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LED電球は熱くなる?危険な温度の見分け方と正しい対処法を解説

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こんにちは。照明セレクション、運営者の「ミト」です。

省エネで長持ちすると聞いて、家の照明をLED電球に変えてみたけれど、ふと電球に触れたらびっくりするほど熱くて不安になったことはありませんか。「LEDは熱を持たない」というイメージがあるだけに、これって故障ではないか、あるいは天井裏で火事の原因になるのではないかと、急に心配になってしまいますよね。

実は私も最初はそう思って、慌ててスイッチを切った経験があります。この熱さは本当に大丈夫なものなのか、それとも危険なサインなのか、正しい知識を持っていないと安心して使えません。

今回は、LED電球が熱くなる原因や仕組み、そして安全に使うためのチェックポイントについて、私の経験も交えながら詳しくお話ししていきたいと思います。

ポイント

  • LED電球が熱を持つ物理的な理由と正常な範囲
  • 触ると危険な温度の見分け方と火傷のリスク
  • 熱がこもりやすい照明器具の種類と正しい選び方
  • 発煙や火災トラブルを防ぐための具体的な対策

LED電球は熱くなるのが普通?原因と仕組み

LED電球は熱くなるのが普通?原因と仕組み

「LEDは熱くない光」だと思っていたのに、実際に触れてみるとかなり高温になっていることに驚く方は多いですよね。私も初めてLED電球の根元を触ったときは「えっ、こんなに熱いの?」と少し怖くなりました。

ここでは、なぜLED電球が熱くなるのか、その意外なメカニズムと、どこまでが正常でどこからが異常なのかという判断基準について、私なりに整理してみたいと思います。

LED電球が熱くなる原因はエネルギー変換

まず結論から言うと、LED電球が熱くなるのは故障ではなく、仕組み上どうしても避けられない「物理的な現象」なんです。「白熱電球は熱いけど、LEDはクールな光」というイメージは、半分正解で半分間違いと言えるかもしれません。

LED(発光ダイオード)は、電気を流すと光る半導体チップを使っています。従来の白熱電球に比べて、電気を光に変える効率が劇的に良いのは間違いありません。しかし、それでも投入した電力のすべてが光になるわけではないのです。現在の一般的なLED電球の技術でも、投入した電気エネルギーのうち、目に見える「光」に変換されるのは、およそ30%から50%程度だと言われています。

では、光にならなかった残りの50%から70%のエネルギーはどこへ消えてしまうのでしょうか。物理には「エネルギー保存の法則」という絶対的なルールがありますから、エネルギーが消滅することはありません。そう、残りのエネルギーはすべて「熱」に変わってしまうのです。

光源の種類光になる割合(目安)熱になる割合(目安)熱の逃げ方
白熱電球約10%約90%赤外線として光と共に前方へ放出(照射面が熱い)
LED電球約30〜50%約50〜70%赤外線を出さず、電球の根元に熱が溜まる(伝導熱)

この表の違いがとても重要です。白熱電球の場合、発生した熱の大半は「赤外線」という形で、光と一緒に外へ放射されます。だから、白熱電球の光を浴びるとジリジリと暖かく(熱く)感じるんですね。その代わり、電球の内部に熱が溜まり続けることは比較的少なかったのです。

一方、LEDの光には赤外線がほとんど含まれていません。これが「LEDの光は熱くない」と言われる理由です。照射された対象物は熱くなりませんが、行き場を失った熱エネルギーは、LEDチップそのものや、それを支える基板、そして電源回路といった「電球の内部」に留まろうとします。

つまり、光はクールでも、電球の根元部分は必死に熱を抱え込んでいる状態なんですね。これが、LED電球本体、特に金属部分や根元が熱くなる最大の理由です。

内部では何が起きている?

もう少し詳しく言うと、LEDチップの中で電子が結合して光が生まれる際、結晶の微細な振動などが原因で熱が発生します。また、家庭用の100Vの電気をLED用の低い電圧に変換するための「電源回路(ドライバー)」も、動作中に熱を発します。

これらが合わさって、小さな電球の中でかなりの熱量が生まれているのです。

根元が熱いのは正常?触れない温度の基準

電球を交換しようとして、うっかり点灯直後のLED電球の根元(ヒートシンク部分)に触れてしまい、「アチッ!」と手を引っ込めた経験がある方は多いと思います。「こんなに熱くて大丈夫なの?不良品じゃない?」と不安になりますよね。

でも実は、ヒートシンクが熱くなっていること自体は、基本的には「正常な働き」なんです。むしろ、ここが熱くないほうが危険な場合さえあります。

先ほどお話しした通り、LEDは内部で発生した熱を外に出さないと、すぐに壊れてしまいます。そこで、LED電球には熱を効率よく外へ逃がすための「ヒートシンク(放熱器)」というパーツが組み込まれています。多くの製品では、口金に近い部分のアルミニウム合金や、特殊な放熱プラスチック筐体がその役割を担っています。

 LEDは赤外線をほとんど出さないため、光には熱がありません。しかし光にならないエネルギーは、LED素子から自己発生熱となって放出されます。そこで放熱が必要になります。発光部以外の金属部分は放熱用のヒートシンクで、熱を外に逃がしているのです。

エコロジーオンラインより

このヒートシンクが熱くなっているということは、内部のLEDチップや電源回路から発生した熱が、設計通りに外部へ「移動(伝導)」できている証拠なのです。もし、点灯中なのにヒートシンクが冷たいままだとしたら、それは内部の熱がうまく伝わっておらず、チップが高温になって焼き切れる寸前かもしれません。

「触れない=異常」とは限らない

では、どのくらいの熱さまでなら正常なのでしょうか。一般的なLED電球の場合、点灯中のヒートシンクの表面温度は、正常な状態でも50℃〜70℃程度まで上昇することがあります。

私たち人間は、45℃以上の物体に触れると反射的に「熱い!」と感じ、防御反応を示します。お風呂のお湯でも45℃だとなかなか入れませんよね。それが50℃、60℃となれば、一瞬触れるのが精一杯で、ずっと握っていることなんて不可能です。

つまり、「熱くて触っていられない」という感覚だけで、すぐに「異常な過熱だ」と判断するのは早計かもしれません。メーカーの設計範囲内でも、十分に触れないほどの温度になることは珍しくないのです。

LED電球が熱くなる危険な温度と火傷リスク

「触れないほど熱くても正常」と言われても、やはり限度はあります。いくら放熱しているといっても、異常な過熱状態との境界線を知っておくことは重要です。

明らかに危険なサインと言えるのは、以下のような状態です。

直ちに使用を中止すべき危険な過熱状態

  • 指先が一瞬触れただけで、水ぶくれができるほどの火傷をする(表面温度が80℃〜100℃超)。
  • 電球のプラスチックカバーや絶縁部分が熱で変形したり、溶けたりしている。
  • 焦げ臭いにおい(プラスチックや薬品のような臭い)が漂ってくる。
  • 器具に取り付けた状態で、天井やソケット周りが異常に熱い。

こうした症状が見られる場合は、放熱が追いついていないか、内部回路が故障して「熱暴走」を起こしている可能性があります。そのまま使い続けると火災につながる恐れがあるため、すぐにスイッチを切ってください。

見落としがちな「低温やけど」のリスク

また、異常発熱でなくても注意が必要なのが「低温やけど」です。LED電球の表面温度が60℃前後であった場合、一瞬触れるだけなら大きな怪我にはなりませんが、長時間皮膚が接触し続けると深刻なダメージを受けます。

医学的なデータによると、以下のような時間で低温やけどのリスクが生じると言われています。

  • 44℃:約6時間以上の接触
  • 50℃:約2分〜3分間の接触
  • 60℃:わずか数秒〜1分以内の接触

特に注意したいのが、デスクライトやクリップライトなど、身体に近い場所で使う照明器具です。うっかり腕が触れたまま作業をしていたり、小さなお子様が興味本位で握ってしまったりすると、通常の点灯温度でも十分にやけどをする危険性があります。

電球交換や掃除をする際は、スイッチを切ってから最低でも10分〜20分程度置き、十分に冷めたことを確認してから触れるか、厚手の軍手や耐熱手袋を使用することを強くおすすめします。私も、切れた電球を交換する時は必ず一度お茶を飲んで、時間を置いてから作業するようにしています。

寿命への影響と熱による故障サイン

「LED電球の寿命は40,000時間」という宣伝文句をよく見かけます。1日10時間使っても10年以上持つ計算ですが、これはあくまで「理想的な温度環境で使用した場合」の話だということをご存知でしょうか。

実は、LED電球の寿命を決定づけているのは、紛れもなく「熱」なのです。LED電球の内部には、光る半導体チップだけでなく、電気を制御するための電子回路がぎっしりと詰まっています。中でも特に熱に弱いのが、「電解コンデンサ」という部品です。

化学反応速度論における「アレニウスの法則」という難しい法則があるのですが、これをコンデンサの寿命に当てはめると、一般的に「10℃2倍則」と呼ばれています。これは、「使用温度が10℃上がると寿命は半分になり、10℃下がれば寿命は2倍になる」という経験則です。

例えば設計寿命が40,000時間(部品温度50℃想定)の電球があったとします。

【10℃2倍則のイメージ】

  • 温度が60℃になると → 寿命は20,000時間に半減
  • 温度が70℃になると → 寿命は10,000時間
  • 温度が80℃になると → 寿命はたったの5,000時間に激減

つまり、熱がうまく逃げない環境でLED電球を使うと、パッケージに書いてある「長寿命」は絵に描いた餅になってしまうのです。「LEDなのに1年で切れた!」というトラブルの多くは、実はLEDチップそのものの故障ではなく、熱によって電源回路が先に寿命を迎えてしまったケースがほとんどだと言われています。

LED電球が変色するのは熱劣化の証拠

長く使っているLED電球をふと見たとき、カバーや内部が黄色っぽく変色していたり、光の色味が変わったりしていることに気づいたことはありませんか?

「買った時はもっとスッキリした白色だったのに、なんだか黄色く濁ってきた気がする…」あるいは逆に「青白っぽくなってきた」と感じる場合。これは、熱による部材の劣化が進行している明確な証拠です。

LEDチップは、湿気やゴミから守るために透明な樹脂(エポキシ樹脂やシリコーン樹脂)で封止されています。また、青色LEDの光を白色に変えるための「蛍光体」も使われています。これらの材料は、長期間にわたって高温にさらされ続けると、日焼けのように変質・劣化してしまいます。

樹脂が熱で黄色く変色(黄変)すると、光の透過率が下がって暗くなったり、光の色が変わったりします。また、蛍光体が熱でダメージを受けると、色変換がうまくいかなくなり、青色が強く出過ぎたり、光量がガクンと落ちたりします。

このような変色が目視で確認できるレベルになっている場合、内部の電子回路も相当な熱ダメージを受けている可能性が高いです。「まだ点灯するから大丈夫」と思わずに、変色に気づいたら寿命が尽きる前のサインだと捉え、早めの交換を検討するのが安全のためにも賢明です。暗くなった電球を使い続けるのは目にも良くないですし、何より発熱リスクが高まっている状態ですからね。

LED電球は熱くなる時の対策と注意すべき器具

LED電球は熱くなる時の対策と注意すべき器具

LED電球自体が構造的に熱を持つことは分かりましたが、本当に怖いのはその熱が逃げ場を失い、異常な高温になってしまうことです。特に日本の住宅には、LEDにとって過酷な環境となり得る照明器具が多く存在します。ここからは、具体的なリスクと対策についてお話しします。

ポイント

  • 断熱材施工器具で熱がこもる事故を防ぐ
  • 密閉器具対応でも過熱する場合の注意点
  • 焦げ臭いにおいは異常発熱の危険信号
  • チカチカ点滅するのは熱暴走の前兆
  • 蛍光灯器具をそのまま使う火災リスク

断熱材施工器具で熱がこもる事故を防ぐ

これが、LED電球のトラブルで最も注意が必要なポイントの一つです。マンションや戸建て住宅の廊下、洗面所、トイレ、リビングなどでよく使われている、天井に埋め込むタイプの照明「ダウンライト」。このダウンライトが設置されている天井裏の環境が問題なのです。

気密性や断熱性を高めるために、天井裏にグラスウールなどの断熱材が分厚く敷き詰められている住宅が増えています。このような環境に設置された器具を「断熱材施工器具」と呼びます。この器具は、文字通り断熱材ですっぽりと覆われているため、まるで厚手の布団に包まれているような状態です。

ここに、放熱対策がされていない一般的なLED電球を取り付けてしまうとどうなるでしょうか。電球から発生した熱は断熱材に阻まれて逃げ場を失い、器具内部の温度は急激に上昇します。その結果、短時間で回路が故障したり、最悪の場合は過熱して発煙・発火事故につながったりする危険性があります。

「Sマーク」が安全の目印

では、どうやって見分ければいいのでしょうか。ダウンライトなどの照明器具の反射板や枠の部分に貼ってあるシールを確認してみてください。「S」という文字が入ったマークがあれば、それは断熱材施工器具です。

探すべきマーク(Sマーク)の種類

  • SB形:ブローイング工法・マット敷工法対応。断熱材が器具に密着しているため、最も放熱条件が厳しい。
  • SGI形:マット敷工法対応。気密性が高く、熱がこもりやすい。
  • SG形:マット敷工法対応。一般的な断熱施工。

これらのマークがある器具には、必ずパッケージに「断熱材施工器具対応」と明記されたLED電球を選ばなければなりません。この表示がない一般的なLED電球は絶対に使用しないでください。「口金のサイズが合うから」といって安易に取り付けるのは非常に危険です。私も自宅の電球を変える際は、必ず脚立に乗って器具のシールをスマホで撮影し、お店でパッケージの表示と照らし合わせながら購入するようにしています。

密閉器具対応でも過熱する場合の注意点

お風呂場の防湿ライト、玄関のポーチライト、キッチンの手元灯など、電球がガラスやアクリルのカバー(グローブ)で完全に覆われている器具を「密閉型器具」と言います。これも熱がこもりやすい要注意な環境です。

カバーで覆われているため、電球の周りの空気は入れ替わることがなく、点灯している間ずっと温度が上がり続けます。サウナの中で運動しているような状態ですね。一般のLED電球をここで使うと、あっという間に熱暴走して故障してしまいます。

基本的には、パッケージに「密閉型器具対応」と書かれた製品を選べば問題ありません。しかし、ここにも落とし穴があります。「密閉対応」と書かれていても、どんな環境でも100%大丈夫というわけではないのです。

「対応」でも過信は禁物

例えば、器具のサイズに対して電球が大きすぎて、電球とカバーの隙間がほとんどない場合。これではわずかな空気の対流さえ起きず、放熱が追いつかないことがあります。また、夏場の猛暑日や、浴室乾燥機を使っている最中など、周囲の温度自体が高い場合も注意が必要です。

さらに、浴室などの水回りでは「湿気」も大敵です。密閉器具対応であっても、防水構造になっていない電球だと、隙間から入り込んだ湿気で内部の回路がショートする可能性があります。浴室や屋外で使う場合は、「密閉型対応」であると同時に、「防湿・防雨」の性能を持つ、信頼性の高いメーカーの製品を選ぶのが安心です。

焦げ臭いにおいは異常発熱の危険信号

もし、LED電球を使っている部屋で「なんだかプラスチックが焦げたようなにおいがする」「薬品っぽい変な臭いが漂っている」と感じたら、それは緊急事態です。すぐにスイッチを切ってください。

これは、放熱が追いつかずに電球内部の基板や電子部品が異常過熱し、部品の被覆材や樹脂ケースが焦げ始めている可能性が非常に高いです。そのまま使い続ければ、発煙や発火に至るリスクがあります。

消費者庁には、LED照明に関する事故情報が多く寄せられていますが、その中には「異臭がした後に発煙した」「器具が溶けた」という事例がいくつも報告されています。

【事例2】
20 数年前に購入した照明器具にホームセンターオリジナルの LED 電球を交換して使
っていたら6個のうち1個が発火して壊れた。
(事故発生年月:平成 28 年 12 月、受付年月:平成 28 年 12 月)

消費者庁より

(出典:消費者庁『LED照明は正しく使いましょう』

「そのうちにおいも収まるかな?」なんて様子見は絶対にNGです。においがするということは、すでに設計上の安全マージンを超えて、部材が物理的に破壊され始めている証拠です。使用を中止し、電球が十分に冷めてから取り外して、変色や変形がないか確認してください。そして、器具との適合性(断熱材施工や密閉型かどうか)を再確認しましょう。

チカチカ点滅するのは熱暴走の前兆

電球がチカチカと明滅したり、不規則に点滅を繰り返したりする現象。これを「フリッカー」と呼びますが、これも熱と密接に関係していることが多いトラブルです。

原因としては、主に2つのパターンが考えられます。

  1. コンデンサの熱劣化:
    先ほどお話しした電源回路のコンデンサが、熱によって容量抜け(ドライアップ)を起こすと、電気をスムーズに流せなくなります。その結果、電圧が不安定になり、光がチラつくようになります。これは寿命の末期症状とも言えます。
  2. 保護回路の作動:
    高品質なLED電球には、温度が上がりすぎた時に自動的に電流を制限したり遮断したりして、発火を防ぐ「保護回路」が搭載されていることがあります。過熱状態になると保護回路が働いて消灯し、少し冷めるとまた点灯する…ということを繰り返して、点滅しているように見えるケースです。

どちらにしても、電球内部は悲鳴を上げている状態です。単なる寿命と捉えることもできますが、もし購入して間もないのにこの症状が出るなら、器具の熱がこもっていて放熱ができていない可能性が高いです。「チカチカするけど我慢して使おう」とは考えず、早急に取り外すことをおすすめします。

蛍光灯器具をそのまま使う火災リスク

「電気代を安くしたいから」といって、オフィスの蛍光灯や自宅のシーリングライトを、器具本体はそのままでランプだけ「直管型LED」や「丸型LED」に交換するケースが増えています。しかし、これは「熱」と「電気的な不適合」の観点から、最も火災事故のリスクが高い行為の一つだと警告されています。

① 古い安定器をそのまま使用している
蛍光灯器具には「安定器(バラスト)」という部品が内蔵されています。
これは、蛍光灯の点灯時に電圧を調整する重要なパーツですが、経年劣化により発熱や絶縁不良を起こすことがあります。

株式会社ライフサワダより引用

古い蛍光灯器具には、電流を制御するための「安定器(バラスト)」という重い部品が内蔵されています。この安定器を経由してLEDランプに電気を送る場合、安定器とLEDランプの相性が悪いと、異常な電流が流れて一瞬で破裂したり、発煙したりすることがあります。

また、たとえ「工事不要」を謳うLEDランプであっても、器具内部の安定器はそのまま電気が通り続けます。もし照明器具自体が10年、20年と使われていた場合、この安定器も老朽化しています。LED自体は省エネでも、古い安定器が無駄に電力を消費して発熱し、最悪の場合は天井裏で安定器が発火する「見えない火災」を引き起こすリスクがあるのです。

古い器具のLED化は慎重に!
日本照明工業会や消防庁も注意喚起を行っていますが、長期間使用した蛍光灯器具をLED化する場合は、単にランプを交換するのではなく、以下のどちらかの方法をとることが強く推奨されています。

  • 電気工事士の資格を持つプロに依頼して、器具内部の安定器を切り離す「バイパス工事」を行う。
  • 思い切って照明器具ごと、新しいLED一体型ベースライトに交換する。

「安く済むから」と安易にランプだけ変えるのは、見えない火災リスクを抱え込むことになるかもしれません。安全はお金には代えられませんから、ここは慎重に判断したいところです。

【総括】LED電球は熱くなる性質を知り安全に使う

ここまで見てきたように、「LED電球は熱くなる」というのは、物理的な必然であり、ある意味で当たり前の現象です。しかし、その熱を「どう逃がすか」という対策ができていないと、寿命が縮むだけでなく、重大な事故につながる可能性があります。

  • LEDは光らない分のエネルギーを「熱」として溜め込む性質がある。
  • ヒートシンクが熱いのは放熱している証拠だが、ずっと触れないほど熱くなることもある。
  • 「断熱材施工器具」や「密閉器具」には、必ず専用の対応電球を使う。
  • 異臭、変形、点滅は危険サイン。すぐに使用を中止する。
  • 古い蛍光灯器具のLED化は、安定器のリスクを考慮して慎重に行う。

これらのポイントをしっかりと押さえておけば、LEDは省エネで長持ちする、私たちの生活の素晴らしいパートナーになってくれます。正しい知識を持って、安全で快適な照明ライフを送ってくださいね。もし自宅の器具が対応しているか分からないなど、不安な点があれば、お近くの電気屋さんや専門家に相談してみるのも良い方法だと思います。

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