と思っていませんか?実は、IKEAの照明が採用しているZigbee(ジグビー)という通信規格のペアリングには、非常にアナログな儀式が必要です。
それは、「リモコンを電球に物理的にめちゃくちゃ近づける(Touchlink)」という作業です。
失敗しないペアリングの手順
もしDIRIGERAハブを使っている場合も、アプリの指示に従う必要がありますが、基本的には「まずハブにリモコンを登録」→「そのリモコンを使って電球を登録」という親子関係のような手順を踏むのがIKEA流です。電球を直接ハブが探すのではなく、リモコンが仲介役になるイメージを持つと理解しやすいでしょう。
電球が点滅するのは故障ではなく合図
電球を取り付けたときや、設定中に突然電球が「チカチカ」と点滅したり、ゆっくりと「フワー、フワー」と明滅することがあります。「えっ、初期不良?故障?」と焦ってしまいがちですが、これらは電球があなたに送っている「ステータス信号(合図)」であることがほとんどです。
主な点滅パターンの意味
- 速い点滅(または呼吸するような明滅): ペアリングモード(接続待機中)、またはペアリング作業が進行中であることを示しています。「今、信号を探していますよ」「接続処理をしていますよ」という合図です。
- 一瞬だけ点滅して点灯: 電源投入時や、リセット操作が成功した直後に見られるサインです。
もし、意図せず電球が接続できなくなったり、挙動がおかしくなったりした場合は、迷わず「工場出荷時リセット」を試しましょう。これもまた独特な操作が必要です。
必修スキル:6回スイッチ・リセット
壁のスイッチや照明器具のスイッチを使い、「オン・オフ」をリズムよく6回連続で繰り返します。(カチ、カチ、カチ...と1秒に1回くらいのペースで)。
成功すると、6回目のオンの直後に電球が一度「ピカッ」と点滅したり、明るさが変わったりします。これがリセット完了の合図です。この操作を行うと、全てのペアリング情報が消去され、新品同様の状態に戻ります。接続トラブルの9割はこれで解決します。
勝手に設定が戻る仕様変更の注意点
以前からIKEAのスマート照明(特にTRÅDFRIゲートウェイ時代)を使っているヘビーユーザーの間で、最近大きな話題(というか混乱)となっているのが、「アダプティブライティング(自動調光・調色機能)」の仕様変更です。
アダプティブライティングとは、太陽の動きに合わせて自動で光の色を変えてくれる便利な機能です。以前は、一時的に手動で色を変えても、電源を入れ直せば自動的にこのアダプティブモードに復帰していました。しかし、DIRIGERAハブのファームウェアアップデート(v2.805.6以降など)により、挙動が大きく変わりました。
現在の仕様では、「手動でリモコンやアプリを操作すると、アダプティブライティングは完全に無効化(オフ)され、その手動設定が維持される」ようになっています。さらに、電源をオフにして再度オンにしても、アダプティブモードには戻らず、直前の手動設定(または電源投入時の設定)が適用されます。
これは故障ではありません
「夜中に少し明るさを変えたら、翌朝になっても色が戻らない!壊れた?」と感じるかもしれませんが、これはIKEAが意図的に変更した「仕様」です。ユーザーが手動で行った変更を優先し、勝手に自動モードに戻らないように配慮した結果だと思われます。
もし自動モードに戻したい場合は、面倒ですがアプリを開くか、ショートカットボタンを設定して、意識的に「アダプティブライティングをオンにする」操作が必要になります。この仕様変更を知っておくだけで、無用なストレスを感じずに済みます。
アレクサ等の外部連携で失敗する原因
スマートホームの醍醐味といえば、「Alexa、電気の色を青にして」「OK Google、おやすみモードにして」といった音声操作ですよね。しかし、IKEAの製品をAmazon AlexaやGoogle Home、Apple HomeKitと連携させようとして、「デバイスが見つからない」というトラブルに陥る方が後を絶ちません。
最大の失敗原因は、連携の方向を間違えていることです。Alexaアプリ側から「デバイスを追加」を選んでIKEA製品を探しに行っても、うまくいかないことが多々あります。正解は、「IKEA Home smartアプリ側から連携を開始する」ことです。
正しい連携フロー(DIRIGERAハブの場合)
また、DIRIGERAハブは「Matter」に対応しているため、Matter経由での接続も可能ですが、過渡期であるため接続が不安定になるケースも報告されています。もし動作が怪しい場合は、一度リンクを完全に解除(スキルを無効化)し、再度IKEAアプリから認証し直すことであっさり直ることが多いです。
「うまくいかない時は、一度関係を断ち切ってからやり直す」。これは人間関係もスマートホームも同じかもしれませんね。
【総括】IKEAの電球で色が変わる快適な空間へ
IKEAのスマート電球は、他社製品に比べて圧倒的に安価でありながら、北欧ブランドらしい洗練されたデザインと機能を備えています。確かに、ペアリングの方法がアナログだったり、リモコン選びに注意が必要だったりと、少しだけ「クセ」があるのは事実です。
しかし、その仕組みさえ理解してしまえば、これほどコストパフォーマンス良くお部屋の雰囲気を劇的に変えられるアイテムは他にありません。
夕食の時は料理を美味しく見せる温かいオレンジ色、読書の時は文字が見やすいクッキリした白色、そして映画を見る時は没入感を高めるディープなブルー。光の色を自在に操ることは、単なるおしゃれではなく、生活の質(QOL)をダイレクトに向上させる魔法のような体験です。
今回ご紹介した「KAJPLATS電球の選び方」や「STYRBARリモコンの重要性」、「2cmペアリングの儀式」を参考に、ぜひあなたもIKEAのスマート照明デビューを果たしてください。もしトラブルが起きたときは、またこの記事に戻ってきて、リセット方法などを確認していただければ嬉しいです。あなたの光の空間づくりが、最高のものになりますように。

