ダイニングテーブルの真上にペンダントライトが来ない、もう少し位置を調整したい、と感じることはありませんか?特に賃貸のお部屋では、天井が石膏ボードの場合も多く、自由に穴を開けられないため悩ましい問題です。
さらに理想の位置に照明を動かすため、ペンダントライトの位置調整ができるフックを100均で探している方も多いのではないでしょうか。
この記事では、100均で手に入るフックの情報から、具体的なコードの掛け方、さらにはコードハンガーやダクトレールといった他の選択肢と比較し、どのようにおしゃれに設置できるかを紹介します。最適な方法を見つけるお手伝いをします。
100均フックでペンダントライトの位置調整

ダイソーで買える天井フック
ダイソーではペンダントライトの位置調整に活用できる、石膏ボードピンに対応した天井フックが販売されています。店舗や時期によって取り扱いは異なりますが、一例として、耐荷重が約3kgのタイプと約500gのタイプの2種類が確認されています。

ペンダントライトは、軽量なものでも電球を含めると500gを超えることが多く、シェードの材質(ガラスや金属など)によっては1kg~2kg近くなることも珍しくありません。万が一の落下を防ぐためにも、照明の吊り下げに使用する場合は、安全マージンを考慮し、耐荷重3kgのタイプを選んでおくと安心です。
これらのフックも、後述する「マジッククロス8」シリーズと同様に、複数の細いピンを石膏ボードの天井に斜めに打ち込んで固定するタイプであり、賃貸住宅での使用にも配慮されています。
取り付ける際は、必ずパッケージに記載されている「耐荷重」と、使用可能な天井の材質(「石膏ボード用」などの記載)を厳重に確認してください。照明の正確な重さが不明な場合は、事前にキッチンスケールなどで測定するか、メーカーの仕様(取扱説明書やウェブサイト)を確認することが大切です。
セリアのライト関連品
セリアにも同じくペンダントライトの位置調整やインテリアとしての照明設置に役立つアイテムが見つかります。
ひとつは、ダイソーと同様に、石膏ボードの天井にピンで固定するタイプの天井用フックです。セリアでは「天井用フックピン(マジッククロス8)」として、日軽産業株式会社の製品が取り扱われている場合があります。これはホームセンターなどで販売されているものと同じ製品であり、品質面でも信頼が置けます。

もうひとつ、セリアで特徴的なのが「SMD電球 ペンダントライト」といった電池式のライト本体です。
これは、天井の引掛シーリングから電源を取る必要がなく、単4電池などで点灯する簡易的なライトです。最大のメリットは、電源の位置に一切縛られず、フックさえ取り付けられれば、お部屋のどこにでも吊り下げられる点にあります。
ただし、注意点として、これらはあくまで簡易的な間接照明やインテリアのアクセントとしての役割が主です。ダイニングテーブル全体を明るく照らすようなメインの照明(食事用の照明)としては、光量が絶対的に不足する可能性が高いです。クローゼットの中やベッドサイド、あるいはリメイクしてキャンプで使用するなど、補助的な灯りとして活用するのが適しています。
100均のダクトレール用品
ダイソーでは100円商品ではありませんが、簡易的なライティングレール(ダクトレール)本体と、それに関連するアクセサリー類が比較的安価に販売されています。

本体は、レール長が30cmや50cmといったコンパクトなものが中心で、価格は1,000円(税抜き)程度からとなっています。これに加えて、ダクトレールに取り付けるための「直付けソケット」(E17/E26口金対応)や「スポットライト」、「吊りフック」なども各数百円でラインナップされています。
ダクトレールを設置する最大のメリットは、レール上であれば照明の位置を自由にスライドできたり、複数の照明(スポットライトやペンダントライト)を取り付けたりできる拡張性の高さにあります。
ダイソーのダクトレールは約3cmのネジと、コンクリート用のアンカーボルトが付属しています。重量のある照明器具を天井に取り付けるとなると、両面テープや小さなプッシュピンなどでは対応ができません。
https://precocirico.com/kabekake_syuunou/kabekakeinteria/daiso-_dakutore-ru.html
一方で、ダクトレール用の「吊りフック」は、照明だけでなく、エアプランツやモビールなどを吊るすインテリアアイテムとして活用できる便利なパーツです。
コードの掛け方
フックを使ってペンダントライトのコードを掛ける際は、見た目の美しさだけでなく安全性にも最大限配慮する必要があります。
まず、フックに直接コードを引っ掛ける方法ですが、フックの形状(特にJフック)によっては、コードの太さに対してフックの溝が浅く、地震などの揺れでコードが外れてしまう可能性があり、安定性に欠ける場合があります。また、フックの角でコードの被覆が傷つく恐れもあります。
そのため、間にS字フックを介在させることを推奨します。
天井のフックにS字フックを掛け、そのS字フックにペンダントライトのコードを掛ける形です。これにより安定性が増します。この場合、使用するS字フックも照明の総重量に耐えられる、しっかりとした(できればステンレス製などの)製品を選んでください。
次にコードの長さ調整です。コードが長すぎる場合、そのまま垂らすと見栄えが悪く、頭に当たる可能性もあります。
市販の「コードリール」や「コードアジャスター」を使って巻き取ったり、コードで輪っかを作って結束バンドやおしゃれなクリップで縛り、その輪の部分をS字フックに引っ掛けたりする方法があります。
おしゃれに見せる配線と吊るし方
ペンダントライトの位置調整では、元の電源からフックまで、あるいはフックから壁のコンセントまでを這うことになる「コード(配線)」をいかに処理するかが、部屋の印象を左右する重要なポイントになります。
方法は大きく分けて「隠す」か「見せる」かの2通りです。
1. 配線を隠す方法
天井や壁を這うコードが目立つのが気になる場合は、隠蔽配線を試みます。
例えば、天井の隅や壁際にコードを這わせ、背の高い家具(本棚やキャビネット)や観葉植物の裏側を通すように配線します。壁のコンセントにつなぐ場合は、市販の配線モール(コードカバー)を使って壁紙の色と馴染ませ、床を這わせる部分もラグの下を通すなど、極力コードが見えないように工夫します。
2. 配線を見せる方法
逆に、コードをあえてインテリアの一部として「見せる」方法もあります。
例えば、天井にフックを複数個取り付け、コードをわざとジグザグや波型に這わせることで、デザイン的なアクセントにします。この場合、配線を固定するための「コードクリップ」も、デザイン性の高いものを選ぶと良いでしょう。
また、照明本体やフック、S字フックの色(白、黒、シルバー、ゴールドなど)を、天井や壁紙、他の家具の色と合わせることで、空間全体に統一感が生まれ、洗練された印象を与えられます。配線コード自体を、好みの色や素材(布巻きコードなど)のものに交換するリメイクも可能ですが、電気工事の知識が必要な場合があるため注意が必要です。
100均のペンダントライトの位置調整フックと選び方

賃貸でも安心なフックの選び方
賃貸住宅でペンダントライトの位置を調整する場合、天井に大きな穴を開けず、退去時に跡が目立たないフックを選ぶことが何よりも大切です。
なぜなら、ネジやアンカーボルトを使用する方法は固定強度こそ高いものの、天井に直径数ミリのしっかりとした穴が残ってしまいます。これは「通常の使用による損耗」とは見なされず、退去時に原状回復費用として敷金から差し引かれたり、追加費用を請求されたりする可能性があるからです。
そこで賃貸に適したフックとして、複数の細いピンをクロスさせて石膏ボードに固定するタイプが挙げられます。

例えば「マジッククロス8 Jフック」は、上で触れたようにホームセンターや100円ショップの一部店舗でも取り扱いがあり、石膏ボードの天井に対応しています。
このタイプのフックが賃貸向きな理由は、使用するピンが画鋲の針と同等かそれ以上に細いことにあります。ピンを抜いた後の穴は非常に小さく、ビニールクロスの伸縮性や復元力によって、ほとんど目立たなくなるのが最大の利点です。
フックを選ぶ際には、以下の2点に必ず注意してください。
【賃貸用フック選びの重要ポイント】
壁用のフック(例えばホチキスの芯で固定する「壁美人」など)は、ピンや芯が壁に対して垂直に刺さる設計です。これを天井に使用すると、照明の重みが真下にかかり、ピンが重力に負けて抜け落ちてしまう危険性が非常に高くなります。必ず「天井用」と明記され、ピンが斜めに刺sる構造の製品を選んでください。
そしてペンダントライト本体の重量に加えて、電球の重量も合算した「総重量」を確認してください。照明器具は見た目以上に重いことがあります。総重量がフックの耐荷重の範囲内であることを絶対に確認しましょう。不明な場合はキッチンスケールなどで実測すると安心です。安全マージンを考慮し、耐荷重ギリギリではなく、余裕を持った製品を選ぶことを推奨します。
また、フックの色は白色を選ぶと、多くの日本の住宅で使われている白い天井クロスによく馴染み、存在感を最小限に抑えられます。
石膏ボード天井への付け方
石膏ボードの天井には、前述の専用ピン式フックを使用することで、DIY初心者でも比較的簡単に取り付けが可能です。
石膏ボードは、その名の通り石膏を板状にしたもので、内装材として広く使われていますが、材質自体は柔らかく脆いため、ネジや釘が効きにくい特性があります。しかし、専用のピン式フックは、複数の細いピンを斜め(クロス)に打ち込むことで、ピンが石膏ボード内部で突っ張り、高い強度を確保する仕組みになっています。
事前確認:天井の材質
まず、ご自宅の天井が本当に石膏ボードであるかを確認します。目立たない場所(部屋の隅など)に画鋲やピンを刺してみて、針の先に白い粉が付けば、石膏ボードである可能性が高いです。もし針が刺さらない、または少ししか刺さらない場合は、コンクリートや下地の可能性があります。
取り付けの手順
まず位置決めライトを吊るしたい中心位置を正確に決めます。特にダイニングテーブルの真上など、基準がはっきりしている場所は重要です。目分量で決めようとすると、実際に吊るした際にずれが目立ちやすくなります。
正確に位置を出すには、テーブルの対角線上に紐やマスキングテープを張り、交差した点を真上の天井に写す方法が有効です。
糸の先に五円玉などの重りをつけた「下げ振り」を天井から垂らし、テーブルの中心に来る位置を探るのも良い方法です。位置が決まったら、鉛筆などで天井に小さく印を付けます。

次にフックの取り付け安定した脚立や椅子を用意し安全な足場を確保します。フックのベース部品(取付ピース)を天井の印に合わせます。次に、付属のピンをベース部品の穴にセットし、コインや専用の「クギ押しくん」のような工具を使って、ピンを一本ずつ天井に押し込んでいきます。この際、ずっと上を向いての作業になるため、首や腕に負担がかかるので無理のない姿勢で、慎重に行ってください。
キャップの装着全てのピンを打ち込み、ベースがしっかり固定されたことを確認したら、最後にカバーとなるフック本体やキャップを取り付けて完了です。
【注意】ピンが刺さらない場合
ピンを押し込んでもスムーズに入っていかない、または途中で止まってしまう場合は、無理に力を加えないでください。
原因としては以下の可能性が考えられます。
- 天井下地(野縁)に当たっている:石膏ボードを支えるための下地(木材や軽量鉄骨)にピンが当たっている状態です。下地は天井裏に格子状に入っているため、数センチ位置をずらすと刺さる場合があります。
- 天井の材質が違う:前述の通り、石膏ボードではなくコンクリートなどの硬い材質である可能性があります。この場合、ピン式フックは使用できません。
天井がコンクリートの場合の注意点
上で触れたように天井の材質が石膏ボードではなくコンクリートだった場合、残念ながら石膏ボード用のピン式フックは一切使用できません。
理由は極めて単純で、コンクリートは非常に硬いため、石膏ボード用の細く柔らかいピンは全く刺さらないからです。試しにハンマーなどで叩き込もうとしても、ピンがすぐに曲がってしまい危険です。
鉄筋コンクリート造(RC造)のマンションや、一部の軽量鉄骨造の建物では、天井がコンクリート躯体に直接壁紙(クロス)を貼った「直天井(じかてんじょう)」と呼ばれる仕上げになっていることがあります。
【警告】コンクリート天井へのDIYは原則不可
賃貸住宅において、コンクリートの天井に個人がドリルで穴を開けたり、アンカーを打ち込んだりする行為は、建物の躯体を損傷させる重大な契約違反となる可能性が極めて高いです。絶対に自己判断で行わないでください。
このような状況でペンダントライトの位置を調整したい場合は、天井に穴を開けない別の方法を検討する必要があります。
- ペンダントサポーター:元の引掛シーリングを基点に、アームで位置をずらす器具です。(詳細は後述)
- 簡易ダクトレール:元の引掛シーリングに取り付けられる、工事不要のタイプを選びます。(詳細は後述)
- コンセント式ライトの活用:天井の電源は諦め、壁のコンセントから電源を取るタイプのペンダントライトを選び、コードを天井や壁に這わせる方法もあります。この場合、コードを固定するために壁用のピンフックやコードモールを使用します。
コードハンガーとは?位置調整の方法
コードハンガーは、ペンダントライトのコードを引っ掛け、位置をずらすために使用する吊り金具(フック)の総称です。

最も一般的な用途は、ダイニングテーブルなどの家具の配置と、天井の引掛シーリングの位置がずれている場合に、コードハンガーを介して照明をテーブルの真上まで誘導することです。
従来、コードハンガーと呼ばれる製品の多くは、天井にネジで直接固定するタイプが主流でした。この方法は、天井の下地(木材)がある部分にしっかりと固定できるため強度は高いですが、前述の通り、天井に明確なネジ穴が開いてしまいます。
そのため、賃貸住宅においては、ネジ式の本格的なコードハンガーの代わりに、跡が目立たない「ピン式フック」がその役割を担うケースが増えているのです。
また、コードハンガーは、傾斜天井(勾配天井)にペンダントライトを取り付ける際にも必須となる場合があります。引掛シーリングが傾斜部分にある場合、そのまま吊るすとライトが斜めになってしまうため、天井の一番高い水平部分などにコードハンガーを取り付け、そこからライトを吊り下げる「ジャンピング」と呼ばれる手法が用いられます。この場合、フックには照明の全重量がかかるため、必ず下地のある部分に、十分な耐荷重を持つ金具で固定する必要があります。
ペンダントサポーターという選択肢
ペンダントサポーターは、天井に一切穴を開けることなく、ペンダントライトの吊り下げ位置を調整できる専用器具です。
多くの製品は、元の引掛シーリング(電源)に器具本体を取り付け、そこからアーム(棒)が伸びる構造になっています。照明器具はこのアームの先端、あるいはアーム上をスライドできるフックに吊り下げることで、電源の位置からアームの長さの分だけ位置を移動させることができます。

メリット
最大のメリットは、天井に新たな穴を開けたり傷つけたりする必要が一切ないため、賃貸住宅でも何の心配もなく使用できる点です。取り付けも、既存の引掛シーリングに照明器具を取り付けるのと同様の手順で、比較的簡単に行えます。
デメリット
一方、デメリットも存在します。
第一に、ピン式フックに比べてコストが比較的高額になる点です。製品にもよりますが、数千円程度かかるのが一般的です。
第二に、器具自体のデザインや存在感が大きい点です。天井にアームが露出するため、部屋のインテリアテイストと合わない可能性もあります。
第三に、移動できる範囲がアームの長さに限定される点です。大きく位置をずらしたい場合には対応できないこともあります。
フックと比較した際の主な選択肢の特徴を、改めて以下の表にまとめます。ご自身の住環境や予算、移動したい距離に合わせて最適な方法を選択してください。
| 調整方法 | 特徴 | メリット | デメリット・注意点 |
| ピン式フック (100均など) | 天井にピンでフックを固定しコードを掛ける | ・コストが非常に安い ・跡が目立ちにくく賃貸向き | ・耐荷重の確認が必須 ・石膏ボード専用 ・配線が露出する |
| コードハンガー (ネジ式) | 天井にネジで金具を固定しコードを掛ける | ・フックよりもしっかり固定できる場合がある | ・天井にネジ穴が開くため賃貸では使いにくい ・下地のある場所への設置が必要 |
| ペンダントサポーター | 元の電源(シーリング)に器具を取り付ける | ・天井に穴を開けずに位置調整が可能 ・賃貸でも安心 | ・コストが比較的高額 ・器具のデザインが目立つ ・移動範囲がアームの長さに限定される |
| ダクトレール | 元の電源にレールを取り付ける | ・レール上なら自由に位置を変えられる ・複数の照明を取り付け可能 | ・器具のコストがかかる ・天井へのネジ止めが必要なタイプが多い(賃貸注意) |
ペンダントライト位置調整フックは100均で探そう
ここまで解説してきたように、ペンダントライトの位置調整に使えるフックは100均でも見つけることが可能です。
最後に、100均のフックを活用してペンダントライトの位置を調整する際の要点を箇条書きでまとめます。これらのポイントを押さえ、安全かつ快適なダイニング空間を実現してください。

