こんにちは。照明セレクション、運営者の「ミト」です。
安くて助かるオーム電機のLED電球ですが、使い始めてまもないのにすぐ切れるという経験をすると、不良品かなと不安になりますよね。4万時間の寿命があるはずなのに数ヶ月で寿命が尽きたように感じたり、浴室や密閉器具での使用で不具合が起きたりすると、ガッカリしてしまいます。
この記事では、オーム電機のLED電球がすぐ切れる原因や、レシートなしでの5年保証の対応、そして送料で損をしない交換方法などを詳しくお話しします。安さの裏にある理由を知って、次は損をしない電球選びができるようにお手伝いしますね。
オーム電機のLED電球がすぐ切れる主な技術的原因

なぜ、大手メーカーの数分の1という価格で販売できるのか、そこには設計上の理由が隠されていることが多いです。
私たちが普段見ることのできない、電球内部の仕組みから「すぐ切れる」理由を探ってみましょう。
樹脂筐体による熱のこもりとコンデンサの寿命
LED電球にとって最大の敵は「熱」です。
LEDは白熱電球に比べて発熱が少ないと思われがちですが、実は投入された電気エネルギーの約70%は熱に変わってしまうんです。この熱をいかに効率よく外に逃がすかが寿命の鍵を握ります。
オーム電機などの安価なモデルでは、徹底したコストダウンのために、放熱性に優れたアルミニウムダイキャストではなく、熱伝導率の低い「樹脂(プラスチック)筐体」を採用していることが一般的です。
電球の内部には、交流を直流に変換するための「LEDドライバ回路」が入っており、そこには「アルミ電解コンデンサ」という重要な部品が使われています。このコンデンサの中には電解液という液体が入っているのですが、樹脂筐体で内部に熱がこもると、この液体がどんどん蒸発(ドライアップ)してしまうんです。

化学の世界には「アレニウスの法則」というものがあり、周囲の温度が10℃上がると部品の寿命は半分になる「10℃半減則」が当てはまります。樹脂筐体の電球は、金属筐体のものに比べて内部温度が10℃〜20℃高くなりやすいため、理論上の4万時間を全うする前に、コンデンサがカラカラに乾いて壊れてしまうわけですね。
実際にオーム電機の電球を長時間使った後に触ってみると、付け根の部分が驚くほど熱くなっていることがあります。これは内部の回路が「熱地獄」に耐えている証拠でもあります。
安価な電球は、少ないLEDチップに大きな電流を流して明るさを稼ぐ設計になっていることも多く、そのぶん発熱量が増えてしまうという悪循環に陥りやすいかなと感じます。「明るいけれど熱い」という特性が、結果的に「すぐ切れる」という現象を招いている大きな要因の一つですね。
密閉器具や断熱材施工器具での誤使用による故障
照明器具には、カバーで覆われた「密閉型器具」や、天井裏に断熱材が敷き詰められた「断熱材施工器具(SB、SGI、SG形)」など、熱が逃げにくい構造のものがたくさんあります。

オーム電機の製品選びで最も注意したいのが、「密閉器具対応」と書いてあっても「断熱材施工器具」には対応していないモデルが非常に多いという点です。これは、私たちが思っている以上に深刻な問題なんですよ。
ダウンライトなどに多く見られる断熱材施工器具は、電球の周りを布団でくるんでいるような状態です。ただでさえ熱に弱い樹脂筐体の電球をそこに閉じ込めてしまうと、熱の逃げ場が完全になくなり、内部の温度はあっという間に100℃近くまで達することもあります。
大手メーカーの高級モデルは、こうした過酷な環境でも耐えられるように、セラミック素材や高度な回路設計で対策をしていますが、エントリーモデルのオーム電機製品ではそこまでのマージン(余裕)がないことが多いんです。ユーザーが「密閉器具対応ならどこでも大丈夫だろう」と誤解してダウンライトに取り付けてしまうことが、早期故障の隠れた原因になっています。
もし、あなたの家の電球が数ヶ月で切れてしまったのなら、まずはその器具が「断熱材施工器具」でないかチェックしてみてください。器具の枠に「SB」などのマークがあれば、専用の電球が必要です。対応していない電球を使い続けると、寿命が短くなるだけでなく、最悪の場合は発火や器具の変形を招く恐れもあるため、安全のためにも適合確認は絶対に欠かせません。正確な適合情報は、器具側に貼られているラベルや、メーカーの公式カタログで必ず確認するようにしてくださいね。
ダウンライトなどの天井埋込器具に使用する場合は、必ず「断熱材施工器具対応」の表記を確認しましょう。この表記がない電球を断熱材のある天井で使うと、熱ダメージにより寿命が極端に短くなります。
非対応の調光器回路への接続が招く早期点灯不良
リビングの壁にあるスイッチに、明るさを調節できるダイヤルやスライドが付いていませんか?

もし付いているなら、そこは「調光器回路」です。この回路に「調光器非対応」のLED電球を取り付けることは、故障を早める典型的なパターンです。たとえ明るさを100%(最大)にして使っていたとしても、調光器を通過した電気は波形が細かくカット(位相制御)されており、普通のLED電球の回路にとっては非常に大きなストレスになります。
非対応の電球を調光器で使うと、内部の電子部品が異常に振動して「ジジジ」という異音(うなり)が発生したり、光が細かく点滅する「フリッカー」が起きたりします。これらはすべて回路が悲鳴を上げているサインです。無理に電気を流し続けると、制御ICやコンデンサが過熱し、短期間で焼き切れてしまいます。
昨日まで点いていたのに急に点かなくなった。。。
という場合、この調光器との不整合が原因であるケースが多々あります。オーム電機からも調光器対応モデルは発売されていますが、非対応モデルに比べると価格が高くなるため、ついつい安い方を選んでしまいがちですが、ここは妥協してはいけないポイントですね。
私のアドバイスとしては、少しでも調光機能があるスイッチなら、迷わず「調光器対応」と明記された電球を選んでください。これは寿命を延ばすためだけでなく、チラつきによる目への負担を減らすためにも重要です。調光器との相性については、各メーカーが適合表を出しているので、不安な方は購入前にチェックしてみるのも良いかもしれませんね。
調光器使用時の主なトラブル症状
- 点灯した瞬間にすぐ消える、または激しく点滅する
- 「ジー」という小さな音が電球から聞こえる
- 明るさを絞ると完全に消えてしまう
浴室での使用による湿気の侵入とマイグレーション
お風呂場の照明はカバーで覆われているから、普通の電球でも大丈夫だろうと思っていませんか?実は、浴室という環境はLED電球にとって非常に過酷なんです。オーム電機の一般的なLED電球は「屋内用」であり、高度な防湿構造は備わっていません。
【 仕 様 】
■ 配光角度:広配光タイプ約230°
オーム電機公式より引用
■ 屋内用(屋外使用禁止)交流電源 100V 50/60Hz 共用
■ 寸法:全長…110mm、最大径…60mm
密閉器具に入れていても、点灯と消灯を繰り返すことで電球内部の空気が膨張・収縮する「呼吸作用」が起き、その際に周囲の湿った空気がわずかな隙間から内部に吸い込まれてしまうんです。
湿気が内部に入り込み、基板上の回路に水分が付着すると、電圧がかかった状態で金属が溶け出す「イオンマイグレーション」という現象が発生します。これによって回路がショートしたり、腐食が進んだりして、点灯不良を引き起こします。
「密閉器具対応」という言葉は、あくまで熱対策が一定レベルなされているという意味であって、「完全防水・防湿」を意味するわけではないのが注意点です。浴室でオーム電機の安い電球を使って「すぐ切れた」という場合、この湿気による回路ダメージが原因である可能性が非常に高いかなと思います。
浴室で長く使いたいのであれば、やはり防湿設計がしっかりなされた大手メーカーの「浴室灯対応」モデルを選ぶのが安心です。もしくは、オーム電機製品を使う場合でも、浴室専用の密閉器具のパッキンが劣化していないか、水滴が直接かからないかなどを再確認する必要があります。
安価な電球を数ヶ月おきに買い換える手間と、数千円の高品質な電球を10年使う満足感。どちらが自分に合っているか、一度考えてみる価値はありますね。詳しい防水・防湿の基準については、日本照明工業会のガイドラインなども参考にすると理解が深まりますよ。
浴室のような高湿度環境では、電球自体の寿命よりも先に「湿気による基板腐食」でダメになることが多いです。長く持たせたいなら、防湿性能を重視した製品選びが不可欠です。
保護素子の簡略化によるサージ電圧の影響
最後に触れておきたいのが、目に見えない電気のトゲ、「サージ電圧」の影響です。
家庭のコンセントに流れている電気はAC100Vですが、実は常に一定ではありません。雷が近くに落ちたときはもちろん、家の中でエアコンや冷蔵庫などの大きなモーターが動く瞬間にも、一瞬だけ数千ボルトという高い電圧が流れることがあります。これを「サージ」と呼びます。LED電球のような精密な電子機器にとって、このサージは致命的なダメージになり得ます。
パナソニックなどの高額なLED電球には、このサージを吸収して回路を守る「バリスタ」という保護素子や、ヒューズが幾重にも組み込まれています。
サージ電圧が印加されるとZNRサージアブソーバにサージ電流が流れ
パナソニック公式より引用
サージ電圧を制限することができます
しかし、オーム電機の低価格モデルでは、基板のスペース制限やコスト削減のために、これらの保護素子が最小限だったり、省略されていたりすることがあります。
守備力が低い状態の電球は、一度の強力なサージで瞬時に基板が焼き切れてしまい、「昨日まで元気だったのに突然死」という結果を招くわけです。これが、個体によって寿命にバラつきが出る大きな理由の一つかもしれません。運良くサージに遭わなければ長持ちしますが、運悪く電圧の乱れに直撃すれば「すぐ切れる」ことになってしまいます。
最近は、雷ガード付きの電源タップなどが普及していますが、照明器具のソケットにまでガードをかけるのは難しいですよね。もし、地域的に雷が多い場所だったり、築年数が経っていて電気系統が不安定な住宅にお住まいだったりする場合は、あえてサージ耐性の高い高級メーカー品を選ぶ方が、結果として買い替え費用を抑えられる「安上がり」な選択になるかもしれません。
このあたりの「目に見えないコスト」が、価格の差として現れているんだなと私は感じています。
オーム電機のLED電球がすぐ切れる際の保証や選び方

もし切れてしまっても、諦めるのはまだ早いです。オーム電機には「5年保証」という強い味方があります。でも、使い勝手にはちょっとしたコツが必要なんですよ。賢く対処する方法をまとめました。
5年保証を受けるために必要なレシートと交換手順
オーム電機のLED電球の多くには、「購入日から5年間の保証」が設定されています(一部対象外あり)。

これは、もし通常の使用状態で壊れてしまった場合、無償で交換品を提供してくれるという素晴らしい制度です。まず用意すべきは、購入日と商品名がはっきりわかるレシートや領収書です。
これがないと、いつ買ったものか証明できないため、保証を受けられる確率がグンと下がってしまいます。もしレシートを捨ててしまったという場合でも、家電量販店のポイントカードの履歴から購入証明を出してもらえることもあるので、まずは諦めずに確認してみましょう。
具体的な手順としては、オーム電機の「お客様相談室」や「修理相談センター」へ連絡を入れます。状況を説明すると、故障した現品をメーカーへ送るように案内されます。この際、パッケージの箱などはなくても大丈夫ですが、電球本体に印字されている型番や製造番号が読み取れる必要があります。
ただし、注意したいのは「保証対象外」となるケースです。前述したような「非対応器具での使用(断熱材施工器具への誤用など)」や「改造」「落下」などが故障の原因と判断されると、保証は適用されません。あくまで取扱説明書に従った正しい使い方をしていたことが前提になります。正確な保証規定については、必ずオーム電機の公式ページを確認するようにしてくださいね。
(出典:株式会社オーム電機『LED電球 5年保証制度について』)
送料負担を回避する店舗への直接持ち込み手続き
保証が使えるとわかっても、ここで大きなハードルになるのが「送料」です。初期不良(買ってすぐの故障)を除き、一般的にメーカーへ修理品を送る際の送料は「ユーザー負担(元払い)」となることがほとんどです。
500円で買った電球を交換してもらうために、宅配便で700円〜1,000円の送料をかけるのは、どう考えても損ですよね。これこそが、安価な電球の保証が「使いにくい」と言われる理由です。
そこで活用したい裏技が、「購入した販売店(ヨドバシカメラやホームセンター等)のサービスカウンターに持ち込む」という方法です。多くの場合、販売店はメーカーと定期的な物流網を持っています。店舗に故障品とレシートを持っていき、「保証で交換をお願いしたい」と伝えれば、店舗がメーカーへ送ってくれるため、私たちは送料を負担せずに済むことが多いんです。

これなら、交通費だけで交換手続きができるので、経済的にも納得感がありますよね。持ち込む前には、念のため店舗へ「持ち込みでの保証対応が可能か」を電話で確認しておくとスムーズですよ。
| 対応方法 | 予想費用(送料) | 手間とリスク |
|---|---|---|
| メーカーへ宅配便で送る | 約700円〜1,000円 | 梱包の手間があるが、自宅で完結する |
| 購入店舗へ持ち込む | 0円(店舗までの交通費のみ) | お店に行く手間があるが、最も安上がり |
| 諦めて新しいのを買う | 約500円〜(新品代) | 最も早いが、保証の権利を捨てることになる |
パナソニックやアイリスオーヤマとの耐久性比較
オーム電機の電球がすぐ切れることに疲れてしまったなら、次は他のメーカーを検討する時期かもしれません。主要なメーカーとオーム電機の違いを、私なりに分析してみました。
まず、絶対的な信頼性を求めるなら「パナソニック(パルック)」です。価格はオーム電機の3〜4倍しますが、放熱設計、回路の保護機能、断熱材施工器具への対応力、どれをとっても最高クラスです。10年経っても現役で光り続けているパルックを見ると、「結局は高い方が安い」という言葉を実感しますね。
次に、コストと品質のバランスが良いのが「アイリスオーヤマ」です。オーム電機よりは少し高いですが、5年保証の知名度が高く、ラインナップも整理されていて選びやすいのが特徴です。
独自の放熱技術で樹脂筐体でも長持ちさせる工夫がされており、大手メーカー品は高すぎるけれどオーム電機では不安、という方にはちょうど良い「落とし所」になるかなと思います。各メーカーのスペック比較は、カタログスペック上の寿命(4万時間)だけでなく、「断熱材施工器具対応かどうか」「lm/W(エネルギー消費効率)の高さ」に注目すると、本当の品質の差が見えてきますよ。詳しく比較した記事も以前書いたので、気になる方はそちらもチェックしてみてくださいね。
コスパを最大化する設置場所別の正しい使い分け
私は「全ての電球をパナソニックにすべき」とは思いません。大切なのは、「どこで、どの電球を使うか」という戦略です。オーム電機の電球の最大の武器は、その圧倒的な初期費用の安さです。
この強みを活かせるのは、ズバリ「短時間しか点灯しない、風通しの良い場所」です。例えば、廊下、階段、トイレ、物置、玄関の外灯(密閉器具でないもの)などですね。これらの場所は熱がこもりにくいため、オーム電機製でも余裕で数年以上持つことが多く、非常にコスパが高くなります。
逆に、リビングのメイン照明やキッチンの手元灯、浴室、そして天井埋込のダウンライトなどは、点灯時間が長く熱負荷が非常に高い場所です。こうした「過酷な環境」に安価な電球を投入するのは、寿命を削っているようなもの。
ここではケチらずに、信頼の置けるメーカー品を選ぶ。この「適材適所の使い分け」こそが、照明選びで一番損をしないコツだと私は確信しています。家中の電球をリストアップして、それぞれの点灯時間と器具の種類を確認してみると、意外な節約ポイントが見つかるかもしれませんよ。LED電球の寿命についてもっと深く知りたい方は、こちらのガイドも参考にしてください。
買い替え時に確認すべき対応器具のマークと仕様
次に電球を買いに行くときは、スマホのメモに今の器具の仕様を書き写してから出かけましょう。一番の失敗は、店頭で「これ安いやん!」と勢いで買ってしまうことです。必ずチェックすべきは、器具に貼られている「適合マーク」です。

「密閉型器具対応」は大前提として、ダウンライトなら「SB」「SGI」「SG」マークの有無を必ず確認してください。これらのマークがある器具には、必ず「断熱材施工器具対応」の電球を合わせる必要があります。これが一致していないと、どんなに良い電球でもすぐに寿命を迎えてしまいます。
また、明るさ選びも寿命に関係します。例えば、60W相当の明るさが本当に必要か、一度考えてみてください。40W相当に落とすことで、消費電力(ワット数)が下がり、そのぶん発熱も抑えられます。熱が減れば、電子部品へのダメージも軽減されるため、結果として長持ちする可能性が高まるんですね。
最近のLEDは効率が良くなっているので、40W相当でも意外と明るく感じることもありますよ。もし自分で判断がつかない場合は、お店の照明担当の方に、今使っている器具の写真(スマホで撮ったもの)を見せて相談するのが一番確実です。プロのアドバイスをもらうことで、無駄な買い直しを防ぐことができますよ。
失敗しない買い替えチェックリスト
- 器具が密閉型か、開放型かを確認する
- 断熱材施工マーク(SB/SGI/SG)の有無をチェック
- 調光スイッチがついている場所か確認する
- 保証期間(5年など)がパッケージにあるか見る
- ワット相当数を一段下げる検討をしてみる
オーム電機のLED電球がすぐ切れる悩みへのまとめ
オーム電機のLED電球がすぐ切れるという問題は、その低価格を実現するための「熱マージンの少なさ」と、ユーザー側の「設置環境とのミスマッチ」が重なったときに起きる必然的な現象だといえそうです。
安さが魅力なだけに、熱がこもらない場所で使う分にはとても賢い選択になります。もし購入後すぐに切れてしまったら、保証書やレシートを持って、まずは購入したお店へ相談に行ってみてください。送料をかけずに交換してもらう方法を活用して、賢く権利を使いましょう!
最終的な判断は、設置場所の安全性や利便性を考えて行うことが大切です。正確な情報は各メーカーの公式サイトや取扱説明書を必ず確認するようにしてくださいね。照明一つで、お部屋の雰囲気も節約の効率も変わってきます。
今回の記事が、あなたの「すぐ切れる」というモヤモヤを解消し、次の一歩を明るく照らすヒントになれば嬉しいです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。それでは、素敵な照明ライフを!


